「フリーランスとして働いてみたいけど始めるにはどうしたらいいのだろう」
「フリーランスになるためにはどんな準備が必要なのか教えて欲しい」
フリーランスに興味がある人なら気になるポイントではないでしょうか。
自由な働き方が売りとされているフリーランスですが、実際のところはどうなんだろう?と思いますよね。
実際、フリーランスは独立1年目が廃業率約4割と中小企業企業白書から明らかとなっていることからも、華やかなイメージとは裏腹に厳しい世界であることも垣間見えます。
出典:中小企業白書
一般的な会社員からPC1台で仕事をするフリーランスになった筆者が、フリーランスになる前に知っておいて損はないポイントを厳選して解説します。
記事を最後まで読んで頂ければ、フリーランスを始めるために事前に知りたい準備内容をしっかりと理解することができ、「思っていたのと違った……」と後悔することなくフリーランスを始めることができるでしょう。
CONTENTS
フリーランスとは
まずはフリーランスを始めるにあたり知っておきたい、基礎知識をおさらいしましょう。
フリーランスが注目される背景
フリーランスの定義とは「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」です。
フリーランスは雇用されるのではなく、業務委託契約や自営として自身の名前で仕事をする人のことを指します。
ランサーズ株式会社の調査では、2020年のフリーランス人口が1,062万人であったのに対し2021年時点のフリーランス人口は1,577万人と増加し、コロナ渦をきっかけに注目を集めている働き方です。
出典:ランサーズ、『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』発表
フリーランスにおすすめの職種
フリーランスと一口に言っても様々な職種があります。以下で代表的なものを6つ紹介します。
1 イラストレーター
広告や雑誌などに代表される紙媒体から、web上のサイトやゲームに渡るまでクライアントのニーズに合わせたイラストを制作することが主な仕事内容です。
ジャンルによりイラストを描き分ける力や、イラストソフトを使用するスキルが必要となります。
また得意イラストのジャンルを確立し、企業・個人のどちらをメインターゲットとするかなどを決めることや、SNSで積極的な発信も求められます。
2 エンジニア・プログラマー
エンジニアはクライアントの要望に合わせたシステムの開発を行い、設計段階から運用までを担当します。
プログラマーは、エンジニアの作成した仕様書を元にプログラミングを行うことが業務の内容です。
初心者が学習する方法は、スクールで習得するか自身で書籍などを活用し独学で取得する方法が主流となっています。
デジタル事業やDX化が推進される中、需要が高まっており高収入が見込める職種でもあります。
3 Webライター
WebライターとはWebサイト上に掲載する記事を執筆する人を指します。
各種取材記事やコラム記事、求人記事などWeb上の文章や説明文など範囲は多岐にわたります。
独学でも始めることができますが、各種スクールでプロの添削を受けて学ぶ方法もおすすめです。
Webマーケティングに関する知識があることや、得意分野があるライターはクライアントから重宝される存在となります。
4 Webデザイナー
Webデザイナーの主な業務内容は、Webサイトのデザインやバナー広告などのデザインを担当することです。
Illustrator、Photoshopなどグラフィックソフトや、HTML、CSSなどのスキルの他にクライアントへのヒアリング力も必要とされます。
高品質なテンプレートや企業専属のインハウスデザイナーとフリーランスは需要を奪い合っている状態のため、制作物を通じてクライアントの利益向上につながるSEOなどマーケティングの知見も重要性を増しています。
5 翻訳家
翻訳家は、外国語を日本語に訳す職業を指します。
英語を日本語に翻訳する日英翻訳が代表的ですが、外国語を日本語に翻訳するケースもあります。
雑誌や書籍を対象とした文芸翻訳、ビジネス文書や論文などを翻訳する実務翻訳、映像作品にテロップをつける映像翻訳などのジャンルに分かれており、いずれも理解しやすい文章の作成が求められます。
6 カメラマン
カメラマンは、被写体を目的やシーン別に撮影する仕事です。
広告や出版物用の撮影や、ブライダルなど様々なニーズに合わせた撮影を担当します。
写真撮影のスキルを始め、画像編集ソフトを使いこなすスキルや営業力もあるとフリーランスとして一歩リードすることができるでしょう。
7 動画編集者
動画編集者は、映像や動画素材をテレビ、YouTubeなどクライアントの希望する媒体用に編集・加工する仕事です。
動画編集ソフトを使用するスキルの他、撮影や動画マーケティングの知識などもあると重宝されるでしょう。
フリーランスとして稼ぐためには、多くのクライアントが求めるレベルのスキルを身に着けることが必要となります
フリーランスを始めるためにしたい準備4選
フリーランスとして独立したいとき、どんな準備が必要となるのでしょうか。
生活防衛資金をつくる
フリーランスとして独立したい場合、特に異業種にチャレンジしようと考えている場合は専門スキルを取得するための費用や退職後の生活費を見越して生活設計をしておくと安心です。
