ヨガやアーユルヴェーダの世界に触れると出会う「チャクラ」という言葉。
言葉として馴染みはあっても、説明できる人は多くないかもしれませんね。
簡単に説明すると、チャクラとは「車輪」という意味のサンスクリット語。体の中にはエネルギーのスポットが多くあり、その中の主要な7つがチャクラとされています。
心身の健康と密接に関係しているチャクラ。チャクラの状態が不安定になれば様々な不調を引き起こすと言われており、また生き方にも影響が表れます。
逆にチャクラが安定すれば、自分の能力を最大限に発揮でき、よりよい人生を送れるように。
チャクラの状態は生まれ持ったその人の資質もありますが、自分で整えることも可能です。チャクラを知れば心と体のバランスが整い、自分らしく生きる手助けとなるはず。
チャクラの理解を深めるため、今回はチャクラの場所と性質について解説していきましょう。
CONTENTS
- 1 人体の中心に並んだ7つのチャクラ
- 2 【第1チャクラ】ムーラダーラ・チャクラ(Muladhara cakra)
- 3 【第2チャクラ】スヴァディスターナ・チャクラ(Svadhisthana cakra)
- 4 【第3チャクラ】マニプーラ・チャクラ(Manipura cakra)
- 5 【第4チャクラ】アナハータ・チャクラ(Anahata cakra)
- 6 【第5チャクラ】ヴィシュッダ・チャクラ(Vishuddha cakra)
- 7 【第6チャクラ】アジュナ・チャクラ(Ajna cakra)
- 8 【第7チャクラ】サハスラーラ・チャクラ(Sahasrara cakra)
- 9 【おわりに】チャクラを整えてよりよい人生に
人体の中心に並んだ7つのチャクラ
チャクラは第1チャクラから第7チャクラまで7つあり、下の図のように体の中心に並んでいます。
チャクラにはそれぞれ意味やカラーがあり、また起こるトラブルにも傾向があるとされています。乱れたチャクラがあるときはその場所やカラーを意識すれば活性化でき、自身で調整することが可能、ということ。
チャクラを味方につけると、人生をより輝かせることができそうですね。
次章からは、それぞれのチャクラについて具体的に解説していきましょう。
【第1チャクラ】ムーラダーラ・チャクラ(Muladhara cakra)
第1チャクラは、地のエネルギー、安定や忍耐に関わるチャクラ。
生殖器と肛門の間にあり、地に足のついた現実的な生き方を支えています。
- チャクラの場所:会陰
- 意味:Mulaは「根本」という意味
- 身体との関係:腎臓、副腎、生殖器
- 不調に陥った場合:身体の冷え、足腰の弱まり、大腿四頭筋の衰え
- カラー:赤
大地にどっしりと根を張った植物からは強い生命力を感じますが、それは人間も同じ。エネルギーに満ち溢れた人間は、心と体の土台がしっかりしています。
第1チャクラは安定に関わるもので、活性化すればポジティブになり、乱れるとネガティブに傾きます。また、下半身が冷えたり、足腰が弱まって立ち方が不安定になるのも第1チャクラが弱まったときのサインです。
環境に変化が起きるときや、人生に変化が生まれるときは、思考や行動が不安定になりやすいもの。自分を見つめ、人生と現実的に向き合いたいときに意識したいチャクラです。
【第2チャクラ】スヴァディスターナ・チャクラ(Svadhisthana cakra)
第2チャクラの場所は、おへその下。女性だと子宮のある場所です。
水のエネルギーが関わるチャクラです。
- チャクラの場所:丹田(へその10cm程度下)
- 意味:Svadhisthanaは「プラーナ(気)のよりどころ」という意味
- 身体との関係:生殖器や膀胱、副腎
- 不調に陥った場合:やる気がなくなる、むくんで足腰が重だるくなる
- カラー:橙
第2チャクラは心の活力につながるチャクラで、生きる喜びや行動力に関係します。
このチャクラが整っていると感情が豊かになり、楽しいこと、おいしいもの、美しいものに心から喜びを感じることができるように。
逆に乱れてしまうと、やる気がなくなる、挑戦する勇気が失われる、依存心が強くなる、など生きるパワーのバランスが崩れてしまいます。
楽しむことに罪悪感を抱いてしまう、感情や欲望を押し殺してしまう、依存しやすい。そんな人は第2チャクラが乱れているのかもしれません。
【第3チャクラ】マニプーラ・チャクラ(Manipura cakra)
第3チャクラは火のエネルギー、消化力に強く関わるチャクラ。おへそのあたりにあります。
- チャクラの場所:へそから鳩尾のあたり
- 意味:Maniは「宝珠」、puraは「町」という意味で、人体の「宝石の都市」、へそのあたりのこと
- 身体との関係:消化器系、ひ臓
- 不調に陥った場合:便秘や下痢になる、他人のことが許せなくなる
- カラー:黄
第3チャクラはコミュニケーションの土台となる信頼関係に関連します。
このチャクラが安定している人は自信があり、社交的。自分の魅力を引き出し、周囲から好感を抱かれる存在となります。
逆にこのチャクラがうまく機能しないと、物事を理解して飲み込めなかったり、人に対する思いやりや許容力が欠けたりなどの影響が出ます。
第3チャクラが閉じると、自信を失う、心が狭くなる、意地悪になる、といった傾向が見られ、反対に過剰になると興奮しやすい、攻撃的になる、傲慢になる、などの態度が表れます。
ため息や愚痴が増えていませんか。うまいかないことを他人や環境のせいにしていませんか。
