ヨガ8大呼吸法!驚きの効果とやり方を初心者から経験者まで丸わかり徹底解説

ヨガではアーサナ(ポーズ)を取ることで心身を整える以外に、呼吸を使って心身をいい状態に整える技術があります。それがプラーナーヤーマ(調気法)と呼ばれるものです。

プラーナーヤーマは呼吸法なので、一般的にイメージするヨガのように身体を大きく動かしたり汗をかいたりするものではありませんが、それに勝るとも劣らない効果をもたらします。

と言いつつ、私もヨガを10年近くやっているのですが呼吸法の大切さに気が付いたのは、恥ずかしながらここ数年のことです。ヨガのアーサナに比べると、呼吸法は地味……。けれど呼吸法を学んでみたところその奥深さと効果は想像以上でした。

 

呼吸法にはさまざまな種類があるのですが、今回はヨガの伝統的な呼吸法8つを紹介します。
これらは長きにわたって受け継がれているものであり、ヨガの歴史と知恵が詰まっています。

一方で近年は医学の分野でも呼吸に関する研究が進み、その驚くべき効果やメカニズムが解明され実証されつつあります

 

ただ8種類の中には現代人にはなかなか取り入れにくいものもあるため、今回はさらに絞り込んで皆さんの心身を整え、ストレスや悩みを解消してくれる呼吸法を6つピックアップしました。

それぞれの効果とともに、取り入れて欲しい時間帯と注意点、実践の方法を徹底解説します。

 

第1章では、呼吸法とは何かについて触れ、ぜひ取り入れて欲しいとオススメする理由について解説。
第2章では、生活に簡単に取り入れることができ、なおかつ効果が高い呼吸法を6つ
第3章では、難易度が高く実践向きではないものの、ヨガ好きなら知っておきたい呼吸法を2つを紹介。
第4章では、皆さんの悩み別に、どの呼吸法をやればいいのかがひと目でわかる表を作成しました。

 

呼吸法はその名の通り、呼吸を使うだけなので、特別な道具も場所も必要ありません。
この記事を読めば、呼吸法を知らない方から呼吸法をより深めたいと思っている方まで、自分にぴったりの呼吸法を見つけ、生活に取り入れることができるはずです

 

 

CONTENTS

ヨガの呼吸法、最大のメリットは「自律神経が整う」

現代社会で暮らす私たちがヨガの呼吸法を取り入れることによって得られる効果はさまざまですが、私がオススメする最大のメリットは「自律神経が整うこと」です。

 

自律神経が乱れると心身に不調が起きる

現代のライフスタイルは、自律神経を乱す要素にあふれています。
通勤通学の移動、職場や学校や家庭などの人間関係でのストレスはもとより
生活を便利にしてくれているはずのスマホや空調なども、自律神経を乱しがちです。

自律神経が乱れると不安や緊張感が高まり、身体にも不調が現れることがあります。頭痛、肩こり、めまい、不眠、倦怠感などさまざまな症状を引き起こしたり、臓器にも悪影響を及ぼすと言われています。

 

そもそもヨガの呼吸法の目的は、ヨガのアーサナと同じく悟りをひらくための修行の一環ですが、そのために心身を整えることは修行の領域を超えて、今や現代の私たちの心身を健やかにしてくれるツールの1つだと言えるでしょう。

 

自律神経は、自らの意思ではコントロールできない

呼吸と自律神経の関係を、医学的な視点で説明すると、人間は活動している日中は心身を興奮させる「交感神経」がオンになり、夜は心身をリラックスさせる「副交感神経」がオンになります。

ですが「リラックスしたいから副交感神経をオンにしよう」など、自律神経を自分の意志で切り替えることはできません。

けれど呼吸法を用いれば、自律神経をある程度コントロールすることが間接的に可能になります。

 

呼吸法と同じく、ヨガのアーサナ(ポーズ)にも自律神経を整える作用がありますが、呼吸法を実践する場合は基本的には息を吸って吐くことがメインになるため、特別な道具も場所も必要ありません。

またアーサナのように身体を大きく動かすことはないので、運動が苦手な方、体力に自信がない方にも取り入れてもらうことができます。さらには短時間で効果が出るものもあるので、学校や職場などでも空き時間に気軽に行うこと可能です。

 

 

ヨガの呼吸法「プラーナーヤーマ」とは?

