「ヨガは好きだけど、今さらヨガインストラクターになるのは遅いよね……」
でも「なれたらなぁ……」と、気持ちが行ったり来たりしていませんか?
結論から言います。
ヨガインストラクターになるのに年齢制限はありません。
「制限はなくても、活躍するのは難しいでしょ?」
と思ったあなたにこそ、読んでいただきたい内容です。
世界的に大人気の女性ヨガインストラクターは、101歳まで現役でした。
101歳とまでいかなくても、運動とは無縁の生活から、65歳でスポーツジムに通いはじめ87歳でインストラクターデビューしたという方のエピソードもご紹介。
私自身も諸先輩には程遠いですが、40代後半でヨガインストラクターの資格をとりました。
この記事を読めば、
年齢を気にしてヨガインストラクターになることを躊躇するなんて、もったいないと思うはずです。
この記事は大きく4つの章を立てて書いています。
第1章:資格を取る前に年齢の不安を抱えていた生徒さんの声とその変化を、当OMYOGAのアンケートをもとにご紹介。資格取得後の活躍への不安は、いくつになっても輝いているヨガインストラクターさんの言葉で晴れていくことでしょう。
第2章:年齢を重ねたことを強みにできるメリットを、
第3章:注意点とその対策をしっかり解説。
第4章:具体的な活躍の場所についてご紹介します。
CONTENTS
ヨガインストラクターという生き方に年齢制限はない
ヨガのインストラクター資格の取得に、年齢制限はありません。ヨガは年齢を問わずにチャレンジができるボディーワーク。ご自身の希望や体力に合うカテゴリのヨガを選び、レッスンを受けることが可能です。
でも、実際の現場ではどうなのかは、気になりますよね。
ここでは、資格を取る段階と、資格を取った後についてまとめました。
年齢を重ねてもヨガインストラクター資格は取れる
1-1-1 ヨガインストラクター養成講座参加者の31%が40代以上だった
私たちOMYOGAが運営するヨガインストラクター養成講座のひとつRYT200コースにも、20代前半の学生の方から50代や60代の方まで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。以前は30〜40代の方が中心でしたが、最近では50代の方も増えています。
生徒さんのデータを集計してみたところ、
2020年以降で回答があった192名の世代別の割合は以下の通り。
40代以上の参加者の合計は31%という結果でした。
調査期間:2020年5月
調査対象:OMYOGA 講座受講生 241名
調査方法:メールにて調査
回答件数:192件
全日程終了後に取ったアンケートを見ると、
40代以上の生徒さんから
「年齢を気にしていたが、受けてみたら楽しかった」という意見が多数寄せられていました。
実際の講義の様子を見ていても、
いつの間にか年齢には関係なく信頼関係を築いていらっしゃるケースがほとんどです。
1-1-2 40代後半の私が心配していたことのビフォアアフター
私は40代後半ではじめてのヨガ資格としてRYT200を取得したのですが、説明会では年齢が気になり「40代の方はいらっしゃいますか?」と質問した覚えがあります。
若い子ばかりで馴染めなかったらどうしよう……という心配が一番大きかったのですが、学習内容を覚えられるのだろうか……という不安や、体力的についていけるのかな……という不安もありました。
結局はすべて問題ありませんでした。
馴染めるかどうかについては、たまたま同い年のメンバーがいたことも心強かったですが、ひと回り前後年下のメンバーたちとも、すっかり仲良くなり卒業後も連絡を取り合う仲が続いています。
学習面については、そもそも勉強が苦手だったこともあるのですが、いざやってみると大きな問題はありませんでした。覚えなければならないことはもちろんありますが、テキストを見て丸暗記する項目はそれほどなく、むしろ体を動かし、体感しながら覚えていく内容のほうが多かったように思います。
