毎日続けられる!アーユルヴェーダを取り入れた食事って?

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「ダイエットにはこの食材がおすすめ」

「これを食べれば健康になる!」

テレビやネットにはそんな情報が日々あれやこれやと大量に登場しては廃れていきます。

メディアの報道や周囲の声などにわたしたちの認知は大きく左右されていることも影響し、結局何が本当に正しい食事なのか疑問に思ったことはありませんか?

アーユルヴェーダはマッサージ、トリートメントなどのエステとして有名ですが、個人でも取り入れることが可能で、あなたの毎日の健康や美容をサポートしてくれる存在です。

固定概念やブロックに、情報化社会に生きる現代人は無意識のうちにとらわれてしまい自分の声を聞いてあげることを後回しにしまいがち。

食事の面からアーユルヴェーダの考え方を知れば、本当に自分自身に必要な情報を理解することができ不確かな情報に惑わされることがなくなります。

「アーユルヴェーダはおしゃれで特別な食材を用意するもの」

「アーユルヴェーダの食事はお金がかかる」

このようなイメージがあるかもしれませんが、日本に暮らしながら入手しやすい・馴染みのある食材でも十分生活に取り入れることができます。

体質別の具体的なおすすめ食材、避けた方が良い食材をメインに、食べ合わせや花粉症対策などまでアーユルヴェーダの知恵を借りて毎日の食事を改善しましょう。

 アーユルヴェーダの考え方

アーユルヴェーダの考え方は「人それぞれの生まれ持った体質や個性」、「今のあなたの心身の状態」から個人に合ったアプローチをひもといていくものです。

5000年以上の古代インドにルーツを持つ自、然に基づいた伝統医学であるアーユルヴェーダはインド、スリランカでは古来からポピュラーな存在として浸透しており、近年でWHOからも予防医学として認められている存在。

人間の生命をつかさどるのは目に見える肉体のみならず、精神、五感、魂の4つであり、それぞれがバランスを取れている状態が好ましいとされています。

アーユルヴェーダの食事の特徴

アーユルヴェーダが提唱している食事のポイントは、「本当に身体と心が欲しているものだけを厳選して取り入れること」です。

やみくもに多くの食物や栄養素を採るのではなく、本質を見極めたアーユルヴェーダのミニマムな食生活は、現代人こそ取り入れるべきメリットが大きいものなのです。

近代の食をめぐる問題から、アーユルヴェーダの食事についての基礎的なポイントまで紹介します。

現代の食環境の問題点とは

現代的な美容や栄養法は、「不足しているものをどんどんプラスしていく」と言った追加方式が中心です。

新しい美容成分が配合された化粧品、様々な栄養素を補えるとうたうサプリはとても魅力的に映りますが必ずしもすべての人に効果が出るとは限りません。

スマホ1台で自宅から一歩も出ずに食事を宅配するサービスもコロナ渦で大きく普及した他、忙しい現代人向けにいでも以前より加工食品のコーナーが拡充しているように感じます。

一見豊かな食環境が整っているようにも思えますが、頼りすぎるとわたしたちを不健康にしてしまう危険性も。

例えば「現代型栄養失調」という問題があります。

新潟薬科大学の資料によると、食事の摂取カロリーこそ足りているものの、栄養素が足りていないことで引き起こされるものが現代版の「栄養失調」といわれています。

主な原因として挙げられている項目が、以下の通りです。

・女性の場合 ダイエットを目的とした「食事回数を減らす、○○ダイエットなどの 1 つの種類しか摂取しないなど偏った食事方法」

・男性の場合 おにぎりやパン、丼物など単品で済まそうとする偏った食生活

・高齢者の場合 歯やあごが弱くなり、肉類は避けて、やわらかい麺類などに偏ってしまい、タンパク質が不足しやすくなること

引用元:薬科大健康だより12月号

アーユルヴェーダの食事におけるポイント

アーユルヴェーダの食事のポイントは大きく以下の4つに分類することができます。

スパイスをたくさん使う

胃薬のような役割をする生のフェンネルシード、消化力をアップさせるジンジャーなどアーユルヴェーダでは生活に根差したハーブを用途によって使い分けています。
日本人にも馴染みが深いものの例を挙げると、バジル、クローブ、ローリエなどがあります。
またアルコール対策で有名なウコンもアーユルヴェーダで親しまれているハーブです。