ヨガの呼吸法は「プラーナーヤーマ」と呼ばれ、古来より、最高の行(parama-tapas)とされています。

「プラーナー」とは人体においてはいわゆる「気」であり、人体以外では「生命力」と解釈されます。現代の科学ではそれとぴったり当てはまるものがないエネルギー体なので、さまざまな解釈がなされます。

「ヤーマ(ヤマ)」は「制御する」という意味です。
つまりプラーナーヤーマとは「プラーナーをヤーマすること」、プラーナーと呼ばれるエネルギーを制御するという意味になります。

プラーナーヤーマの理論では、呼吸の方法によって体内の脈管(ナーディー)を流れるプラーナの性質を変化させ全身にその信号を送り、神経システムにアプローチすることで心身を整えます。

 

インドの古くからの知恵ですが、自律神経という概念ができる前、すでにそれに該当するものを見つけコントロールする方法を掴んでいたことに驚かされます。

プラーナーヤーマにはアーサナと同じく、たくさんの種類があります。
ヨガの歴史の中で、環境や個々の体質や心の状態などに応じて、調和をもたらすように工夫され発展してきたことがわかります。

 

 

今すぐ日常に取り入れたい、伝統的なヨガの呼吸法6選

ヨガの伝統的な8つのプラーナヤーマのうち、現代人のお悩み解消に役立つ6つを解説します。

 

今、あなたに必要な呼吸法はコレ!ひと目でわかる難易度&効果一覧表

「どの呼吸法からはじめたらいい?」
「6つ全部やる時間はない!」

そんなあなたのために、今、必要な呼吸法がひと目でわかる表を作りました。

選び方は2つ。
1つ目は、求めている効果(頭をスッキリさせたい、基礎代謝を上げてダイエットしたい等)から呼吸法を選ぶ方法です。
○印がついている効果の組み合わせを見て、ぴったりだと思われる呼吸法を見つけてください。

※ただし印がついていないものについては、必ずしもその効果がゼロという意味ではありません。
個人差もありますので、初めは無理せず期待し過ぎず実践してみましょう。

 

2つ目は、難易度から選ぶ方法です。
難易度をカンタンなものから☆1つ(5つが一番難しい)として表記しました。
基準としては、わたし自身がはじめて呼吸法に出会った時に感じた感覚を元にしています。独断と偏見ではありますが、初心者さんなら同じように思われる方も多いのではと思いますので、参考にしてみてください。

ちなみに最も難しいとした「バストリカ」であっても、初回はぎこちなくても効果は得られたので、気軽にトライしてみてください。

 

難易度

イライラ解消

集中力UPスッキリリラックス体温調節ダイエット睡眠
1・スーリアベーダナ上がる不眠改善
2・ウジャーイ☆☆☆上がる
3・シータリー
4・シッカーリ
☆☆
下がる眠気覚し
5・バストリカ☆☆☆☆上がる
6・ブラーマリー不眠改善

 

※実践するときは共通の注意点やポイントと、個別のものがありますので必ずご確認ください。 

 

 

プラーナーヤーマ6選、共通のやり方と注意点

プラーナーヤーマを行うにあたって、共通のやり方と注意があります。

    1. 安定した姿勢で行う
      あぐら、もしくは正座などで座ります。
      両坐骨に均等に体重をのせ、背骨を引き上げ、視線は床と平行に。

    2. 無理をしない
      呼吸をしていて苦しかったり、クラクラしたりする場合は行き過ぎだと判断して無理をしない範囲で行いましょう。
      今回の記事では初心者さんでも無理なく取り組めるよう、目安となる秒数やカウント数をお伝えしていますが、これも絶対こうでなければならないというルールではないので、感じ方に合わせて調整をしてください。
      決して、息が長いほど効果的、長く止められれば上級者ということではありません。

    3. 妊娠時、生理時は、息を止める、腹圧をかけるプラーナヤーマは行わない
      子宮に負担がかかるため、注意が必要です。

    4. 血圧トラブルを持っている場合、息を止めるプラーナヤーマは行わない
      呼吸法の効果として血圧を上げたり下げたりするものがあるため、注意が必要です。

    5. お腹の中に食物があまり入っていない時間帯を選ぶ
      腹式呼吸をするとき、食べ物が胃に残っていると、胃痛になる恐れがあります。

    6. 原則、呼吸は鼻で行うので、はじめる前には鼻をかんでおく
      鼻水が気になって呼吸法どころではない・・・なんて残念なことにならないように。

    7. ムーラ・バンダをしておく
      ムーラは「根本」、バンダは「締める」という意味。
      「ムーラ・バンダ」とは、括約筋を締めることでエネルギーを封じ込めるヨガの手法です。

