
湿度と気温差に揺らぐ7月の暮らし。
朝起きてもだるさが抜けない、イライラして子どもやパートナーにきつく当たってしまう、夜は眠りが浅くて何度も目が覚める…。そんな「なんとなくの不調」が積み重なりやすい季節です。
体調だけでなく、心のバランスも崩れやすいこの時期に、心と体をそっと整えてくれるのが、香り高いスパイスティーです。
CONTENTS
整えるお茶習慣:夏に揺らぎやすい自律神経に
暑さや湿気の影響で、自律神経のバランスが崩れがちな7月。
外は強い日差し、室内は冷房でキンキンに冷えていて、体温調節がうまくいかずにだるさや疲れを感じる人も多いのではないでしょうか。
さらに、湿気の多い気候は消化機能にも影響を与え、胃腸の働きが弱まることでマインドにも重さが出てきます。
なんとなく食欲がない、思考がまとまりにくい、理由もなく落ち込む——それらはどれも、自律神経の揺らぎからくる自然な反応です。
そんなとき、やみくもに元気を出そうとするよりも、まずは立ち止まり、静かな時間をつくることが大切です。
中でも、お茶を淹れて、香りや温度、味わいを五感で感じる時間は、心と体をやさしくリセットする入り口になります。
忙しない日常の中で“今ここ”に意識を戻す、小さな瞑想のような時間とも言えるでしょう。
心も体もゆるめる・すっきり整える:2つのスパイスティー
夏にお茶を飲むなら、なぜ“スパイスティー”なのか? それは、単なるリラックス効果以上に、心と体に働きかける“しくみ”があるからです。
スパイスは香り成分や辛味によって、消化器系や血流、自律神経に穏やかな刺激を与えます。
また、スパイスの香りは脳にダイレクトに届き、感情や記憶に作用するとも言われています。
カフェインが少なく、温かくして飲むことで内臓を冷やさずに済む点も、夏のセルフケアとしては大きなポイント。
冷たい飲み物で体の内側が疲れているときこそ、やさしく温めるスパイスティーが頼もしい存在になります。
それぞれの時間帯や気分に寄り添う、ミント&ジンジャーとフェンネル&カモミール。
心をほどくようにやさしく香りを味わいながら、自分のリズムを取り戻していきましょう。
ミント&ジンジャーティー(朝・昼におすすめ)
頭が重くてすっきりしない朝や、午後の集中力が途切れたときにぴったりな一杯。
ミントは爽快感を与え、呼吸をクリアにし、気持ちをシャープにしてくれます。
ジンジャーは体を内側から温め、血流を促して代謝をサポート。
冷房で体が冷えやすいこの季節、軽く汗をかきたいときにも役立ちます。
材料:フレッシュミント5枚、生姜スライス2枚、熱湯250ml
作り方:ミントと生姜をカップに入れ、熱湯を注ぎ5分蒸らす。
効用:ミントは頭をすっきりさせ、生姜は血行を促進し、体の内側から巡りを整えます。
どちらも、ノンカフェインで寝る前にも飲めるやさしいレシピ。
お気に入りのカップで、目を閉じて香りを深く味わう時間にしてみてください。
フェンネル&カモミールティー(夜におすすめ)
夜の時間帯に飲むことで、1日の緊張をほどいて眠りの質を高めてくれる組み合わせです。
特にカモミールには神経の高ぶりを和らげる効果があり、寝つきが悪い人や、ストレスを感じやすい人に向いています。
フェンネルは、消化を助け、胃のもたれや張り感を軽減。夜遅くに食事をした日にもおすすめです。
材料:フェンネル小さじ1/2、ドライカモミール小さじ1、熱湯250ml
作り方:すべてをポットに入れて5分蒸らす。
効用:フェンネルは消化を助け、カモミールは神経の緊張をやわらげます。
小さなひと手間で、内側からととのう
毎日飲むお茶だからこそ、そこに少しの工夫や意識を添えることで、ただの習慣が“整える時間”へと変わっていきます。
たとえば、お気に入りのカップを使うこと。ゆっくりと湯気を感じながら、香りに意識を向けること。
たったそれだけで、呼吸は深まり、気持ちも自然と穏やかになります。
また、スパイスティーは気候や体調に合わせて自由にアレンジできます。
ペパーミントの代わりにレモングラスを加えても爽やかですし、胃が重いときにはフェンネルにコリアンダーシードを少し足すのもおすすめです。
季節や自分の感覚に応じて“今の私に合う味”を探してみるのも、立派なセルフケアです。
こうした日々の中の小さな整えの積み重ねが、やがて“自分にやさしくする力”へと育っていきます。
忙しい日々の中で、ほんの数分でも「自分のために淹れる一杯」の時間を持つこと。
それは、心と体の両方に「大丈夫だよ」と伝えるセルフケアです。
ヨガや瞑想と同じように、暮らしの中のひとつひとつが、自分を整える時間になります。
無理をしなくても、すこしずつ、自分らしく。
「整える」ということの意味を、体だけでなく心でも感じられるような毎日を重ねていきましょう。