体質に合わせた食事をする

後ほど詳しく触れるためここでは割愛しますが、大きく3つのドーシャ(体質)別に推奨される食事法を実践することで各々に合った食事を探るものです。

食事のタイミングを大切にする

アーユルヴェーダで基本的に推奨される食事のタイミングは10時から14時。この時間帯に1日の中でボリュームやカロリーの高い食事を取るように心がけると良いです。
また、食事の時間だけを基準とするのではなく「胃の中が空となっている状態か、空腹感があるか」を意識することが大切。
体質やその日の体調に合わせて調節することがおすすめです。

温かいものを中心に食べる

温かい食事は消化を助けるという価値観はアーユルヴェーダの食事にも基礎として存在するもの。
特に不調を感じる時期は冷たい食事や飲み物を避けることが推奨されています。

自然に近い状態で食べる

自然に近い食品を口にすることが、健康への近道。
オーガニック食品や自分の住む地域の近いものを選び、調理するときには電子レンジの使用は減らすなどして新鮮な食材を用いた作りたての料理を頂くことが推奨されています。

アーユルヴェーダの食事によるメリット

アーユルヴェーダの食事を取り入れることで、様々な恩恵を受けることができます。
具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

ダイエットができる

体質に合わせた食事法や食べ方を知ることにより、毒素を溜めにくく、食物の未消化を防ぐことができます。

継続していくことで、健康的に太りにくい体質になるのです。

ただ体重を落とすのではなく、栄養をしっかりと取ることから肌や髪のツヤを保ち、むくみをとりすっきりとするなどの美容効果もあるでしょう。

その他にも、胃腸の調子を整えることができる、風邪の予防ができる、片頭痛や肩こりを緩和できる、本当に自分が必要な食事を知ることができるなど数多くのメリットがありますよ!

「朝に〇〇を食べると体に良い」などメディアの報道や周囲の声などにわたしたちの認知は大きく左右されています。
そうした固定概念やブロックに、情報化社会に生きる現代人は無意識のうちにとらわれてしまい自分の声を聞いてあげることを後回しにしまいがち。
アーユルヴェーダの食事理論を知ることで、他者の意見や先入観に流されるなどの認知バイアスから解放されることができるでしょう。
また芸能人やインフルエンサーがおすすめするデトックスドリンクや健康サプリメントに惹かれて購入しても、いまいち効果を感じることができない……なんて経験をしたことはありませんか?
この問題の解決のヒントは「人にはそれぞれ合うものが違う」と言うアーユルヴェーダの考え方にあります。
詳しくは次章「アーユルヴェーダ 基本の食事法則」で取り上げています。

アーユルヴェーダの食事によるデメリット

喜怒哀楽の表情

一方、アーユルヴェーダの食事には知っておきたいデメリットや注意点もあります。

手間がかかる

新鮮な食材を用いて調理をしたできたての料理を頂くことが、エネルギーを最大限に受け取ることができることからアーユルヴェーダにおける理想の食事とされています。

しかし、毎日、毎食自炊することが難しい場合や、思い込みにしばられてストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。

体質に合った食材を取り入れて作り置きをする、一日一回は簡単な料理をしてみるなどの工夫を取り入れて無理のない範囲で実践することが大切です。

病気を改善・治療することはできない

アーユルヴェーダの食事における大前提は「未病の健康な人を対象とした心身のバランスを整えるものであり、予防医学としての位置づけ」です。

現在病気の治療中である人や健康に不安を抱える人こそ、健康的なアーユルヴェーダの食事が魅力的に映るかもしれませんが、根本的な原因を取り除くものではありません。

既になんらかの治療を開始している場合は、自己判断ではなく医師の指導に基づいた食事法を行いましょう。

即効性はない

アーユルヴェーダの得意とすることは「体質改善・バランスを整えること」です。

従って、反対の概念となる魔法のような即効性は期待できないでしょう。

あくまで毎日の生活習慣やヨガなどと合わせて食事法を組み合わせ、個々に合った体質改善を行うものです。

継続的に取り入れることで効果を実感することができるので、気長にマイペースに自信と向き合うことが心身を豊かにする上で大切です。

アーユルヴェーダ 基本の食事法則

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個々の体質に合わせた食材や調理法を取り入れ実践する」ことがアーユルヴェーダの基本的な食事法則であり、重要視されています。