      具体的には、括約筋を締めるために、会陰部を締め付けてください。
      イメージとしては、肛門を上へ引き上げるように意識してみましょう。

       

       

      ① スーリア・ベーダナ  

      サンスクリット語でスーリアとは「インド神話に伝わる太陽神」、ベーダナとは「通過すること」を意味し、太陽を通過させる呼吸として「スーリア・ベーダナ」は「太陽の呼吸法」「片鼻呼吸」とも呼ばれています。

      インドの一部の医学的な視点では、左鼻は副交感神経、右鼻は交感神経を刺激するとされていますが、古典的なヨガでは、左の鼻孔と右の鼻孔を通るそれぞれの道を、月と太陽に例えます。

      左鼻はイダー(月の気道)と呼ばれるリラックスした夜の状態、右鼻はピンガラ(太陽の気道)と呼ばれるアクティブな日中の状態をつかさどっています。

      またイダーは陰陽では陰、女性性の象徴であり、そちらが活発になっている時間には感傷的になりやすい傾向があり、逆に陰陽では陽、男性性の象徴であるピンガラが活発な時には論理的で理屈っぽくなりがちです。

       

      「スーリア・ベーダナ」では、右鼻を使って息を吸うのと左から吐く呼吸を繰り返すことで
      太陽の気道であるピンガラにプラーナが満ちると考えられています。

      実践してみるとわかるのですが、左右の鼻は均等に空気を出し入れしていません。医学的な視点で解説すると、一説では鼻呼吸は、数十分ごとに左右どちらかに切り替わることを繰り返しているそうです。

      この呼吸法を実践するなかで、左右の機能の切り替えが自然になされているのかどうかが、身体や心のバランスにつながっているようにも感じました。

       

      ※ちなみに真逆の動き、左鼻を使って息を吸い、右から吐く呼吸を繰り返す呼吸法を
      「チャンドラ・ベーダナ」と呼びます。体温を下げ体の働きを鎮めるために使われる場合もあるのですが、ヨガの教典によっては禁止している呼吸法で、その捉え方も諸説あるので、今回の記事では簡単な紹介だけとします。

       

      具体的な効果

      「スーリア・ベーダナ」を行うと体内にある火の要素が強くなり、身体と心の不純物を燃やしてくれると考えられています。活力が湧く力強い呼吸法です。

      ・体温が上がる(冷え症対策)
      ・頭がスッキリする
      ・左脳が活発になる
      ・気持ちが安定する
      ・不眠症を改善する

       

      おすすめの時間帯 / シチュエーション

      • 心身が活発になるので朝や昼
      • スポーツなど身体を動かす前

      禁忌および注意点

      • 妊娠中・生理中、高血圧や心疾患がある場合は控える
      • 寝る直前に行うと、心身が活発化してしまい寝付けなくなることも

      やり方

      ワンセットの流れは「右の鼻から吸う→息を止める→左の鼻から吐く」です。

      人差し指と中指は使わないので内側に折り曲げ、右手の薬指と小指はつけておきます。

      1・右手の薬指で左鼻を押さえ、右鼻から息を吸います(4カウントで吸う)
      2・親指で右鼻を押さえ、左鼻から息を吐きます(8カウントで吐く)
      3・1と2を苦しくない程度に繰り返す。

      ※呼吸のカウント数は初心者でもトライしやすい4カウントと8カウントとしましたが、
      ご自身の呼吸の長さで調節してください。

      吸う息と吐く息のバランスは1:2の長さになるようにしてみましょう。


      ポイント!
      ・慣れてきたら、1と2の間でバンダ(息止め)を行います。
      ・慣れてきたら、徐々に呼吸を深め回数を増やします。
      ・息を止める秒数の比率は、1(吸う):4(止める):2(吐く)にすることを目指しますが、
      あくまでも苦しくない秒数で。
      ・最初は1〜2秒から始めて、長くても8〜10秒程度を目安に。

