ヨガインストラクター平均年収423万は本当? 給料・収入UP法は?

ヨガインストラクターという仕事に魅力を感じるものの、その収入はどうなんだろう……という方も多いのではないでしょうか。

ヨガのレッスンを受けている方であっても、自分の先生に収入がいくらかを聞くなんてなかなか出来ませんよね……。

この記事では、そんな聞きにくいお金の話を、データやアンケートから具体的に解説します。

最初に気になったのは、求人サイトで表示されたヨガインストラクターの平均年収でした。
その金額は、年収423万円

正直これを見たときに違和感を感じました。私の知り合い(当OMYOGA出身に限らず)の少なくない数のヨガインストラクターはここまでしっかり稼いでいるのかな?と思ったのです。

実際にヨガインストラクターの収入に関する事情はどうなのか、求人票の内容や、独自アンケートか実情を深掘りしていきます。

 

 

平均年収423万円のからくりと、独自アンケートから見えてきたリアルな給料事情

求人サイトindeedで調べたところ「ヨガインストラクターの平均年収420万円」 (2022/2月現在)と表示されました。

それに対し、給料バンクが口コミや厚生労働省の労働白書を参考にして算出したという平均年収は、
226万円~293万円(初任給:15~18万円) でした。

最高額と最低額の差は194万円です。
なぜこんなに差があるのでしょうか。

その正体ては、平均年収420万円は実際に活動しているヨガインストラクターからヒアリングした年収の平均ではなく、求人票の募集要項に基づいてはじき出された数字ということ。

さらにここでのヨガインストラクターは正社員を中心とした数値です。
言われてみれば当たり前ですが、意外に盲点かもしれないと感じました。
このことから転職サイトによっても平均額が異なっています。

 

ホットヨガスタジオLAVAが、ヨガインストラクターの平均年収を引き上げていた

いくつかの求人サイトで同様にヨガインストラクターの平均年収を調べてみたところ、
indeedでは平均年収が約420万円でしたが、転職ステーションでは381万円でした。

 

詳しく調べてみたところ、indeedにはホットヨガスタジオLAVAさんの影響が大きいことがわかりました。

求人票によれば、LAVAさんの給与は月給230,000円~600,000円と書かれています。
この最高額60万円は、他のスタジオと比べて非常に高い給与です。

 

全国展開をしているため、この傾向は地方別に調べると顕著に出てきます。

同サイト内で
日本のヨガインストラクターの平均給与を調べたところ、
表示された金額は4,232,101

東京のヨガインストラクターの平均給与を調べたところ、
表示された金額は4,591,376

なのですが、愛知県のヨガインストラクターの平均給与で
表示された金額は6,683,779

実は愛知県のヨガインストラクター正社員の求人は6件のみ、
すべてがLAVAさんの各店舗の求人だったのです。

東京の場合は正社員の求人数自体が335件あり、
LAVAさんの求人も多く含まれてはいるものの、他のスタジオの求人も多数あるのでその比率は下がります。

 

LAVAで働けば月収60万円は可能とあるが、それは目指せる金額

では、月収60万円を稼ぐにはLAVAに就職すればいいということになります。それは非常に魅力的なことです。同社求人票には、この点をはっきりキャリアイメージができる記載があります。

月収例として数字を示してくれています。

<1年目&未経験スタート月収例>
東京/月収27.2万円/全国・住宅手当含

年収例:
360万円/2年目
450万円/4年目・店長
※2年目以降はプログラム数や役職等で段階的に給料UP!
※「レッスン〇本実施で□円UP」など明確な評価制度あり!
※他にもCSクラス給、プログラムクラス給、運営マネジメントスキル給など、細かな昇給制度があります!

