股関節をほぐすクラスや骨盤まわりにフォーカスしたクラスなどでよく出てくる、花輪のポーズ。
気持ちよさそう、伸びそうと思ってやってみるものの、あれ?できないなんてことがよくあるのも事実。
筆者はヨガインスタラクター歴約6年。現在週に10本のオンラインレッスンを行っています。花輪のポーズをレッスンに取り入れることも多いですが、やってみるとできないといったかたが多いのです。10人いたら5人できて5人完成形まで到達しないといった印象。
花輪のポーズってそんなに難しいの?私はどうなのかな?と思っているかもしれません。これを読んでやり方やコツをつかんで練習をしていきましょう。
1.花輪のポーズとはこんなポーズ
まずはポーズのとりかたから見ていきましょう。
1.タダーアーサナになり、胸の前で合掌をします。足幅は腰幅より少し広めにします。
2.吸う息で背筋を伸ばし、吐く息で背筋を伸ばしたまましゃがみます。
3.腕と膝で押し合いながら呼吸を繰り返します。
花輪のポーズができているか〇つのチェックポイント
- 背筋が伸びているかどうか
- 足裏がマットについているかどうか
- 腕と膝で押し合えているかどうか
日本語で花輪のポーズと言われるこのポーズ。サンスクリット語では、マーラアーサナと言います。どちらも覚えておいてほしいです。英語ではgarland poseと言われています。
股関節まわりを伸ばすのに適しているポーズのため、下半身にフォーカスしたクラスや骨盤調整クラスなどで出てくることが多いです。立位でスタートするポーズですが、動き自体は単純なため誰にでも取り組みやすいポーズと言えます。しかし最初から難なくできる人もいれば、上手く下がることができない人もいます。
2.花輪のポーズの効果・効能
このポーズを行うことによって一体どんなことが期待できるのでしょうか。知っていることや体感する部分以外にも、実はこんな効果もあります。
参考文献は、いちばんよくわかるYOGAポーズ全集・オムヨガRYT200養成コーステキストです。
2-1.股関節の柔軟性アップ
1番に期待できることはこれです。股関節が硬いと実感しているかたは多く、どうにかしたいと思っているはず。特にコロナ禍以降、股関節に関する記事への興味が一気に上がっています。
股関節が硬くなる原因の1つとして、運動不足があげられます。コロナによっておうち時間が増えた、真夏の暑さで移動時間を短縮している、仕事でずっと座りっぱなしといったことが要因となります。
股関節まわりにはリンパが集まっており、筋肉が硬くなることによって血行が滞り、老廃物を上手く流せなくなってしまい、冷えやむくみなどの不調を感じやすくなります。また上半身と下半身をつなぐ関節のため、硬くなることによって体が疲れやすくなるようです。
筆者は現在担当しているレッスンの中の、骨盤デトックスクラスにてこのポーズを取り入れています。動き自体はやりやすいため、どの年齢層にも練習しやすいです。筆者自身も座り時間が長かった翌日に、このポーズで股関節まわりをほぐすようにしています。
2-2.内ももを引き締める
あなたの内ももは今どんな状態でしょうか?多くのかたがぷにぷにしている、もう少しスッキリさせたいと思っているのでは。
内ももには6つの筋肉があり、それらをまとめて“内転筋群”と呼びます。この内転筋群はそもそも力が弱く、衰えやすい・硬くなりやすいといった特徴があります。
また日常生活の中で内ももの筋肉を使うタイミングは少ないはず。こういったことから、内ももの筋肉は衰え、脂肪ばかりがついていく、もしくは太ももの外側の筋肉ばかり発達してがっちりした太ももになってしまいやすくなります。
筆者も内ももの筋肉が弱く、外ももばかり発達してしまうタイプです。体はどうしてもクセが付きやすく、強いところに頼ってしまいやすいです。普段使えていない内ももの筋肉を刺激するには、花輪のポーズはオススメですよ。
2-3.姿勢を整える
日本人の約8割のかたが、自分の姿勢は悪いと思っているそうです。確かに、電車などで周りの人も見ていると、スッと背筋を伸ばしている人のほうが目立つくらい、猫背姿勢のかたが多いかと思います。
