英雄のポーズ1・2・3 それぞれのやり方やコツとは?

3種類のバリエーションがある、英雄のポーズ。やったことがあるというかたもいれば、見たことあるかも?聞いたことあるかも?というかたもいるのでは。

3つもあると、どれがどれなのか、それぞれどこに意識を向けるといいのかなど分からなくなってしまうときもありますよね。

今回はそれぞれのポーズを明確にしていきましょう!

これを読めば、レッスンでポーズ名を言われても、どのポーズなのか、なにを意識すればいいのか、迷わずにできちゃうはずですよ。

 

1.英雄のポーズ(ヴィーラバドラアーサナ)とはこんなポーズ

英雄のポーズは1・2・3のポーズがあります。シリーズ化されているものの、体の使い方は異なります。

まずはポーズのとりかたを見ていきましょう。

英雄のポーズ1

1.足幅は約100120cm開きます。

2.左足を90度外側に向け、右足は少し内側に向けましょう。

3.骨盤を90度外側に向けます。

4.吸う息で背筋を伸ばし、吐く息で左膝を90度曲げます。

5.次の吸う息で両手を上げ、余裕があれば視線も指先越し天井を見ていきましょう。

6.3~5呼吸ほどキープしたら、反対側も行ってみましょう。

 

英雄のポーズ2

1.足幅は約100120cm開きます。

2.左足先を90度外側へ向け、右足先は少し内側に入れます。前足のかかとの延長線上に、後ろ足の土踏まずがあるか確認しましょう。

3.吸う息で両手を肩の高さに上げ、吐く息で左膝を90度曲げます。

4.視線は左手指先に向けます。

5.3~5呼吸ほどキープしたら、反対側も行ってみましょう。

 

英雄のポーズ3

1.英雄のポーズ1(左足)から始めます。左足に体重を乗せる意識を持ち、右足をマットから離します。

2.右足はマットと並行になる位置まで持ち上げ、上半身もマットと並行になる位置に下げます。

3.指先と足先で伸びあい、呼吸を止めないようにバランスをキープしましょう。

4.3呼吸キープできたら、右足をマットに戻し、反対側も行います。

 

サンスクリット語では、ヴィーラバドラアーサナと呼ばれることもあります。インストラクターによっては、この呼び方が定着しているかたも多いです。英語ではHeroPoseと言います。立位のポーズのため、レッスン中盤から出てくることが多く、中級以上のクラスでは馴染み深いポーズです。

 

2.英雄のポーズの効果・効能

それぞれの効果・効能をご紹介します。共通しているものもあれば、それぞれのポーズによって異なる効果が期待できるものもあります。参考文献は、いちばんよくわかるYOGAポーズ全集・オムヨガRYT200養成コーステキストです。

下半身強化
姿勢改善
呼吸がしやすくなる
股関節・肩の柔軟性アップ
集中力アップ

2-1.下半身強化

英雄のポーズ1・2・3全てに共通します。

実際にやってみると感じるかと思いますが、とにかく下半身の筋肉を大きく使うポーズが英雄のポーズです。下半身の筋力に自信がないというかたには少し辛いと感じるときもあるかもしれません。

今から鍛えておくことによって、将来つまづきやすくなる、それによってケガを招いてしまうといったことを避けられるかもしれません。

2-2.姿勢が良くなる

英雄のポーズ1・2・3全てに共通します。

どのポーズでも共通して、背筋を伸ばした状態が続きます

背中が丸まっていると見た目が良くないだけでなく、呼吸が浅くなってしまう、バランスがとりにくくなります。日常生活で背筋を伸ばしている時間が短いかもというかたには、とてもオススメなポーズですよ。

2-3.呼吸がしやすくなる

英雄のポーズ1に当てはまります。

下半身は頑張っていますが、上半身は気持ちよく背筋を伸ばし、胸が開いている状態です。

普段猫背姿勢が続いている、パソコンなどのデスクワークが多いかたにとって、ここまで上半身を開くときも少ないでしょう。

呼吸がしやすくなることによって、新しい酸素をたっぷりと体の中に入れることができます。

2-4.股関節や肩まわりの柔軟性アップ

英雄のポーズ1・2に当てはまります。

股関節を正面に向けたり、横に広げる動きをするため、柔軟性アップが期待できるポーズになります。

またどちらも両手を上げる動きをするため、肩まわりの筋肉を刺激します。

多くのかたがどうにかしたいと思っている部位を一気に解消できるポーズとも言えるかもしれませんね。

2-5.集中力アップ

英雄のポーズ3に当てはまります。

片脚でバランスをとるポーズのため、自然と集中力がアップしていきます。

ただ集中しすぎてしまうと、つい呼吸を止めてしまいやすいため、呼吸は継続することを念頭に置きながらポーズをキープしていきましょう。

 

3.英雄のポーズで陥りやすいこと

全身を使うポーズだからこそ、気を付けるポイントが多数出てきます。

これに関しても3ポーズ共通していることもあれば、それぞれ違う点もあります。

一気に習得しようとすると混乱しやすいため、まずはご自身が練習しているポーズから確認してみると良いですよ。

土台が安定しない
上半身が力む
後ろ足の膝が伸びていない
曲げた膝が内側に入る
上体が前に倒れる
足を上げている側の骨盤が開く
呼吸が止まる

 