注※2022/2の時点での内容です。詳しくは各求人サイトの最新情報でお確かめください

個人の取り組み方や、能力によって違いが出てくることは前提としてありますが、
4年ほどの勤務を経て、店長になれば年収450万円が見えてくるのがお分かりになるかと思います。

さらに上を目指すということであれば、単にヨガを教えることだけでなく、店舗運営などのマネジメントスキルも必要になってくるということもここからわかります。

逆に言えば、この部分がなければ月収60万円にはならないだろうということも考えられるかもしれません。

 

 

正社員として給料UPを目指す方法は、インストラクター業だけでなくマネジメント力をつけること

LAVAさんに限らず、タイトルにあるヨガインストラクター平均年収450万円を、正社員で目指すのであればヨガを教えることだけでなく、社内でのキャリアアップを確実に進め、店舗の運営などの管理職としての業務をこなすことが必要です。

社内で給料をUPさせるには、いわゆる社内で出世するコースに乗る必要があると言えるでしょう。そのためにはお客様からの評価はもちろんのこと、店舗の売り上げを上げる業務で成績を上げていくことも求められます。

 

ヨガを教えたいという気持ちでヨガインストラクターを目指す方にとっては、売上を立てることや人材育成的な仕事に対して興味がなかったり、苦手な方もいるかもしれません。

一方でこのような求人の良さは、ヨガを教えることだけでなくしっかりとキャリアアップが出来るコースが用意されているということでもあります。

年齢を重ねてインストラクションが体力的に厳しくなってくることを不安に思う方にとっては、管理職にシフトしていくことでその不安が解消されるケースもあると言えます。

 

RYT200取得者にアンケート。ヨガインストラクターとしての年収は? ヨガだけで生活していけますか?

RYT200の取得者にアンケートを実施しました。年収に関するかなりプライベートな内容でしたが実際にヨガを教えている40名の方から回答をいただくことができました。

ヒアリングの数が多くないのであくまでも参考ではありますが、結果はヨガインストラクターの平均年収として転職サイトであげられていた420万円には達していませんでした。

 

ヨガインストラクターを専業に? 副業に?

40人中、11人がヨガインストラクターを本業にしており、うち4人が加えて副業もしている という結果でした。

 

どんなスタイルでヨガ収入を得ていますか?

主な活動スタイルは以下の通りでした。

個人で場所を借りて主催している方が40%、オンラインは27.5%。
多くの方が何らかの形で個人主催のレッスンを持っていることがわかります。
上記以外のその他の回答としては
・自宅で開催
・出張で開催
・複数の方とスタジオを経営 などもありました。

 

ヨガインストラクターを本業にされている方の年収は?

年収について質問したところ、以下の通りでした。

50〜100万円以下 6名
101〜200万円 3名
201〜300万円 1名
301〜400万円 1名

労働白書の平均収入226万円~293万円(初任給:15~18万円)を超えていたのは11人中2名という結果でした。

 

ちなみに当OMYOGAでRYT200を指導している講師については、2019年度に募集した内容は週2日勤務で月収は20万円でした。

RYT200講師 委託業務募集(※2019年当時) 現在は募集していません
<委託業務募集要項・資格>
● OMYOGAティーチャーズトレーニング指導講師募集(ヨガアライアンス200時間の講座を担当)
講師経験のある方を優遇いたします。

例)月収:200,000円(約6~9時間 /day・週2勤務の場合)
交通費支給(当校規定に従う)
本採用後の面談時に相談の上で決定いたします

アンケート結果から見えた収入をアップさせる方法とは?

アンケートに寄せられた収入アップのためのアドバイスです。
結果は大きく分けて2種類でした。

  1. 宣伝をすること
    ・常にSNSで活動をだしていくこと
    ・SNSでの宣伝や周知
    ・イベント参加でクチコミ
    ・フライヤーを作成し、店頭に置いてもらいました。
  2. 働き方のカタチ探しをすること
    ・お友達を対象にサロン的に開業し、姿勢、食事、その他要望に応じたカウンセリングも含めた内容にした。
    ・以前働いていた職場(ホテル、ブライダル施設)にアプローチし、ヨガイベントの開催やレストランとヨガのコラボなど定期的に行なって貰えるようになった。
    ・ヨガに自分の趣味を活かした内容をコラボさせ、大手スポーツジムの請負でヨガイベントをプロデュースしたこと


  3. その他
    運が良かったこと、自分なりに勉強を続けていること

 

OMYOGA卒業生にインタビュー。ヨガインストラクターとしての年収は? ヨガだけで生活していけますか?