具体的には、以下の10項目を基本の食事法則として挙げることができます。

アーユルヴェーダ 基本の食事法則10個

1 正しい時間に食事をする
2 消化力をしっかりと見定めよう
3 冷たいものを控える
4 食べることに集中する
5 旬のものをいただく
6 六味のバランスが取れた食事をする
7 ヴァータにおすすめの食事
8 ピッタにおすすめの食事
9 カパにおすすめの食事
10 食べ合わせの良くない食材がある

また、基本の食事法則を実践する前に押さえておきたいワード「アグニ」、「アーマ」、「3つのドーシャ(トリドーシャ)を紹介します。

消化力のことを意味する「アグニ」や吸収率、代謝率には個人差があることから、万人が同じ食事をするよりその人の特性や体調、季節に合わせた食事を実践することが有効かつ心身ともに毒素を溜めないことにつながるからです。

芸能人やインフルエンサーがおすすめするデトックスドリンクや健康サプリメントに惹かれて購入しても、いまいち効果を感じることができない……なんて経験をしたことはありませんか?
この問題の解決のヒントは「人にはそれぞれ合うものが違う」と言ったアーユルヴェーダの考え方にあります。

アグニとは

食物を消化するエネルギー「炎」のこと。知性をつかさどる源とも定義されている。アグニが強すぎず、弱すぎずバランスの取れた状態がベストとされている。
アグニの健康は食物の栄養素を適切に行い、毒素を排出させるために欠かせない。

また現代医学でも頻繁に登場する「腸内環境の乱れ」と言うワードは、アーユルヴェーダでは腸内の「アーマ」の発生が要因と解釈されます。

アーマとは

腸内環境の悪化の原因のこと。加工食品や冷たいドリンクやアイス、消化に良くないとされる食事の食べ合わせなどによって発生するもの。
アーマは消化器官の巡りをはばむ存在=アグニのエネルギーを弱めるものである。

また肉体エネルギーを意味する「ドーシャ」は大きく「ヴァータ、ピッタ、カパ」の3分類であり、アーユルヴェーダでは自身のドーシャを知ることで健康や美容へ対応していきます。

ヴァータの特徴

「空」と「風」の要素を持つヴァータは動性、軽性、乾燥性などの特徴を持っています。
見た目はやせ型で手足が長く乾燥しがち、体質は消化器官や自律神経が弱いことが多いです。
「空」、「風」に連想されるようにフットワークが軽く新しい場所やコトにアンテナを張り、様々な人とコミュニケーションを取ることが得意。

ピッタの特徴

「火」と「水」の要素を持つピッタは熱性、油性、鋭性などの特徴を持っています。
見た目は中肉中背で筋肉質、体質は吹き出物やシミなどの肌のトラブルや白髪やハゲなど髪のお悩みを抱えやすい傾向が。
炎のような情熱を持ち、向上心が高くリーダーにも向いているとされる性格です。

カパの特徴

「水」と「地」の要素を持つカパは重性、湿性、油性などの特徴を持っています。
見た目は骨太で大柄、体質は水分や脂肪を溜め込みやすく日焼けをしやすいなど。
大地のように穏やかで安定を好み、ゆったりとした性格です。

注意点は、「3つのドーシャはバランスを取り調和する存在」であること。

アーユルヴェーダの体質診断はプラクルティの理論とも呼ばれ、自然界とその中に存在する人間とは互いにエネルギーの交換が行われていると言ったイメージをすると分かりやすいかと思います。
そして血液型のように一個人につき一つの性質のみがあてはまる訳ではないことがポイントです。

人間はすべてのドーシャを持って誕生し、その中でも生まれつき強く持ち合わせるドーシャがあり他のドーシャが強くなったり弱くなったりしている関係性であるのです。

従って、ここからお話する「体質」の前提として3つのドーシャの内、どのドーシャがあなたの中で大きいか、優性な状態であるかに基づくこととなります。
また複数の体質を持ち合わせる人も存在するため、必ずしも一つの体質に合わせた食事を行うのではなく柔軟に捕えることもポイントとなります。