      やり方についての動画紹介

      「ヨガの呼吸法スーリヤベーダナ」イージーヨガジャパン【公式】YouTubeチャンネル

       

       

      ② ウジャーイ

      サンスクリット語で「ウジャーイ(またはウジャイ )」とは「勝利・の意味。ここでの勝利は他者との戦いではなく自身の不安や恐れに打ち勝つという思いが込められたポジティブなものです。
      この呼吸法は肺を拡張させるため、胸を張っている勝者のような様子から名付けられたと伝えられています。

      力強い胸式呼吸のひとつで、バンダという身体技術と合わせて行います。のどの奥を閉じて摩擦音を出すのが特徴的です。この音によって集中を高めることができ、ヨガのアーサナの最中や瞑想にも用いられることがあります。


      伝統的な教えでは、ウジャーイ呼吸は「自分にだけ聴こえ、隣の人には聴こえないくらいの音」と伝えられていますが、現代ではしっかりとした呼吸音を出すほうがいいとする考え方もあるようです。

      ちなみにアシュタンガヨガと呼ばれる流派のヨガでは、この呼吸法を安定感を高めるためにも用いられていますが、今回ご紹介する伝統的なやり方(ハタプラディピガhaṭhayoga-pradīpikāとは少し異なりますが、シューという音を立てるという部分は同じです。

      私が以前通っていたアシュタンガヨガのクラスでも、大きな摩擦音を立てている先輩方がカッコよくて、私も音をしっかり出さなければ!と躍起になっていた時期がありました。(ヨガは人と比べるものではないと頭ではわかっているつもりが……笑)

       

      アシュタンガに限らず、無理にシュー音を出そうとすると、身体も心も力が入ってしまい、本来であれば集中とリラックスを共存できるウジャーイ呼吸からかけ離れた呼吸になってしまいます。さらにはのどを痛めてしまうケースもあります。

      音が出る呼吸法ですが、音を出そうとして出すというより、自然に出る呼吸法と考えて練習を積んでいくほうがいいかもしれません。はじめはご自身の呼吸音に耳を澄ませるところからスタートしましょう。継続していくことで、あるとき自然にウジャーイ呼吸ができるようになっているはずです。

       

      具体的な効果

      「ウジャーイ」を行うとエネルギーが満ち、ポジティブな感情が湧くと考えられています。
      身体的には、通常の呼吸の約6倍肺活量が増加、神経系も活発に動き忍耐力も強くなると言われています。

      ・体温が上がる(冷え症対策)
      ・代謝が上がる
      ・血流が良くなる
      ・体幹・腹筋が鍛えられる(腰痛改善)
      ・呼吸器系の改善、喉の浄化(いびきの改善)
      ・集中力が上がる
      ・頭がスッキリする具体的な効果

      おすすめの時間帯 / シチュエーション

      • 心身が活発になるので朝や昼
      • 疲れを癒す目的ならば夕方(冬場なら16時~17時頃、夏場なら18時~19時頃)
      • ヨガ(特にアシュタンガヨガ)の最中

      禁忌および注意点

      • 妊娠中・生理中、高血圧や心疾患がある場合は控える
      • 喉を強く締めすぎないようにする
      • お香を焚いたりアロマを焚くなどは避け、のどに負担をかけないようにする

       

      やり方

      1・息を吐き切る。
      2・喉を引き締める。(鎖骨が自然と引き上がるようなイメージ)
      3・両鼻から息を吸う。
      4・右鼻を閉じて、左鼻から息を吐く。
      5・3〜4を苦しくない程度に繰り返す。
      吸うときも、吐くときも、喉の奥が引き締まっているためシューっという音が出る。鼻の閉じ方は「1・スーリヤ・ベーダナ」と同様。

       

      ポイント!
      ・難しいと感じたら口から息を吐いて練習し、慣れたら口を閉じて鼻呼吸を行います。
      ・摩擦音を感じるために、耳を塞いで行ってみるのもオススメです。慣れると耳を塞がなくても聞こえるようになります。
      ・慣れてきたら、徐々に呼吸を深め回数を増やします。
      ・呼吸の秒数の比率は、バランスは1(吸う):2(吐く)もしくは1(吸う):1(吐く)の長さを目指してみましょう。2、4秒で吸って、4秒で吐く程度からはじめるのがオススメです。
      ・最初は3分から5分、慣れてきたら徐々に長くしましょう。