30代前半で転職したインストラクターさん、1年目と2年目の収入内訳と年収がアップした理由

Aさんは、転職して1年はパートと掛け持ちでヨガを教えていました。
レッスンの数もそれほど多くはありませんでした。

1年目(掛け持ちでパートをしていました) 月収平均 約84,000円
 
Aスタジオからの収入
1レッスン(75分)3000円×週1回
交通費支給:500円(実際は往復1200円かかっていたので赤字)

Bスタジオからの収入
1レッスン(60分)3,800円×週1回
交通費なし

自主開催(公民館)の収入
1レッスン1,300円×平均人数11名×週1回
公民館使用料:3時間1100円×週1回がかかりました

 

2年を超えてからヨガだけで食べていける収入に達したと感じたAさん。

2年目(パートをやめてヨガだけの収入に)月収平均 約300,000円
Cスタジオからの収入 
1レッスン(60分)2500円×週2回 (3レッスン)
交通費支給:1000円

Dスタジオからの収入
1レッスン(60分)3500円×週2回(3レッスン)
交通費:380円.1020円
※同じスタジオだけど場所が違うので交通費2つ載せてます。

Eスタジオからの収入
1レッスン(60分)4,000円×週2回
交通費なし

Bスタジオからの収入
報酬:1レッスン(60分)3,800円×週1回
交通費なし

Fスタジオからの収入
報酬:1レッスン(60分)5000円×月2回
交通費なし

オンライン収入
報酬:2レッスン(個人レッスン90分)
6000円×週1回

オンライン収入
報酬:1ヶ月月謝制(月、水、金)
2000円×4人

自宅スタジオ収入
売上:4回チケット6380円×15人
(人数安定しない時もあります)
1レッスン60分
週4回(5レッスン)

 

インタビューから見えた収入をアップさせる方法とは?

  1. 条件のいいヨガスタジオでのレッスン数を増加させた
    最初は自主開催の公民館ヨガからスタートし、自信がついてきたことで、
    スポーツクラブやヨガスタジオのヨガインストラクターの求人に応募。
    場所が少し遠いところや、交通費が出ないところも採用してもらえるところに出向いたとのこと。 

    2年目以降はヨガインストラクターの横のつながりで紹介してもらえるケースが増え、
    単価の高いクラスや、任せてもらえるレッスンの数が多いところを中心に働くことで収入がアップ。

  2. RYT200の資格だけでなく、シニアヨガやリストラティブヨガの資格も取得
    専門性の高いクラスを持てるようになり、レッスンの単価が上がった。
    自身の開催するクラスも、専門性が高まったことで内容が充実しお客様が増えた(と思われる)。

 

ヨガインストラクターの収入UPのための方法 まとめ

アンケートやインタビューが見えてきた年収アップの方法をまとめました。

  1. レッスン数を増やす
    これは単純に数を増やせば収入も増えるという足し算の発想です。
    時間に限りはあるので、受け持つことができるレッスン数には限界があります。
    その中での工夫としては、なるべく移動せずにこなせるスケジュールを組むというものがあります。
    同じスタジオ内で数件こなせるのと、すべて別店舗でのレッスンでは時間的にも労力にもロスが生まれます。
    無理をし過ぎては、怪我や体調不良を招くこともあるので注意が必要です。

  2. 生徒数を増やす
    生徒数を増やすためにはいいレッスンをすることがまずは大切です。ご縁のあった生徒さんがリピーターになってくれることや口コミで生徒さんが増えていけばそれはとても嬉しいことです。
    フリーランスの場合、SNSなどを使ってレッスンの魅力を発信していくなどの工夫もあるでしょう。
    注意点としてはスタジオによっては先生が個人的にSNSで情報発信をすることを原則禁止としているケースもありますので、確認をしてください。