筆者の場合、異業種でフリーランスを始めたこともあり約半年分の生活費を貯金してから会社を退職しました。
貯蓄だけではなく、家賃やサブスクの見直しをして固定費を削減しておくこともおすすめです。
ローンやクレジットカードの契約
フリーランスになると社会的信用が低くなるため、各種ローンやクレジットカードの審査が通らない場合が多くなります。
特にクレジットカードは経費の支払いなどで重宝するため、早めに作成しておくと良いでしょう。
保育園・学童などの入所要項の確認
該当するお子さんがいる場合、就業状況により預かってもらえる基準が異なりますので事前に確認が必要となります。
お住まいの地域の自治体により基準が異なるので、事前に問い合わせをして確認しておきましょう。
スキルの取得
会社員は採用後に研修などのスキルを得る機会が用意されていますが、フリーランスは自身が持つスキルの切り売りがメインです。
特に独立したての時期は報酬が低く勉強する時間を確保することが難しい場合も多いので、退職する前にスクールなどを活用し必要となるスキルを習得しておきましょう。
フリーランスを始めるために必要な手続き
フリーランスを始める場合に押さえておきたい手続きを見ていきましょう。
年金・健康保険の切り替え
フリーランスになるとき、原則として年金や健康保険の手続きを自身で行いましょう。
健康保険は退職後、会社から「社会保険資格喪失証明書」などの名目の書類がもらえますので、国民健康保険に加入となります。
年金は、離職票など退職証明となる書類を用意して国民年金に切り替えます。
どちらも身分証などを持参し各自治体の窓口にて手続きを実施する流れです。
開業届と青色申告書の提出
フリーランスを始めるタイミングで、管轄の税務署へ開業届と青色申告書を提出しましょう。
開業届は議場開始後1か月以内を目安に提出することが定められています。
開業届を提出すると、「青色申告特別控除」と呼ばれる所得控除を受けることができる青色申告書を提出することが可能となります。
フリーランスはどうやって仕事を見つける?
フリーランスが仕事を獲得する代表的な方法を以下で紹介します。
・クラウドソーシング
・エージェント
・企業へ営業活動をする
・知人からの紹介
・コミュニティー経由
・SNSや個人ブログからのスカウト
・クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、仕事を探すワーカーと、仕事を依頼したい依頼者をつなげるマッチングサービスのことです。
フリーランスとして仕事を受注した実績が浅い人や、人脈がない場合にも手軽に案件を探すことができます。
初心者向けの求人も多く掲載されているので、自分に合った仕事を探すことができる点もメリットと言えるでしょう。
・エージェント
エージェントと聞くと転職業界などのイメージが強いかもしれませんが、近年はフリーランス向けのエージェントサービスも多くなっています。
フリーランスになると、自ら営業活動をする必要がありますが本業の傍ら条件交渉や請求関係などの作業をしなければならないことを億劫と感じるフリーランスも少なくありません。
そこで上記の業務をエージェントに代行してもらうことで、本業に集中して業務を進めることができます。
・企業へ営業活動をする
企業のHPなどに掲載されている求人に直接応募する方法です。
メリットはワーカーと企業の直接契約となるので手数料分も報酬となることですが、契約トラブルや請求作業の手間、そもそも実績がない内は応募に通りにくいことなどがデメリットとして挙げられます。
・知人からの紹介
フリーランスは、知人や前職などの人脈による紹介で案件を獲得するケースも多く見られます。
信頼がある程度担保されている点や、営業活動に割くリソースを減らすことができる点がメリットとして挙げることができます。
すぐに紹介してもらえるご縁に巡り合えない場合も、落ち込まずに目の前の案件をしっかりとこなし、「この人に仕事を紹介したい」とクライアントに思ってもらえるように行動してみましょう。
職種にもよりますが、初期はクラウドソーシング、知人やコミュニティー経由が仕事を獲得しやすいツールだと言えます。
また実績がないうちこそ、営業用のポートフォリオを作成することや個人ブログで情報発信することが案件獲得へつながるでしょう。
フリーランスの始め方にまつわるQ&A
ここでは本文中で触れることができなかった疑問点を2つ取り上げます。
学生からフリーランスを始めることはできる?
学業と並行して副業でフリーランスを始めることは可能です。
学生という立場に甘んじることなく、一社会人としてのビジネスマナーなどが求められることを意識すると良いでしょう。
副業でフリーランスを始めることはできる?
副業でフリーランスを始めることは可能です。
終業後や休日を利用して案件を進める、本業と両立しながらフリーランスを始めることがおすすめです。
本業がある人がフリーランスを始めることは特別なことではありませんが、コツコツと努力を積み重ね、副業だからと手を抜かずにしっかりと業務に取り組むことでクライアントから信頼を得ることができるでしょう。
さいごに
フリーランスを名乗りたいだけであれば資格や必要な手続きは特にありませんが、きちんと生計を立てていきたいのであればそれ相応の準備が必要となります。
独立する前に必要なスキルや手続きなどの準備を知っておくことで、慌てずにフリーランスを始めることができますよ!