自分の軸がしっかりとすれば、他者に必要以上に振り回されなくなります。自分がブレやすいと感じる人は第3チャクラに注目してみましょう。
【第4チャクラ】アナハータ・チャクラ(Anahata cakra)
第4チャクラは風のエネルギー、与え、いただく力に関わるチャクラ。胸の場所にあり、胸から手に関係しているチャクラです。
- チャクラの場所:胸
- 意味:Anahataは、「破られない、止まることのない」という意味
- 身体との関係:胸から手、胸腺
- 不調に陥った場合:心臓の働きや手の動きに制限が出る、自己中心的になる
- カラー:緑
このチャクラは愛を築く力に関わるもので、パートナーへの愛情、家族愛、友情などと関係します。
愛を築くには、愛を与えるだけでも、愛を受け取るだけでもだめ。両者のバランスが重要になります。
第4チャクラがうまく機能しないと、愛してもらうことだけを求めたり、他人に心を開けなかったりと、自分本意な愛に走ってしまいがち。
家族や仲間との不和を招いてしまうことがあります。
一方で「与えることが愛情だ」と考える人は少なくありません。愛を与えることでよきパートナー、よき親であろうとしますが、相手に尽くしすぎて、虚しさや孤独感に襲われてしまうことも。
自分のことを愛して他人に心を開き、愛を受け取ることも大切です。
劣等感があったり、周囲への嫉妬心が強い場合は、このチャクラが乱れているサイン。第4チャクラが整うと、他人だけでなく自分も信頼でき、寛容に生きることができると言われています。
【第5チャクラ】ヴィシュッダ・チャクラ(Vishuddha cakra)
喉に関係している第5チャクラ。空のエネルギー、コミュニケーションに関わっています。
- チャクラの場所:のど
- 意味:Vishuddhaは「清浄」という意味
- 身体との関係:甲状腺、副甲状腺
- 不調に陥った場合:のどの調子が優れない、コミュニケーション力が衰える
- カラー:青
表現やコミュニケーションに関わる第5チャクラ。このチャクラを高めることは、自分らしく生きることにつながります。
会話によるコミュニケーションは、聞くことと伝えることの両方が必要。
このチャクラが乱れると、自分の気持ちをうまく伝えられない、人の話を理解できない、攻撃的な言い方をしてしまうなど、意思疎通にトラブルが生じます。
声は心と密接に関連していて、自分の意見を飲み込んだり、感情を押し殺したりしていると、喉に違和感が生じることも。
自分の気持ちを無視しないこと、そして表現が下手でもいいので相手にきちんと伝える意識を持つことが大切です。
私はハーブティーを好み、のどの調子が悪い時は腫れや痛みの緩和に役立つと言われる「マロウブルー(ウスベニアオイ)」を飲んでいます。
このハーブティーは青色で、第5チャクラのカラーもブルー。こういった関係性もチャクラの面白いところかもしれませんね。
【第6チャクラ】アジュナ・チャクラ(Ajna cakra)
眉間に関係し、直感やひらめきなどに関わる第6チャクラ。
真実を見抜く能力に優れる人は、このチャクラが発達しているそうです。
- チャクラの場所:眉間
- 意味:Ajnaは「命令」という意味
- 身体との関係:目、神経系、脳下垂体
- 不調に陥った場合:直観力やひらめきが鈍る
- カラー:藍
第6チャクラが乱れていると、クヨクヨと悩んだり、アイデアが浮かばなかったり、理屈っぽくなったりと、直観力が落ちてしまいます。
先入観や偏見に邪魔をされたり、憶測で決めつけたりと、誤った判断を下してしまうことも少なくありません。
世の中には正解のない問題も多くあり、判断に悩んだときは物事の本質を見抜く洞察力や直観力が頼りになります。
情報過多な現代では、情報を処理しきれず惑わされることも多いもの。困難な事態に直面したときは、このチャクラが解決の助けとなってくれそうです。
【第7チャクラ】サハスラーラ・チャクラ(Sahasrara cakra)
頭頂及び大脳新皮質、いわゆる右脳と左脳に関係するのが第7チャクラ。
第1〜第6までのチャクラが整ったときに調整されるものとされ、高次なチャクラと言われています。
- チャクラの場所:頭の頂点
- 意味:Sahasraraは「千」という意味。千片の弁を持った蓮を指す
- 身体との関係:右脳、左脳、松果体
- 不調に陥った場合:慢性的に疲労を感じる
- カラー:紫
第7チャクラは目に見えるもの・見えないもの、自分や宇宙など、そのすべてがつながっていることに気づくもので、時間、空間、意識を超越したチャクラとされています。
このチャクラが開いている人は穏やかで、泰然自若。恐れを抱かず大局で物事を捉えることができ、人生を創造的に生きるところまで到達しているそうです。
チャクラというとこの第7チャクラに注目が集まりがちですが、第1~第6チャクラがすべて整えば自然と開かれると言われています。
【おわりに】チャクラを整えてよりよい人生に
チャクラを知ることは自身の状態や感情の気づきとなり、心身のトラブル改善のヒントになります。
生きにくさを感じている人、自分らしい人生を送りたいと願っている人は、チャクラに注目してみませんか?チャクラバランスを整えることは、人生も整えることにつながります。
ヨガや瞑想をおこなうとき、また普段の生活の中でチャクラを意識してみてくださいね。
参考文献
西川眞知子(2016)『ヨガのポーズの意味と理論がわかる本 ヨガの古典とインド哲学に学ぶチャクラ理論とアーユルヴェーダ』マイナビ出版
わかさの秘密「ウスベニアオイ」https://himitsu.wakasa.jp/contents/usubeniaoi/