       

      やり方についての動画紹介

      「ウジャイ呼吸のやり方」YOGALAND  
      ※ヨガ中にも取り入れることのできる鼻を抑えないバージョンです

       

       

      ③ シータリー

      サンスクリット語で「シータリー」とは「冷ます」という意味。身体を冷やす、クールダウンを主な目的としています。気温が50℃近く上がるインドの厳しい環境だからこそ生まれた呼吸法だと言えるでしょう。近年日本の夏も非常に暑くなっているので、上手に取り入れていきたいライフハックでもあります。

      基本的にはヨガの呼吸は鼻で吸って鼻で吐きますが、シータリーは口で吸うのが特徴的です。涼しくなることで、結果的に心にもいい効果がもたらされるタイプの呼吸法です。

       

      同じ効果をもたらす呼吸法として「シッカーリ(またはシートカーリー)」があります。これはシータリーの簡易版のような位置付けです。シッカーリのやり方についてはこの次の項目でご紹介します。

      具体的な効果

      「シータリー」の主な効果はクールダウンです。それによってもたらされる効果はさまざまで、オールマイティーな呼吸法と言えます。

      ・体温が下がる
・イライラ・気持ちの高ぶりを鎮める
      ・頭がスッキリする
      ・眠気を覚ます
      ・目の緊張や疲れを癒す
      ・食欲増進・消化不良の改善
      ・喉の渇きを抑える
      ・夏バテ防止

      おすすめの時間帯 / シチュエーション

      • 時間帯にかかわらず、暑いとき(夏場など)
      • ヨガで激しいアーサナを行なった後

      禁忌および注意点

      • 妊娠中・生理中、低血圧や心疾患がある場合は控える
      • 寒い時期は控える

      やり方

      1・息を吐き切る
      2・舌先を少し出し、ストローのように丸め「シー」と音を立てながら、ゆっくりと息を吸う。


      3・冷たい空気が入ってくるのを感じながら、口を閉じ、鼻から暖かい空気をゆっくりと吐き出す。
      4・2と3を苦しくない程度に繰り返す。

      ポイント!
      ・呼吸の秒数に決まりはありませんが、3分から10分(10回〜20回)くらい行うとより効果を感じられる呼吸法です。
      ・慣れてきたら、2と3の間でバンダ(息止め)を行います。
      ・舌先を丸めることができない方は、軽減法として「シッカーリ」がオススメです。
      ほぼ同じ効果が得られます。

       

      やり方についての動画紹介

      「シータリー呼吸法」studio yoggy

       

       

      ④ シッカーリ(またはシートカーリー)

      サンスクリット語で「シッカーリ」とは「「シー」という音を出す」という意味。その名の通りシーという音を出す呼吸法です。「シータリー」と同じく身体を冷やす、クールダウンを主な目的としています。

       

      具体的な効果

      ※シッカーリと同様

      おすすめの時間帯 / シチュエーション

      ※シッカーリと同様

      禁忌および注意点

      ※シッカーリと同様

       

      やり方

      1・息を吐き切る。
      2・上下の歯を合わせ、舌は上顎につけ、口を「イー」と横に広げます。


      3・冷たい空気が入ってくるのを感じながら、歯の間から息を吸い込んで、「シー」と音を立てる。
      4・口を閉じ、鼻から暖かい空気をゆっくりと吐き出す。
      5・2と4を苦しくない程度に繰り返す。

       

      ポイント!
      ・呼吸の秒数に決まりはありませんが、3分から10分(10回〜20回)くらい行うとより効果を感じられる呼吸法です。
      ・慣れてきたら、2と3の間でバンダ(息止め)を行います。
      ・口を横に広げるときは口角を上げるように行い、舌先は前歯と上あごの境目に置いて安定させる。
      (舌が浮いていたり下がっていたりする、肩に力が入って呼吸が苦しくなります)

       

      やり方についての動画紹介

      「お疲れバスター シートカーリー」Women’s Health 日本版

       

       

      ⑤ バストリカ

      サンスクリット語でバストリカとは「ふいご」の意味です。ふいごとは鍛冶屋が火力を強めるために風を起こす古くからある道具のこと。2つの板の間にアコーディオンのようなジャバラがついた形状で、押すと空気が一気に押し出され、広げると空気がまた中に入る構造になっています。