ここからはアーユルヴェーダの食事における基礎事項について触れていきます。

基本の食事法則1 正しい時間に食事をする

3つのドーシャは1日の時間にも大きく影響しています。
6時~10時頃はカパが優位で、消化力が弱いことがポイントのため朝食はあっさりとして軽いものを。
10時~14時頃は消化力をつかさどるピッタが優位のため、脂っこいものや炭水化物などをしっかり食べることがおすすめ。
14時~18時頃はヴァータの時間で、ティータイムの頃は疲れやすさが出やすいため甘味や体を温めるお茶を積極的に採り休息を。
夕食はヴァータの内に済ませると心身を軽くキープすることができます。

基本の食事法則2 消化力をしっかりと見定めよう

「腹八分目」は日本の食事法においても有名な言葉ですが、アーユルヴェーダも同様の価値観があります。
胃腸に余白を残すことで、アグニの働きを正常にする効果があるからです。
また必ず毎日3食頂かなくとも、前日の食事が重かった、飲み会で疲れが溜まっていると感じた場合などは朝食を控え白湯のみとするなどそのときの状況に合わせてアグニの火をベストに保つことが大切です。

基本の食事法則3 冷たいものを控える

冷たいサラダやドリンクを口にすることが習慣化している人も多いですが、これらは消化力のアグニを弱める原因となります。

極力避けるとが良いですが、外食時など難しい場合は温かいスープをプラスする、氷を抜いたドリンクにするなどの工夫を意識してみましょう。

基本の食事法則4 食べることに集中する

アーユルヴェーダの瞑想では「今この生きる瞬間に意識を向ける」ことを大切にしており、ヨガや瞑想のみではなく、食事にもこの概念を提唱しています
具体的には、動画視聴や何らかの作業を同時に行わず目の前の食事のみをしっかりと五感で向き合うことでマインドフルネス効果も得られるのです。

基本の食事法則5 旬のものをいただく

春なら山菜、夏ならすいか……など食材には「旬の時期」がありますよね。
飽食の現代は、ハウス栽培などですべての時期に食材が流通することも多く意識を向けないと今の旬の食材が分かりづらい環境です。
アーユルヴェーダでは、季節によって強まるドーシャがあるとされ、乱れを整えるために旬の食材が有効であると伝わっています。

基本の食事法則6 六味のバランスが取れた食事をする

六味とは「甘酸塩辛苦渋」に分類される6つの味のことで、1度の食事で全て含まれていることが理想とされています。
いくら身体に良いとされる食材でも偏るとドーシャのバランスは崩れてしまいます。
従ってバランスよく摂取することでドーシャのバランスを整え、心も身体も満たされます。
各味の持つ特徴や食品例を見ていきましょう。

甘味の性質

甘味はマドゥラとも呼ばれ、構成する要素は「水」と「土」であり重性、湿性、油性の性質を持ちます。
体内の組織を増大させ、リラックス効果を生むものです。
カパの性質を増やし、乾燥しがちなヴァータや熱性を帯びるピッタを落ち着かせることがポイントです。
カパ体質の人とカパが増大する時間帯や季節においては控えめにすると良いでしょう。

甘味の食品

甘味の例:米、麦、ココナッツ、牛乳、砂糖、大麦、はちみつ、果実類、さつまいも、じゃがいも、炭水化物類など

酸味の性質

酸味はアムラとも呼ばれ、構成する要素は「火」と「土」であり熱性、重性、油性の性質を持ちます。
大腸の悪玉菌を抑え、腸内細菌のバランスを整える作用があります。
ピッタとカパの性質を増やし、軽性のヴァータを落ち着かせることが特徴で、食欲不振の時や消化力が落ちているときに手助けしてくれる存在です。

酸味の食品

酸味の例:酢、梅干、チーズ、ヨーグルト、醤油や味噌など発酵食品、トマト、レモンやグレープフルーツなど柑橘類など

塩味の性質

塩味はラワナとも呼ばれ、構成する要素は「火」と「水」であり油性、流動性、熱性の性質を持ちます。
冷えやすいヴァータを整える一方、ピッタとカパを増加させることが特徴です。
食欲を増進させ、消化を促す作用がある一方で食べ過ぎるとお腹を下しやすくなることが特徴です。