筆記も実技もテストが数回ありましたが、間違えた場合は再テストを受けられるというシステムだったためか安心感もあり、最後のテストも再テストなしで資格を取得することができました。
体力面についての不安も全く問題なし。普段からヨガのレッスンに通っていたこともあるとは思うのですが、一日のスケジュールは座学と体を動かす時間がバランスよく配分されていたので、むしろ気持ちよくこなすことができました。
申し込みをする時点では少しばかりの勇気が必要でしたが、素晴らしい学びの場を得ることができたのです。資格を取るか迷っていた時期もありましたが、あの時に「今さら……」とあきらめてしまわなくてよかったと感じています。
ちなみに私の場合は、自分にあった養成講座が選べたことも年齢を気にせずにやれた要因の1つだ思います。そういう意味でも、ご自身に合ったスクールや講座を選ぶことは大切なことです。選び方に関しては「ヨガインストラクター養成講座プロ厳選5つ&後悔しないためのチェックシート」も参考にしてみてください。
年齢を重ねても、ヨガインストラクターとして活躍できる
40代以上で活躍しているスタジオインストラクターはこんな人
ヨガスタジオで活躍しているヨガインストラクターさんは、みなさん若く見えることも多いですが40歳以上の方もいます。むしろベテランの先生のクラスのほうが人気があることも。スタジオに通っている方なら「確かに!」と思い当たる先生の顔が浮かぶのではないでしょうか。
生徒さんが求めているのは「ヨガを深めたい、気持ちのいい時間を過ごしたい」というものです。決して若い先生のレッスンを受けたいというものではありません。
当たり前のことですがインストラクターの年齢よりも、指導力の高さや気遣いの方が重要です。つまり何歳であっても実力で勝負できるのが、ヨガインストラクターだと言えるでしょう。
101歳と90歳!生涯現役の大人気女性インストラクターをご紹介
・タオ・ポーチョン・リンチさん
世界最高齢のヨガインストラクターとしてギネス記録に認定されたタオ・ポーチョン・リンチさんは、101歳でその生涯を終えるまで活躍し続けました。
99歳の時にはニューヨークの自宅で、週5日のヨガレッスンを実施。100歳でも逆転のポーズを軽々ととっていたとのこと。
周囲には彼女の人間性に魅せられた教え子たちが集まり、最後まで生きる力と勇気を与え続けてそうです。生前こんな風に語っていたというタオさん。
「100歳になったけれど特に変わったことはありません。恐れもないわ。ヨガの練習はずっと続けるつもりよ。だって人生のダンスだもの!呼吸を通じて根源的なエネルギーを得ていれば、どんなことも可能にできます」
ヨガを通して彼女からいろいろなことを受け取ったであろう生徒さんたちが羨ましいですね。
・瀧島未香さん
日本で最高齢と言われるインストラクターさんは2021年の時点で90歳の瀧島未香さん。体型的にもコンプレックスがあった専業主婦が、運動とは無縁の生活から65歳でジムに通いをはじめ、ヨガだけでなく、水泳やダンスなど様々な運動に挑戦したというから驚きです。
87歳になってフィットネス・インストラクターに就任しました。今では「タキミカ」の愛称で、YouTubeでストレッチなどを取り入れた「タキミカ体操」を配信し活躍されています。
「年齢とはただの数字です!」
と言い切るタキミカさん。
ヨガ専門のインストラクターさんではありませんが、年齢でインストラクターをあきらめるなんてナンセンス!と思わせてくれる存在です。
スタジオ勤務を目指すなら年齢を気にすべきケースもある
前述のようにヨガインストラクターとして生きることに、年齢制限はありません。しかし残念ながら就職活動という部分では、実質的な年齢制限が存在するケースもあります。
ほとんどのヨガインストラクターの求人応募ページには、年齢制限が記載されてはいませんが、若い方を求めているケースもあります。特にハードな動きがあるスポーツジムや、ホットヨガについてはその傾向が強いようです。