姿勢を正そうとしても、正すための筋肉が弱まっていてはなかなか難しいですし、姿勢が整うと気持ち良い・呼吸がしやすいといった体感があったほうが、直す意識が強くなるでしょう。
3.花輪のポーズで陥りやすいこと
効果・効能を見るとやってみたい、私はやったほうがいいポーズだと感じたかたもいるはず。やる前にぜひ陥りやすいポイントを知っておいてください。
3-1.かかとがつかない
花輪のポーズでは、足裏全体が最初から最後までマットにピタッとくっついています。
しかし人によってはかかとが浮いてしまうかたもいます。こうなるとポーズも安定せず、呼吸もしにくくなります。
3-2.下に降りられない
吐く息でしゃがもうとしても、途中で降りられなくなってしまうかたも多いです。
レッスンで行うと、特に男性が下りられない傾向にあります。
3-3.背中が丸まってしまう
花輪のポーズでは、背筋を伸ばした状態のまましゃがみ胸を前に開きます。
しかしどうしても背中が丸まって、胸が縮こまってしまい、肘と膝を押し合いにくくなってしまうかたもいます。
4.花輪のポーズを完成するためのコツ
花輪のポーズを完成形に近づけるために、一体どんなことをすると良いのでしょうか?コツを知ったうえで練習をして、完成度を上げていきましょう。
4-1.足首をほぐす
子どもの頃、運動前に行っていた足首を回す動き。大人になってからこの動きをすることはほとんどないかと思います。動かさなければどんどん硬くなっていくのが私たちの体です。
特に足首まわりは骨も小さく、ケガをしたときに厄介な場所と言えるでしょう。将来ちょっとした段差につまづき、足首の骨が折れてしまったなんてことにならないように、今のうちから、お風呂中・後などの体が動かしやすいタイミングで足首を回してほぐしていきましょう。
4-2.ブランケットを活用する
足首を動かすクセをつけても、急に柔らかくなることもないのが現実です。
かかとがマットから浮いてしまう場合には、かかとの下にブランケットを置いて隙間を埋めるようにしてください。こうすることで、土台が安定するのでポーズの安定感も変わりますよ。
4-3.背中が真っすぐ伸ばせているところでキープする
ヨガでは基本背筋を伸ばした状態が優先されます。このポーズでも同じです。
例え下までしゃがめても、背中が丸まっている状態は好ましくないです。背筋が伸ばせているところでキープをするようにしましょう。
今はできないことが、ヨガをコツコツ練習していると必ずできるようになった!という瞬間が来ます。
私たちの体はとても素直です。諦めずにやってみてくださいね。
4-4.足幅を広めにする
足幅を広めにとることによって、しゃがみやすくなります。かかとが浮いてしまう、背中が丸まってしまうかたは、足幅を変えてみることも方法の1つです。ぜひ1度トライしてみてください。
5.花輪のポーズで注意が必要なかた
花輪のポーズを練習する上で、どんなときは注意が必要なのか知っておいてください。該当するときはお休みしましょう。
5-1.股関節を痛めているかた
股関節への刺激が強いので、痛めているときや違和感があるときは練習をしないようにしましょう。健康な状態に戻っても、ゆっくり様子を見ながら練習してくださいね。
5-2.足首を痛めているかた
足首に体重が乗るポーズです。痛めている、ひねってしまったときには止めておきましょう。痛むけど大したことはないとやってしまって、更に悪化することは多々あります。自己判断できないときはお休みしたほうが良いですよ。
花輪のポーズを最初からできてしまうかたは、どこにどう効いているのかピンとこない、できないかたはなぜできないのか分からないとなります。このポーズは一体どこにどんな効果があるのか、どこが硬いとやりにくくなるのか、知ったうえで練習すると、よりその部位に意識が向き、使い方が無意識のうちに変化していきます。これによって更なるレベルアップも期待出来るでしょう。なんとなくやるのもいいですが、ポーズの知識を増やすことによって、ヨガの魅力にもっとハマっていきますよ。