塩味の食品

塩味の例:味噌、漬物、醤油、塩、昆布などの海藻類、塩漬けした魚、チーズなど

辛味の性質

辛みはカトゥとも呼ばれ、構成する要素は「火」と「空」であり熱性、軽性、乾性の性質を持ちます。
カパの持つ重性を抑え、ピッタとヴァータを増大させることが特徴です。
消化が滞っているときは刺激剤となる一方、イライラやダイエット中には不向きなものです。

辛味の食品

辛味の例:ショウガ、にんにく、玉ねぎ、コショウ、ワサビ、唐辛子、その他香辛料など

苦味の性質

苦味はティクタとも呼ばれ、構成する要素は「空」と「風」であり乾性、冷性、軽性の性質を持ちます。
カパの油性やピッタの熱性のバランスを整え、ヴァータを増やすことが特徴です。
ダイエットに効果的な解毒作用、消化促進効果、胸やけや風邪に効果的な炎症鎮静作用があります。

苦味の食品

苦味の例:緑黄色野菜、ゴーヤ、ターメリック、緑茶やコーヒー、シソやコリアンダーなど香味の葉物など

渋味の性質

渋味はカシャーヤとも呼ばれ、構成する要素は「空」と「土」であり軽性、乾性の性質を持ちます。
ヴァータを増大し、カパの重性とピッタの油性のバランスを整えます。
デトックス効果が期待できる他、生理痛、下痢のトラブルにも味方となってくれる一方、ヴァータの季節である秋から冬の初めは控えると良いでしょう。

渋味の食品

渋味の例:豆類、豆腐、渋柿、緑茶、じゃがいも、ブロッコリー、ごぼう、れんこん、きな粉、根菜、たらの芽、わらびなど

基本の食事法則7 ヴァータにおすすめの食事

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ヴァータは食欲が不規則で消化力自体が弱め。小食なためこまめに食事をする場合も多いのですが、結果的に胃腸を休ませるタイミングを失ってしまうため未消化を引き起こし神経系や循環器系の疾患のリスクが高まります。
改善のためには規則正しい生活を意識し、それに準じて朝食を欠かさないようにするなど食事も設定するとリズムが整いやすいでしょう。
欠食やながら食べ、早食いなどの行動は特に注意しましょう。
不眠や休んでも疲れが取れにくい、気分の浮き沈みなどの悩みも自然と改善に向かいます。

 

甘味、酸味、塩味を食べる

ヴァータ体質の人は、食事で意識することはもちろん、間食にこれらの6味を取り入れることもおすすめです。

油性・熱性を意識する

ヴァータの食事におけるポイントは、冷えを取り除き潤いを補うこと。油性と熱性を適度に補給することです。

好ましい食べ物・避けるべき食べ物

おすすめの食べ物は性質別に以下の通りです。
油性の例:バターやチーズ、ヨーグルトなど乳製品、油、揚げ物全般、ドレッシングなどの加工品
熱性の例:白湯やホットティー、温めた豆乳野菜スープなどの温かい飲食物やカレー粉などのスパイス類など
その他の例:米、麦類(小麦、オートミールなど)、かぶ、里芋、人参、セロリ、オクラ、アスパラガス、白菜、レタス、ピーマン、わかめ、梅干し、いちご、キウイ、オレンジ、さくらんぼ、バナナ、梨、ブルーベリー、ぶどう、もも、アーモンド、スパイス(生姜、コショウ、バジル、クローブ、カルダモン、オレガノ、タイム、)鶏肉

反対に控えたい食べ物は、キンキンに冷えたビールや生のフルーツ、もやし、レタスやきゅうりなど。
特に夏場は氷の入ったドリンクなどを欲しますが、氷を抜くことを心がけると秋以降のヴァータのバランスを崩さないことにつながります。

おすすめのレシピ・献立

ヴァータに合う食事例から、馴染みのある食材で作りやすいものをセレクトしました。

  1. ご飯とみそ汁
  2. 漬物白身魚入りのお粥
  3. 里芋、れんこん、さつまいも、ごぼうなど根菜を多く入れたシチュー
  4. 人参、シナモン、生姜などのスムージー
  5. 豆乳とごまで味付けをしたあっさり目の鍋

