ヨガレッスンでは、後半になると仰向けになり呼吸や体を落ち着けるポーズがメインとなってきます。
その中で出てくるポーズの1つ、ハッピーベイビーのポーズ。体も心もリラックスさせるためのポーズですが、全然気持ち良くない、股関節まわりが痛いといった声があるのも事実。
筆者はヨガインストラクターとして週に10本レッスンを行っています。特にゆったりとした動きの多いクラスではハッピーベイビーのポーズをやることがありますが、仰向けになっているとインストラクターの姿が見えにくくなり、ポーズのやり方が分からない、合っているのか不安といった様子が見受けられます。
今回この記事ではそういった不安を解消すると同時に、ハッピーベイビーのポーズでとことんリラックスできる方法もお伝えしていきますね。
CONTENTS
ハッピーベイビーとはこんなポーズ
まずはハッピーベイビーのポーズがどんなポーズなのかを確認していきましょう。
1.マットの上に仰向けになり、両ひざを立てます。
2.ひざの間に上半身が入るくらい開き、両脚を持ち上げます。両手で足裏をつかみましょう。
3.両脚は上に伸びようとし、両手は上がろうとする脚を押さえつけようとします。手と脚それぞれ反対の動きをすることによって、股関節に刺激をいれていきます。
ハッピーベイビーのポーズが取れているか4つのチェックポイント
①ひざの間に上半身がはまるくらい、脚を開けているかどうか。
②ひざが90度に曲がっているかどうか。
③上半身や首まわりに力みがないか。
④脚の付け根まわりに伸びを感じるかどうか。
以上4点がクリアできていれば、ハッピーベイビーのポーズはとれているので安心して続けてくださいね。
ハッピーベイビーのポーズと呼ばれることが一般的ですが、サンスクリット語ではアーナンダバラーサナと言います。日本語では赤ちゃんのポーズと言います。
ヨガレッスンの中ではシャバーサナ(屍のポーズ)に入る前に行う、クールダウンとして取り入れられることが多いポーズの1つです。
仰向けのポーズは他にも色々な種類がありますが、インストラクターも一緒に仰向けになっていることが多いため、あらかじめポーズを知らないとどうやっているのか分からず、自分のポーズに集中できないときもあるかもしれません。そうならないためにもハッピーベイビーのポーズを知っていきましょう。
ハッピーベイビーの効果・効能
ハッピーベイビーのポーズは私たちの体にとって、どういったメリットをもたらしてくれるポーズなのか知っていきましょう。やり方自体はカンタンなポーズですが、実は様々な効果が期待できるのです。
股関節の柔軟性アップ
このポーズ1番の効果はこれでしょう。このポーズでは脚を持ち上げることによって股関節まわりを刺激し、更に手によって押さえつけることによって刺激を加えています。
股関節は上半身と下半身を繋ぐ大きな関節の1つです。最近特に股関節まわりをほぐすことへの注目度が高まっていますが、コロナ禍で動くことが著しく減った昨今、股関節の硬さや不調を感じるかたが増えています。硬さや不調をそのまま放置しておくと、下半身がむくみやすくなる、脚の疲れが取れにくいといったことから、全身の疲れが抜けない、疲れやすいといった症状が出やすくなるとも言われています。
腰痛の緩和
腰痛を感じているかたにとって、腰を伸ばすことはとても大切です。しかし起きている状態で伸ばそうとしても思ったように伸ばせない、効果を感じにくいといったことがあります。
そんなときにオススメなのは、仰向け状態で行うことです。ただ仰向けになっても伸びを感じることはできませんが、ハッピーベイビーのポーズでは下半身の重さが腰まわりに心地よく乗ってくれます。これによって縮こまっている腰の筋肉がほぐされ、腰痛緩和へと導いてくれます。
体と心を落ち着かせてくれる
ハッピーベイビーのポーズをはじめ、仰向けで行うポーズは穏やかな呼吸とともにキープしていきます。
穏やかな呼吸が繰り返される、心地よく体が伸びている状態が続くことによって、自立神経の中の副交感神経が優位に働きます。すると活動的だった体と心が本来の落ち着きを取り戻し、眠気も誘ってくれます。
1日の終わりにベッドの上で行うことによって、いつも以上に質の良い睡眠をとることができるでしょう。
ハッピーベイビーで陥りやすいこと
仰向けで行うポーズならカンタンそう!と思われがちですが、やってみると意外とできない、難しいと感じるかたもいます。一体どんなことに陥りやすいのでしょうか?それぞれの解消法は4章にてご紹介しています。当てはまるかたはぜひ解消法も合わせて見てくださいね。
脚を持ち上げられない
原因としては、股関節まわりが凝り固まっていることが考えられます。
こういった状況になってしまうかたの場合、両脚を一緒に持ち上げることが難しい場合があるでしょう。そうなると、背中・腰まわり・肩まわりも緊張状態となりリラックスとは程遠い状態になります。
