近年、サステナブルな暮らしを意識する人が世界的に増えています。米INSIDER記事によると、“世界でも85%の消費者がサステナビリティ意識した購入の選択を行なっている”とのことです。
今回は、「サステナブルな暮らし」に焦点を当ててよりエコフレンドリーな暮らしを実現するためのアイディアをご紹介します。
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「サステナブルな暮らし」とは?
サステナブルな暮らしのアイディアをご紹介する前に、まず「サステナブルな暮らし」とは具体的にどういった生活のことを指すのかを説明します。
国連によると「サステナブルな暮らし」とは、“私たちのライフスタイルの選択が地球にどれほどの影響を与えるのかを理解し、すべての人が地球に優しくより良い暮らしを送る方法を見つけだすことである”としています。
「サステナブル(Sustainable)」とは、環境への負担を少なくし、将来世代にわたってずっと続けていくことのできる“持続可能”な あり方を意味します。
日本でも多くの人がエコバッグを持ち歩いたりするなど、環境への意識が急速に高まっている背景として、こういった世界的な動きが関係しています。ただ、こういったアクションがどれほど環境に影響があるのか実感しにくいのも事実です。実際、私たちの行動はどれほどの影響力があるのでしょうか?
たとえ小さなものであっても、一人一人が行動を起こすことによって環境にとても大きなインパクトを与えることが分かっています。国連環境計画(UNEP)は、10億人が環境に配慮する行動を起こすことによって、世界の二酸化炭素排出量の20%を削減することができると推定しています。
環境に配慮する行動の内容としては例えば、エコバッグやリユースできる容器の使用、リサイクル、コンポスト(生ゴミなどを有機肥料にする処理方法)といったアクションが挙げられ、一人一人のこのような行動が、環境に大きな変化を起こすことができると指摘しています。
このように、サステナビリティを意識した生活を送ることは重要だということが分かりました。では、日々の暮らしで具体的にどういった行動ができるのでしょうか? 「サステナブルな暮らし」を叶えるためのアイディアをつぎでチェックしてみましょう。
「サステナブルな暮らし」を叶えるためのアイディア
「サステナブルな暮らし」を実現するために、私たちの普段の生活の中で実践できることはたくさんあります。以下いくつかのアイディアをご紹介します。
①新鮮なローカル食材を購入する
ローカル食材は、「地域の食材」を意味します。つまり、日本国内で生産された食材のことで、これらを選択することがサステナビリティにつながります。
なぜなら、輸入品の場合、食材を輸送する段階で環境にとても大きなダメージを与えるからです。
国際連合食糧農業機構(FAO)によると、2019年だけで約5800億トンの温室効果ガスが、製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売までの全体の一連の流れで発生しているとのことです。
もちろん家計のことを考えると輸入品の購入を完全に避けるということは難しいかもしれませんが、スーパーで買い物をするときには、生産地を確認してから購入する、旬の国産野菜を定期的に購入するといった、自分にできそうなところから始めてみると良いかもしれません。
②洋服をリユースする
私たちが普段着ている洋服も環境と大きく関係しています。調査会社ブルームバーグによると、毎年約1130万トンもの衣料品が捨てられているとのことです。これは1秒あたり2,150着にあたるので大変な数であることが分かります。
私たちができることとしては、例えば、洋服で溢れかえったクローゼットを整理し、不用品はリサイクルショップに持って行く、新しい服を購入する場合は、サステナブルな取り組みを行なっっている企業かどうかをリサーチする、そもそもの購入頻度を下げるといった行動が挙げられます。
近年は環境への意識が高まっている理由から、中古品の購入を選択する人が増えてきています。中古品のショップに行くと、驚くほどコンディションの良い洋服や靴、カバンなどたくさんの製品を見つけることができます。ですので、次回は新しいものではなくリユース品を検討するといった行動を起こしてみることもおすすめです。
洋服のリユース先
衣服回収に取り組むアパレルブランド
③プラスチックゴミの排出をできるだけ避ける
プラスチックゴミの排出を抑えることも環境を配慮する上で重要です。英ガーディアン紙の2017年の記事によると、グローバルな環境でマイクロプラスチック汚染が広がっていることを指摘しています。
研究によると、世界中で採取した水道水サンプルの83%がプラスチック繊維によって汚染されていたことが判明しています。今の段階では、WHOは人体に影響はないことを公表していますが、私たちが何気なく使用しているプラスチックによってこういった深刻な問題が起きていることは把握しておく必要があるでしょう。
では、このような問題に対して私たちはどういったアクションをとることができるのでしょうか?日常で簡単に実践できるアイディアとして以下のようなものがあげられます。
プラスチックゴミを出さないために “日常で簡単に実践できるアイディア”
- 外出する際に、自動販売機やコンビニで飲み物を買うのではなく、マイボトル
(水筒など)を利用しペットボトルやストローの使用を控える。 - 買い物のときはエコバッグを持ち歩き、できるだけプラスチックの袋は貰わないようにする。