基本の食事法則8 ピッタにおすすめの食事

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消化力をつかさどるピッタは食欲が旺盛でそれ相応の消化力も持ち合わせています。

太りにくい体質などのメリットがある一方でピッタが優勢になり過ぎると熱性や鋭性の増加につながり、未消化物の原因や自身の臓器を傷つけてしまう胃潰瘍などを患ってしまうことも。イライラ感が増えることも特徴です。
食事中には、マイナスな話題や愚痴などを避け美味しさを五感で感じると幸福感や満足感が良い消化につながります。

渋味、甘味、苦味を食べる

ピッタ対体質の人は、食事で意識することはもちろん、間食にこれらの6味を取り入れることもおすすめです。

好ましい食べ物・避けるべき食べ物

おすすめの食べ物は性質別に以下の通りです。

重性の例:チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小麦、雑穀、オートミールなど ※消化に時間がかかるため適量の摂取は食べ過ぎを防止する
冷性の例: アイスや氷入りのドリンク、ブロッコリー、キャベツ、人参、かぼちゃなど緑黄色野菜、りんご、キュウリ、ココナッツ 生野菜
油性の例: ヨーグルトなど乳製品、ココナッツやオリーブの油、揚げ物、ドレッシングなど

その他の例:豆腐、納豆、グリーンピース、かぼちゃやひまわりの種、かぼちゃ、オクラ、アスパラガス、レンコン、もやし、レタス、カリフラワー、ごぼう、こんにゃく、ルッコラ、パクチー、ナス、セロリ、パイナップル、オレンジ、キウイ、いちご、下記、メロン、赤いリンゴ、ベリー類、洋ナシ、氷砂糖、鶏肉、エビ、ミント、スパイス(ナツメグ、シナモン、カルダモン、サフラン、コリアンダー )、水分全般

反対に控えたい食べ物は、毒素となりやすいカフェインや酒類。また牛肉などの油分が多いこってりとしたもの、塩分の多い食べ物や辛い調味料、にんにくをたっぷり使用したメニュー、担々麺などの料理は消化を妨げ下痢などの症状を引き起こしやすくするため頻度を減らしましょう。酸味があるお酢やヨーグルトも胃腸トラブルや肌荒れが気になる時は避けることがおすすめです。

おすすめのレシピ

ピッタに合う食事例から、馴染みのある食材で作りやすいものをセレクトしました。

  1. 緑黄色野菜をたっぷり使用した豚肉のあんかけ 
  2. ゴーヤチャンプルー 
  3. 豆類ときゅうり、トマトの夏野菜サラダ 
  4. スイートポテト 
  5. パイナップル、小松菜、バナナなどのスムージー

基本の食事法則9 カパにおすすめの食事

食べることが大好きなカパですが、本来持つ消化力は弱めで時間を要します。ついつい食べ過ぎてしまうと毒素が溜まりやすく肥満や糖尿病につながることも。
基礎体力がある方なので、お腹が空いてから食事をすることを心がけること消化の良いものを選ぶことで消化力を高めることができるでしょう。朝食は軽め、もしくはほぼ食べないことがあっても大丈夫。
食事中は楽しいことにフォーカスして、一度の食事でしっかりと食べることでだらだら食べを控えることがポイントです。

塩味、苦味、渋味を食べる

カパ体質の人は、食事で意識することはもちろん、間食にこれらの6味を取り入れることもおすすめです。

好ましい食べ物・避けるべき食べ物

おすすめの食べ物は性質別に以下の通りです。
軽性の例: 大麦、ゴーヤ、緑黄色野菜、コーン、コーヒー、ふきのとう、りんご
乾性の例: 大麦、そば、シリアル、ジャガイモ、ドライフルーツ、雑穀、ひよこ豆や小豆などの豆類
熱性の例:白湯やホットティー、野菜スープなどの温かい飲食物やカレー粉などのスパイス類など

その他の例:山菜(ふきのとう、菜の花、わらびなど)、キャベツ、かぼちゃ、さやいんげん、大根、セロリ、なす、渋柿、白菜、ほうれん草、ひじき、もやし、りんご、いちじく、レーズン、ざくろ スパイス(生姜、マスタード、カルダモン、シナモン、サフラン、コリアンダー )、鶏肉