  3. レッスンの単価を上げる
    魅力的なレッスン内容であれば、金額が上がっても受けたいと思う生徒さんも増えてきます。
    パーソナルレッスンであれば、よりきめ細かいアドバイスやアジャストを得られるためグループレッスンより高額な金額設定も可能です。
    具体的に魅力的なレッスンとは何かといえば、生徒さんの問題を解決してくれるサービスが提供できることにあります。

    ヨガに限ったことではないですがお客様に対していい変化をもたらすサービスが「いいサービス」です。
    そのためにはヨガインストラクターとして何ができるかを考えましょう。
    ヨガの知識を広めたり深めたりすることで、より専門的なレッスンが可能になるかもしまれせん。ここでしか受けられないレッスンとなればその価値はさらに高まります。
    広めたり深めたりする知識はヨガだけに限りません。転職する場合は前職の知識や経験と組み合わせることで全く新しいサービスを提供できる可能性もあります。料理とヨガ、マッサージとヨガなど、その組み合わせに決まりごとはありません。

  4. YouTubeやTikTok、イベントなど新たな企画をつくる
    YouTuberやTikTokerとしてヨガを広めればそこでの収入が得られるのと同時に、宣伝を兼ねることもできるでしょう。ヨガのアーサナレッスンだけでなく、オリジナルのヨガ講座などを企画することも可能かもしれません。今まで活動していたスタジオやオンラインレッスンだけでなく、自分が活躍できる場所があるのではないかということを意識して、その一歩を踏み出した人たちが収入をアップさせています。

  5. ヨガ講師から、ヨガインストラクター養成講師へ
    ヨガを教えるレッスンフィーの相場は2000、3000円/1hですが、ヨガを教える先生を養成するレッスンであればフィーは数倍になることもあります。より専門的な知識が必要になるので勉強し続けることが求められますが、ヨガを教える先生の先生を育てる意義は大きいです。

  6. スタジオの経営をする
    ヨガインストラクターから経営者に、となれば責任はもちろんのこと先行投資する資金も必要になります。その決断は簡単なものではないかもしれませんが、大きく事業を拡大し収入をアップしている人の多くは、しっかり大きくその最初の一歩を踏み出しています。無鉄砲に進むべき道ではありませんが、より多くの人にヨガを広げたいという志と準備があれば、視野に入れるべき選択肢の1つでしょう。

 

 

年齢と収入の関係は?  他業種と比べると、上がり方は似ているが金額は低め

就活の未来」によれば、ヨガインストラクターの年齢別平均年収推移シミュレーションは以下の通り。
一般的な業種と同じように50代前半をピークに上がっていく形です。

日本の平均年収と比べてみるとどうでしょうか。
30~34歳の平均年収は114.4万円ほど、40~44歳では、135万円ほど低いことがわかります。

 

この平均年収については、転職をした場合はもちろんこの限りではありません。
キャリアを積んでいった場合のシミュレーションとして捉えてください。

すべての年代においてもヨガインストラクターの年収は平均より少し低い数値です。
単純に収入だけで仕事を選びたいという方には、残念ながらヨガインストラクターはお勧めできないかもしれません。

 

 

まとめ

ヨガインストラクターの収入について、深掘りしました。
現実は厳しいなと感じた方もいるかもしれません。
けれど現実を知ってこそ、迷うことなく最短でしっかりと稼げるヨガインストラクターを目指すことができます。

転職してみて「こんなはずじゃなかった」ではせっかくの学びも生かすことはできません。
今一度、自分にはどれくらいの収入が必要で、どんなライフスタイルを目指すのかを考えてみてください。

その結果、もしかしたら本業ではなく副業からスタートという選択肢や、求人が多いホットヨガスタジオに通ってみるという選択肢が現れるかもしれません。

いずれにせよ、ヨガは心も身体も癒し整えてくれる素晴らしい英知です。
「ヨガを教えることを仕事にできたらいいな」というあなたの思いもまた素晴らしいものだと思います。

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