      ふいごを使うと酸素が供給され炎が強くなる様子と同じく、勢いよく吸って吐いてを繰り返し身体に酸素を送り込み、内臓を活性化。活力を強くするパワフルな呼吸法のひとつです。「火の呼吸法」「ふいごの呼吸」とも呼ばれています。

       

      ※バストリカによく似た呼吸法で「カパラバティ」というものがあります。バストリカは意識的に横隔膜を上下させながら呼吸をしますが、カパラバティは、息を吸う時は自然に肺を膨らませ、吐く時のみ意識を集中して力を入れます。

      効果についての違いは、バストリカとカパラバティでは、バストリカのほうがより強く体を温め活性化します。
      イメージとしては、バストリカはエネルギーを下に降ろしていく、カパラバディは上に上げていくという説明をされている方もいます。

       

      具体的な効果

      「バストリカ」を行うと素早く身体が温まります。勢いよく二酸化炭素を排出し酸素を取り入れ、体内の空気が入れ替えていくことで身体が活性化、毒素の排泄にも効果があると言われています。パワフルかつ即効性の高い呼吸法と言えるでしょう。

      冬場の朝ヨガのレッスンの最初に、この呼吸法を取り入れている先生もいらっしゃいました。内臓から身体を温めて動くことができるのでぴったりのチョイスだと思います。

      ・体温が上がる(冷え症対策)
      ・頭がスッキリする
      ・左脳が活発になる
      ・血行が良くなる
      ・代謝が上がる (ダイエット・横隔膜が動き内臓脂肪を燃焼させる)
      ・気管支系の強化、喉の炎症の緩和
      ・毒素を排泄する

       

      おすすめの時間帯 / シチュエーション

      • 心身が活発になるので朝や昼
      • 激しいスポーツや運動の前

      禁忌および注意点

      • 妊娠中・生理中、高血圧や心疾患がある場合は控える
      • 呼吸器系の改善効果がありますが症状が重いときはやらない
      • 過呼吸の心配のある方は避ける
      • 不安障害がある方は避ける
      • 食後すぐは避ける
      • 疲労が強いとき、睡眠不足のときは避ける

      やり方

      1・息を吐き切った後に吸い込む。
      2・腹部をつかってシュッと息を素早く吐き出す。
      3・素早く息を吸う。
      4・2と3を苦しくない程度に繰り返す。

       

      ポイント!
      ・15回〜30回を1セットとし、それを2、3回繰り返す。
      ・息を吐くときは、心臓、のど、頭部に突き抜けるようにイメージする

       

      やり方についての動画紹介

      【実践編】バストリカ呼吸法 ヨガ講師ぬん

       

       

      ⑥ ブラーマリー

      サンスクリット語でブラーマリーとは「メスの蜂」の意味です。呼吸をする際、蜂の羽音のような音を鼻から出しながら息を吐くことからこの名前がつきました。英語ではそのまま「Humming Bee Breath」と呼ばれています。

      この音が頭蓋骨を小刻みに振動させ脳を活性化、それを全身へと伝えていきます。医学的な視点では副交感神経が優位になる呼吸法です。

       

      具体的な効果

      「ブラーマリー」は瞑想効果の高い呼吸法とも言えます。意識をして出す音によって、全身に細かな振動が伝わり高いリラックス効果とヒーリング効果がもたらされます。緊張をほぐし柔軟性を高める効果もあるので、ヨガのウォーミングアップとしても適しています。

      またスタジオなど人数が集まってブラーマリーをするとハーモニー効果が生じ、ひとりの時よりもよりリラックス効果を感じることもあります。

      以前、6人ほどの呼吸法のクラスでブラーマリーを実践したのですが、瞑想用に作られた部屋であったせいか、各人から発せられた音の響きが格段に良く、今までに感じたことがない深い集中を体感したことがあります。1人で行う場合との違いを感じてみるのもオススメです。

       

      具体的な効果

      自律神経の副交感神経が優位になりやすく、ストレス緩和やリラックス効果が生まれ、不眠解消が期待できるほか、仕事の集中力のアップも期待できます。さらに肺や横隔膜が鍛えられることで肺活量が増え、疲労回復にもつながります。