反対に控えたい食べ物は、冷えにつながる白砂糖や小麦、アボカド、豆腐、アイスクリーム、ケーキ、イモ類、揚げ物、塩辛いものなど。これらはカパを増大させる要因となります。
肉を食べたいときは揚げ物よりもゆでる、蒸すなど油分を減らす調理法を取り入れることがおすすめです。

おすすめのレシピ

カパに合う食事例から、馴染みのある食材で作りやすいものをセレクトしました。

  1. グラノーラにレーズンや洋ナシを入れる 
  2. 雑穀入りのご飯 蒸し野菜や山菜の盛り合わせ  
  3. スパイスをたっぷり使用した野菜スープ 
  4. 人参、小松菜、セロリ、はちみつ入りのスムージー
  5. 煮りんごのシナモン、はちみつがけ

基本の食事法則10 食べ合わせの良くない食材がある

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 上記まで紹介してきた体質別の食材・食事法に加えて「食べ合わせ」についてもアーユルヴェーダの知恵を見ていきましょう。

食事の前に知っておきたい8つの原則とは

  • 食べ物の性質(プラクルティ-)― 加工や調理などする前の食べ物本来の性質を考慮
  • 調理方法(カーラナ)―食べ物には適切な加工や調理を施す必要があるものがある
  • 食べる量(ラーシ)― 個人の消化力や胃の容量に応じた適量を食べる
  • 栽培された土地(デーシャ)― 食べものがどこで育ってどんな経路を辿って目の前にやってきたのかに着目 
  • 食べる時間、季節(カーラ)―食事の時間、季節、年齢に応じた食事をする
  • 食事の作法(ウパヨーガサンスタ)― 適切な消化のための作法
  • 食事をする人(ウパヨークタ)― 食べる人の食習慣(オーカサットミャ)を考慮 

チャラカ サンヒターヴィマーナ スターナ 1/22より

引用元:アーユルヴェーダの食事と食べ合わせ | アーユルヴェーダ セラピストの教科書 – Traditional Ayurveda (ayurveda-taj.com)

アーユルヴェーダの食事の基礎には上記のような項目があります。

その中でも、「食べ合わせ」についてこの章では紹介します。

食べ物の持つ性質と自身の消化力に着目することが健康的な食事であると定義されており、食べ合わせが悪い食事は一方の食材のメリットが消えてしまうことや、変化してしまうことが起き、毒素(アーマ)を生み出すとされています。
身体のサビ=老化の進行や生命エネルギーの減退にもつながります。
またアーユルヴェーダにおける食べ合わせの意味は、「体調が悪いときに意識する」、「個人差がある」と解釈すると良いでしょう。

 

牛乳・ヨーグルトと食べ合わせが悪いもの

特に酸味のある果物、バナナ、マンゴー、魚や肉、卵、デンプンを含むパン、じゃがいも、パスタ、乳製品、温かい飲み物

デンプンを含むパン、じゃがいも、パスタと食べ合わせが悪いもの

果物全般、デーツ、温かい飲み物、卵

卵と食べ合わせが悪いもの

肉、魚、バナナ

とうもろこしと食べ合わせが悪いもの

デーツ、レーズン、バナナ

メロンと食べ合わせが悪いもの

デンプンを含むパン、じゃがいも、パスタ、揚げ物

緑茶、コーヒー、紅茶と食べ合わせが悪いもの

小松菜、ほうれん草、納豆、キヌア、ナッツ類 
※食品の鉄分の吸収を妨げるため。食後最低30分空けて摂取すると緩和する。

 

これらの食べ合わせは、食べすぎを防ぐ、鍋など煮込む料理にするなどの工夫で悪影響を受けにくくなります。
必ず口にしてはいけないものではないので、ケースバイケースで考えるようにしましょう。

 

気になるQ&A

ここではアーユルヴェーダの食事にまつわる、よくある質問について解説します。

アーユルヴェーダの食事で花粉症は軽減できる?