調べてみたところ、ホットヨガスタジオCALDOの積極採用年齢は、20〜30代、ホットヨガスタジオLAVAのスタッフは9割が女性で平均年齢は28歳というデータもありました。
特に求人票に採用スタッフの平均年齢が書かれている場合は、それくらいの方に来て欲しいという意図があることもあります。いい人材であれば年齢は問わないというのが基本ではありますが、インストラクターとしての経験がない場合は、年齢で不利になることも理解しておきましょう。
求められる講師の人物像は、募集先で活躍しているインストラクターさんや、お客さんを含めた全体の雰囲気を見るとわかることもあります。
求人情報を見つけたら、そのデータだけでなく、スタジオ等に足を運んでみることも必要です。
年齢を重ねたヨガインストラクターの強み
年齢を重ねることはネガティブなことばかりではありません。
むしろ人生経験があるからこそ生徒さんから慕われたり、共感を得られたりするケースもあります。その結果、よりよいクラスを作ることができることもあるのです。
若い生徒さんの希望の存在になれる
私が通っていたヨガ専用スタジオには60代のヨガインストラクターさんがいらっしゃいました。姿勢も体型も肌もキレイで、実年齢を聞いたときは驚いてしまったほどです。指導は的確で受けると元気になれるレッスンだったので、クラスはいつも多くの生徒で賑わっていました。
時々楽しげにお孫さんの話をされていましたが、それを聞きながら「私もあんな風に歳を重ねたい」と思いました。そしてこのままヨガを続けていれば、そんな未来が待っているんだろうという希望を感じました。
ともすると、年齢を重ねることはネガティブな気持ちになりがちですが、逆にポジティブに変える存在になることができるのです。
これは歳を重ねているからこその魅力です。素敵なローモデルになることができれば、生徒さんのヨガを続けるモチベーションを高めることも可能です。
同年代の生徒さんの共感を得られ、安心感のあるクラスが作れる
共感性の高さもまた、年齢を重ねたインストラクターの大きな強みになります。
年齢に伴う体の不調や生活の悩みは、同年代だからこそ共感できる部分があるからです。加齢に伴う腰や膝の不調は、普段から体を整えているインストラクターであっても多少は感じるもの。
生徒さんの中には、体の不調と折り合いをつけながら緩和のためにレッスンに通っているという方もいるので、気持ちにも寄り添った指導ができることでしょう。
また年齢が高くなれば、親の年齢も高くなり、家庭内で介護などの悩みを抱えている生徒さんもいらっしゃいます。養成講座にやってくる40、50代の生徒さんからは、シニアヨガを学んで家族にも教えてあげたいという声もよく聞かれます。
そのような気持ちも、同年代だからこそわかる部分ではないでしょうか。
生徒さん側からの視点で言えば「自分より若い先生のクラスは少し気が引ける…」という気持ちもあります。特に初心者であれば、クラスへの参加しやすさという点で、同年代の講師が好まれるケースもあるのです。
互いに共感できる部分が多いほど、安心感が生まれるのです。
広く人生経験という視点で捉えれば、様々な体験がすべてのアドバイスとして生きてきます。例えばマタニティヨガなど、子育て経験があれば自身の体験を活かしたレッスンを行うことで、受講者のニーズにより深くコミットした内容を提供することができるはずです。
年齢を重ねたヨガインストラクターが注意すべきは、体力、体調管理
瞑想・哲学・呼吸・思想を組み合わせて体を動かすヨガですが、その運動量は意外と多いものです。
インストラクターとして活動する際は、レッスンの回数・時間帯など体力配分を工夫する必要があり、基礎体力の有無は、指導を続けるうえで大きく影響してきます。
インストラクターさんがいつも疲れた顔をして元気がない様子では、生徒さんも不安になってしまいますし、レッスンも暗くなってしまいます。プロとして元気な姿でいることも仕事のひとつと言えるでしょう。
正社員のヨガインストラクターとしてスタジオ勤務する場合は、8時間ほどのシフト勤務が一般的です。すべてがレッスンの時間というわけではありませんが、1日数本のレッスンを担当をするので、それなりの体力は必要となります。