- スプーンやフォークなどの使い捨てプラスチック製品の使用を控える。
それ以外にも色々あるので、気になる場合はぜひ調べて日々の生活で実践してみてください。
- 外出する際に、自動販売機やコンビニで飲み物を買うのではなく、マイボトル
その他アクションが知りたい方向けに:国連によるアクションガイド
国連が一般の人に向けて掲載している「持続可能な社会のためにナマケモノでもできるアクション・ガイド」というものも存在するので、こちらもぜひ参考にしてみてください。「ソファに寝たままできること」、「家にいてもできること」、「家の外でできること」といった3段階のレベル別に個人でできる行動を紹介しているので、気軽な気持ちで楽しみながらサステナビリティに取り組める内容となっています。以下でいくつかピックアップしたものをご紹介します。
レベル1:「ソファに寝たままできること」
- 電気を節約しよう。電気機器を電源タップに差し込んで、使っていないときは完全に電源を切ろう。もちろんパソコンもね。
- オンライン検索をすると、持続可能で環境にやさしい取り組みをしている企業がみつかるよ。そういう会社の製品を買うようにしよう。
レベル2:「家にいてもできること」
- 短時間のシャワーを利用しよう。ちなみにバスタブ入浴は5〜10分のシャワーに比べて、水が何十リットルも必要になるよ。
- 生鮮品や残り物、食べきれないときは早めに冷凍しよう。翌日までに食べられそうにないテイクアウトやデリバリーもね。そうすれば食べ物もお金も無駄にしなくて済むからね。
レベル3:「家の外でできること」
- 買い物は地元で!地域の貴重を支援すれば、雇用が守られるし、長距離トラックの運転も必要なくなる。
- 詰め替え可能なボトルやコーヒーカップを使おう。無駄がなくなるし、コーヒーショップで値引きしてもらえることも!
上記以外にもたくさん項目があるので、気になる場合はアクションガイドをオンランでもぜひチェックしてみてください。
引用:国連広報センター:「持続可能な社会のためにナマケモノでも
できるアクション・ガイド」
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/
さいごに:むずかしく考えず、小さなことから始めよう
今までの生活を変えることは誰にとっても簡単なことではありません。ただ、
「サステナブルな暮らし」は思っていた以上にとてもシンプルな暮らしだということが分かったかもしれません。大切なのは、小さなアクションを継続させること。まずは肩の力を抜いて、ステップ・バイ・ステップで自分のできるところから気軽に始めてみましょう。
引用:
United Nations – Sustainable lifestyle
https://www.unep.org/explore-topics/resource-efficiency/what-we-do/sustainable-lifestyles
UNEP – 16 ways to take action on climate
https://www.unep.org/news-and-stories/story/16-ways-take-action-climate
INSIDER – a resource for sustainable lifestyle tips and advice
https://www.insider.com/better-me-series-sustainable-lifestyle-health-travel-food-tips-and-advice-2022
United Nations – New FAO analysis reveals carbon footprint of agri-food supply chain
https://news.un.org/en/story/2021/11/1105172#:~:text=Of%20the%2016.5%20billion%20tonnes,according%20to%20the%20new%20analysis.
Bloomberg – The global glut of clothing is an environmental crisis
https://www.bloomberg.com/graphics/2022-fashion-industry-environmental-impact/
The Guardian – Plastic fibers found in tap water around the world, study reveals.
https://www.theguardian.com/environment/2017/sep/06/plastic-fibres-found-tap-water-around-world-study-reveals
WHO – WHO calls for more research into microplastics and a crackdown on plastic pollution
Healthline – 20+ Sustainable Alternatives to Everyday Lifestyle Staples
https://www.healthline.com/health/sustainable-alternatives-to-everyday-lifestyle-staples#takeaway