アーユルヴェーダの食事には生理中を快適にするヒントがあります。
PMSなどが現れやすい生理直前の黄体器期は、ピッタの時期で肌荒れや熱っぽさ、イライラやあふれ出る食欲が特徴です。
月経期は、ヴァータの時期であり体温低下や痛みや不調の増大、消化力も低下することが特徴です。
従って、前章までで紹介した体質別のおすすめ食事法がそのままそっくり生理周期別に対応したものであると言えます。
例えばピッタが避けるべき食事としては、氷入りのドリンクやカフェイン、お酒。どれも生理前の時期には適さないものとして有名ですよね。
女性の場合は、普段から自身の体質に合わせた食事を実践することに加えて、周期に合わせて強くなるドーシャを理解しておくことでバランスを整えておくことが可能なのです。
またもうひとつの考え方としては、6味をバランス良く摂取すると良いともされています。
例えば外食をするときは洋食より和食の御膳などを選ぶなどの工夫ができるでしょう

アーユルヴェーダの食事で梅雨のしんどさを乗り越えることは可能?

アーユルヴェーダ「季節別の過ごし方」の理論により対策することが可能です。
梅雨の時期はヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャすべてバランスを崩しやすい時期とされています。
雨による湿気でカパが増大、風や気温歳はヴァータを乱し、蒸し暑さや梅雨終わりの暑さはピッタが強くなりすぎてしまう……と言った具合です。
「気象病」とも呼ばれる梅雨時期の気圧の変化や寒暖差によるだるさ、不安症、冷え、むくみなどの体調不良を訴える人は近年とても多いのです。
不規則な生活や食生活の乱れがすべての人に影響しやすい時期とも言えるでしょう。
免疫力、消化力を適切に保つためには、お粥やスープなど消化の良いあっさりとした食事、季節のフルーツで滋養することを意識しましょう。
ミョウガや大葉などの薬味をたっぷりと取り入れることやレモンや梅で味付けをすると消化を助けてくれます。
ラーメンや中華料理などこってりとした、辛い、濃い味の料理は消化を妨げるため梅雨の不調を悪化させてしまうので控えましょう。

アーユルヴェーダの観点から生理中の食事についての注意点は?

アーユルヴェーダの食事には生理中を快適にするヒントがあります。
PMSなどが現れやすい生理直前の黄体器期は、ピッタの時期で肌荒れや熱っぽさ、イライラやあふれ出る食欲が特徴です。
月経期は、ヴァータの時期であり体温低下や痛みや不調の増大、消化力も低下することが特徴です。
従って、前章までで紹介した体質別のおすすめ食事法がそのままそっくり生理に対応したものであると言えます。
例えばピッタが避けるべき食事としては、氷入りのドリンクやカフェイン、お酒。どれも生理前の時期には適さないものとして有名ですよね。
女性の場合は、普段から自身の体質に合わせた食事を実践することに加えて、周期に合わせて強くなるドーシャを理解しておくことでバランスを整えておくことが可能なのです。
またもうひとつの考え方としては、6味をバランス良く摂取すると良いとされています。
例えば外食をするときは洋食より和食の御膳などを選ぶなどの工夫が挙げられるでしょう。

アーユルヴェーダの食事で便秘は解消できる?

消化力「アグニ」を大切にした食事法を習慣とすることで、消化を改善することができます。
記事中でも、アーユルヴェーダの食事では「アグニ」すなわち消化力を重要視しているとお伝えしてきました。
アグニの停滞や過剰さ、不規則性により便通や痛さ、感情をもつかさどるとされており、アグニの巡りを改善することが便秘の解消へとつながります。
基本的には冷たいドリンクや食物、食べ合わせの良くない食べ物、加工食品と肉を避けること。
おすすめのアクションは朝は白湯、食物繊維の排出を助けるごま油やひまわり油、アーモンドオイルを採ること、加熱した食事を多く取り入れることなどがあります。
アグニの火を整えることが消化器官を整えることにつながりますよ。

さいごに

ヨガにおすすめの飲み物

わたしたちの生命維持のため毎日大切にすべき食事ですが、ジャンクフードやコンビニ、サプリメントに頼りっぱなしになりがちな人がとても多いですよね。

アーユルヴェーダの食事は、専門的な食材を必ずしも取り入れる必要はなくスーパーで手に入りやすい食材でOKなところもポイント。

時間がない、毎日多忙な人こそアーユルヴェーダの食事法を知って頂き、心身ともに健康で豊かな毎日にシフトしてみませんか?