このポーズにも体への負担を軽減しながら練習していく方法があるので、それを行いましょう。4章にてご紹介しています。
背中が浮いてしまう
股関節・お尻の筋肉が凝り固まっているかたに起きやすい状態です。
下半身がうまく引き寄せられないため、上半身で頑張って脚をつかもうとします。そうすることによって上半身がマットにくっついている面積が小さくなり、背中が浮くことで背骨の痛みへと繋がりやすくなります。
このポーズの基本は上半身全体がマットにくっついている状態です。
プラスサイズ体型のかた
プラスサイズ体型のかたにとって、このポーズをやろうと思ってもできない場合があります。お腹まわりに太ももを引き寄せるスペースがない場合、4章のコツを参考にしてみてくださいね。
ハッピーベイビーを完成するためのコツ
体が硬いとできない・・・と諦める必要は全くありません。やり方を変えることによってどんな状態のかたでも快適にハッピーベイビーのポーズをとることができます。コツコツ練習をしていきましょうね。
片脚ずつ行ってみる
ハッピーベイビーのポーズの基本は両脚をつかむことですが、脚が持ち上げられない・背中が浮いてしまうといった場合には片脚ずつ引き寄せる方法に変えましょう。やり方をご説明していきます。
1.仰向けになる、両ひざを立てます。
2.右脚はそのままで、左脚のみ胸に引き寄せて両手で足首をつかみましょう。
片脚ずつやることによって、より股関節の伸びを感じやすくなります。硬くてできないといった場合でなくても、片脚ずつやることはオススメです。特に脚がむくんでいるとき、疲れているときに、寝る前ベッドの上で行うことで脚の疲労感が軽減されていきますし、翌朝スッキリ脚で起きることができるでしょう。
足のつかむ場所を変える
ハッピーベイビーのポーズでよく見るのは、外側から足裏をつかむ方法です。インストラクターからもこのやり方で指導されることが多いかもしれません。しかしこれでなくてはいけないということは全くありません。
1.内側から足裏をつかむ
2.足首をつかむ
どの方法でも、ご自身の体が心地よいと感じるのであればOKです。
どの方法が自分にとって1番合っているかなかなか判断がつかないと思うので、それぞれ試してみて1番しっくりくるものを選ぶことをオススメします。
例えインストラクターからこういった持ちかたのバリエーション指示がないとしても、お好きなやりかたでやっていいでしょう。自分の体が心地いいやりかたを知っていることはとても素敵なことです。自信をもって練習してください。
深い呼吸を繰り返す
どのポーズにも共通していることではありますが、私たちの体は吐く息でリラックスできます。
ハッピーベイビーのポーズに集中してしまうあまり、呼吸を忘れてしまう、止まってしまうと、体制自体はリラックスモードですが、実際にはリラックスできていない状態になります。
仰向けになったときから、自分のペースで良いので深い呼吸を意識しましょう、理想は吸う息・吐く息ともに7~8秒程度かけられるといいですが、途中で息が止まってしまう、苦しいと感じる場合には5~6秒程度でも構いません。
深い呼吸も練習することによってどんどん深まっていきますので、たかが呼吸と思わずぜひ大切に意識してみてくださいね。
こんなときはハッピーベイビーをやってはダメ
仰向けのポーズだし、リラックスポーズだから誰でもやっていいものと思われがちですが、やってはダメなときもあるので注意が必要です。該当するかたは自己判断で練習することは控えて、まずはお医者様とご相談くださいね。
妊娠中
妊娠中にやってはいけないヨガポーズは多くありますが、ハッピーベイビーのポーズもその1つです。太ももでお腹まわりを刺激する・手で脚を押さえつける動きがあるため、妊婦さんにとっては避けるべきポーズになります。妊娠中はお腹まわりに余計な圧はかけないようにしましょう。
足首にケガをしているとき
ハッピーベイビーのポーズは足裏や足首をつかむ動きが含まれます。痛みがあるとき、ケガをしているとき、やらないほうが良いです。どうしてもやりたい場合には、足首まわりをつかむことは止め、太ももやすねなど足首・足裏以外の部位をつかむようにしてみましょう。とはいえケガが悪化してしまうことは避けたいため、安静に過ごすことをオススメします。
もちろん足首にケガをしているだけでなく、体のどこかに痛い部分がある場合にはヨガをお休みするようにしてください。
今までなんとなく行っていたハッピーベイビーのポーズも、深掘りしてみるともう少し意識してみてやってみたい!効果を更に体感したい!と思いませんか。仰向けで行うポーズはとにかくリラックスすることが大切です。頑張り過ぎず、体の力みを解放しながらゆっくり練習を重ねてみてくださいね。