      ・イライラ・気持ちの高ぶりを鎮める
      ・集中力が上がる
      ・不眠症を改善する
      ・リラックスできる(副交感神経が優位になる)
      ・肺や横隔膜が鍛えられ、肺活量が増える

       

      おすすめの時間帯 / シチュエーション

      • リラックスできるので夜寝る前

      禁忌および注意点

      • 音を鳴らすので気にならない場所で、気にせずに鳴らす。
      • 大人数でやる時は周りと比較しない

      やり方

      1・息を吐き切る。
      2・鼻から息を吸い込み、吐きなから「ンーーーーーー」と鼻から声が抜けるように(蜂の羽音のような)細く長く音を立てる。
      3・息を吐ききったら、2を4、5回繰り返す。

       

      ポイント!
      ・自分にとって心地いい音量と音程を選びます。
      ・音の振動を体内で感じるように意識します。振動を感じにくい、またはもっとしっかりと振動を感じたい場合は、目を閉じて親指で耳の穴をふさぎます。

       

      やり方についての動画紹介

      「ブラーマリー呼吸法」ヨガジャーナル日本版 ヨガジャーナルオンライン

       

       

      知識として ⑦ ムールチャ

      サンスクリット語でムールチャは「忘我」「失神」を意味します。「気絶の呼吸法」と呼ばれている呼吸法です。本当に気絶するのではなく擬似的に気絶のような感覚に近づけるものです。伝統的にはこの呼吸法で深い瞑想状態に近づくことを目的としています。

      身体としては昏睡の第一段階と見なされますものでもあり、特に初心者には危険なので、指導者がいない場合はおすすめできない呼吸法です。
      私はこれを正しく実践、または直接教えている方にはまだお会いしたことがないので、今回は概要だけお伝えしておこうと思います。

      具体的な効果

      「ムールチャ」は深い瞑想へ導く呼吸法のひとつです。
      欲望を手放し、不安や緊張を鎮静化させる効果があると言われています。

      ・肉体的な欲望を手放す
      ・不安や緊張を鎮静する


      禁忌および注意点

      健康な人にとっても難易度が高く、
      自己判断で取り入れることは気絶の危険もあるため
      適切な指導者のもと行なってください

       

      やり方

      ●注意●
      自己流で行うのは危険なので、ここでは知識として簡略化された手順だけ記載します。

      1・ウジャーイ呼吸で息を吸い、頭を後ろに傾け息を止める。(正しくは角度にも指定があります)
      ケチャリムドラ(舌の裏側を上顎の奥側に付ける舌のムドラ)とシャンバヴィムドラ(眉間に意識を向ける目のムドラ)を結び、第6のチャクラアージュナー・チャクラに意識を集中。無意識の感覚になるまでできるだけ長く息を止める。

       

      知識として ⑧ プラーヴィニー

      サンスクリット語でプラーヴィニーは「泳ぐ」の意味。現代ではほとんど行われていない呼吸法です。なぜ浮揚の呼吸法と呼ばれているかについては、普通の吸気量を超え、肺ではなく胃に水に浮くほど空気を吸い込むことに由来しています。「浮揚の呼吸法」と呼ばれています。

       

      具体的な効果

      「プラーヴィニー」はプラーナのバランスを正していく呼吸法と言われています。

      • 具体的な効果
      • 消化吸収がよくなる
      • 便秘の解消

      禁忌および注意点

      現代ではほとんど行われていない呼吸法であり
      正しく効果を引き出すことは独学では難しいと考えられますので
      適切な指導者のもと行なってください

       

      やり方

      ●注意●
      胃に空気をためるという感覚は通常ではなかなか掴めないと思われますので、
      ここでは知識として簡略化された手順だけ記載します。
      1・腹部いっぱいに息を吸い込み息を止め、ゆっくりと息を吐く

       

      まとめ

      呼吸法は誰でもどこでも簡単にトライできますが、その効果は絶大です。
      すぐに効果を得られるものが多いので、疲れやストレスを感じたら隙間時間に取り入れてみましょう。

      誰でもどこでも簡単に実践できるという意味でも、忙しい現代人にぴったりなお助けツールといえるでしょう。

      ヨガを実践している方であれば、アーサナとともに呼吸法をマスターすることでヨガがさらに深まることも感じられるはずです。

      自分にぴったりの呼吸法を見つけて、気持ちのいい日々をお過ごしください!