レッスンの本数や時間についてペース配分ができるフリーランスであっても、収入面を考えると1日2〜4本をこなす人が多く、自宅での指導ではない場合は、移動についても考慮する必要があります。
対策としては、体力づくりのためにヨガだけでなく、ジョギングやランニングで持久力をつけたり、ストレッチをして柔軟性を高めたりすると良いでしょう。
また運動習慣だけでなく、バランスの良い食事や十分な睡眠など健康的な生活を心がけることも大切です。
1章でご紹介したタオさんも99歳の時点で、朝5時に起きて、ヨガだけでなくフィットネスも日課としていたそうです。
さらに日常生活では、呼吸をしっかりと意識することで、病気の予防にもつなげていたといいます。
タオさん曰く「自分の呼吸としっかり繫がっていれば、老いなんて関係ありません。不可能なことなどなくなり、怖いもの知らずになれますよ」とのこと。
呼吸法はヨガでも大切にされていることのひとつです。ヨガインストラクターとして生徒さんへ教えるのはもちろんのこと、自身の健康管理にも取り入れるといいですね。
年齢が高いヨガインストラクターの活躍の場
資格取得後の進路について不安を覚える方も多くいますが、資格取得の講座を受けていくなかで将来の方向性が定まってくる傾向があります。
なかには講座で出会った仲間と一緒に活動したり、これまでの職務経験の介護や医療、保育などを、ヨガと組み合わせることで活躍するケースもあります。
スタジオ勤務については前述のとおり、スタジオが求める年齢と合わないことがありので、そこにこだわらず自分で活躍の場所をつくることを視野に入れましょう。
オンラインレッスン
コロナウィルスの拡大をきっかけに、zoomなどを使ったオンラインレッスンが激増しました。自宅から配信すれば場所代も交通費も移動時間もかからないというメリットもあり、これまでオンラインレッスンを主催していなかったインストラクターさんも参画するようになりました。
オンラインで自らレッスンを作れば、年齢制限がないことはもちろん、ご自身の特性を生かしたレッスンやワークショップを展開することが可能です。
公民館などの公共施設
地域の公民館など公共施設を借りてレッスンを開催するスタイルです。民間のレンタルスタジオと比べ、一般的に借りる代金も安価であることも魅力です。
また、近所の方に声をかけることもできるので、これまで築いてきたコミュニティー内の信頼関係を生かして、集客することも可能となります。
例えばかつてのママ友のコミュニティがあれば、同じく子育てがひと段落してきた時期でもあり、新しい趣味として、または健康維持のためにヨガを勧めてみるのもいいでしょう。
老人ホームや福祉施設、医療機関
近年、老人ホームやデイサービスなどの施設においてヨガレッスンの需要が高まっています。通常のレッスンに比べて運動量は少ないですが、よりわかりやすく安全な指導が求められる分野です。
シニアの方への指導方法は、専門家が監修しているシニアヨガ養成講座などで学ぶことをお勧めします。RYT200など他のヨガについての基本知識をすでに持っている場合は、加えて数時間のシニアヨガ講座を受ければいいでしょう。
また医療機関では、通院または入院している方の、身体と心の両面にアプローチするヨガが必要とされてます。身体については内科や整形外科の疾患にともなうリハビリのためであったり、心についてはストレスや痛みとの向き合い方など精神的なケアも求められます。
精神的なケアに関しては患者さんだけでなく、患者さんのご家族にも提供することもあり、ここでも年齢を重ねていることによる人生経験が役にたつ場面があるはずです。
まとめ
ヨガインストラクターに興味はあるものの、年齢が気になっていたという皆さん。
何かにチャレンジするのに「今さら遅い」なんてことはありません。
思い立ったこの瞬間がタイミング!
あなたの人生で、今日が一番若い日です。
あなたもほんの少しの勇気をもって、新しい一歩を踏み出してみませんか。