3-1.土台が安定しない

英雄のポーズ1・2・3全てに共通します。

これらのポーズで土台となるのは足の裏です。

1・2に関しては両足裏、3に関しては肩足裏がマットに根付いているかどうかがポイントの1つとなります。無意識のうちに小指が浮いている、かかとが上がっている状態だと、ポーズ全体が安定せず、完成形をとりにくくなってしまいます。

3-2.上半身が力んでしまう

下半身を使うポーズだとありがちです。

下半身の筋肉を頑張って使っていると、つられて上半身にも力が入ってしまうことがあります。特にヨガを始めたばかりのかたに多く見られる現象です。

肩に力が入っている、険しい表情になっている場合は注意が必要です。

3-3.後ろ足の膝が伸びていない

英雄のポーズ1に当てはまります。

90度に曲げている足にばかり意識が向いてしまい、後ろ足の膝が伸びていないことがあります。足裏全体がマットに付いていないことも原因として挙げられます。

膝が伸びていないだけで、前足への負担が増えます。きついポーズが余計きつくなるので、後ろの膝が伸びているか確認しましょう。

3-4.曲げた膝が内側に入ってしまう

英雄のポーズ2に当てはまります。

90度に曲げている膝が、気が付くと内側に入ってしまうかたがいます。膝とつま先は同じ向きが理想です。ポーズをとったあとに、ご自身で膝の向きを確認してみてください。

3-5.上体が前に倒れる

英雄のポーズ2に当てはまります。

上半身はリラックスした状態で、中央にいる状態が完成形です。

しかしつい上げている腕につられたり、踏み込んでいる足に意識が向いてしまい、上体が前に倒れていることがあります。曲げている膝にさらに負荷がかたってしまいます。

自分で確認できない場合には、周りのかたやインストラクターにチェックをしてもらう方法や、写真を撮って確認してみると良いでしょう。

3-6.足を上げている側の骨盤が開いてしまう

英雄のポーズ3に当てはまります。

このポーズに慣れてきたかたに多く見られます。

本来はマットに対して平行に足を上げられていればOKですが、つい頑張りすぎてしまうと足を上げている側の骨盤が一緒に開いてしまいます。こうなると余計にバランスをキープすることが難しくなります。

骨盤はマットに対して平行が理想です。上げ過ぎていないか確認してみましょう。

3-7.呼吸が止まってしまう

英雄のポーズ3に当てはまります。

呼吸が止まってしまうことはどのポーズでもありがちですが、バランスポーズにもなっている英雄のポーズ3は特に意識する必要があるでしょう。

ヨガは呼吸を続けることが基本になります。バランスポーズだからといて、止まっていることがないように、ご自身の呼吸の様子にも意識を向けてみてくださいね。

 

4.英雄のポーズを完成するためのコツ

それぞれのポーズで陥りやすいことが分かったうえで、それらを解消する方法も見ていきましょう。

これらを意識出来れば、少し難しいと感じていたポーズも完成に近づくはずですよ。

足裏全体をマットに付ける
吐く息でリラックス
足幅を見直す
後ろ足裏に体重を乗せる
膝とつま先の向きを確認
上体・腕の位置を確認
お尻の延長線上に脚が伸びているか
上半身・下半身分けて練習する

4-1.足裏全体をマットに付ける

英雄のポーズ1・2・3全てに当てはまります。

立位のポーズで大切なことは、足裏をマットに付けることです。それだけでポーズの安定感が大きく変化します。

私たちにとって、立っている状態が当たり前すぎて足裏への意識は薄いかもしれません。しかしヨガポーズをとる際には、ここが大きなポイントとなります。

特に小指側やかかとの外側部分は意識が薄くなりがちなため、今一度マットに付いているか確認しながら練習してみましょう。

4-2.吐く息でリラックスする

英雄のポーズ1・2・3全てに当てはまります。

上半身や肩まわりに余計な力が入ってしまうかたは、ぜひ吐く息に集中してみてください。

吐く息は体をリラックスさせてくれる効果が期待できます。特に肩まわりが力んでしまうと、肩こりへと繋がってしまうかもしれません。リラックスすることもポーズをとる上では大切なことです。

4-3.足幅を見直す

英雄のポーズ1・2に当てはまります。

1章にて約100120cmほど足幅を広げるとお伝えしましたが、慣れていない・やってみて辛い・力んでしまうときは足幅を調整しましょう

足幅を狭めることによって、膝の角度は90度より浅くなるかと思います。それはそれでOKです。

練習を繰り返し、足幅を広げられそうになったら90度を目指してください。

反対に、まだ余裕があるけれど膝が90度に踏み込めないかたは、足幅が狭い可能性があります。少し広げて様子を見てみましょう。

4-4.後ろ足裏に意識的に体重を乗せる

英雄のポーズ1に当てはまります。

このポーズでは前足への意識ばかり向いてしまい、後ろ足をついつい忘れてしまいがち

膝を曲げている足にばかり体重が乗ってしまうと、辛いだけでなく膝への負担が大きくなります。後ろ足の小指とかかとに体重を分散するように意識してみてください。きっとポーズをキープすること自体ラクになるはずです。

4-5.膝とつま先の向きを確認する

英雄のポーズ2に当てはまります。

曲げている足の膝が内側に入ってしまう場合には、足の付け根を外側に回し、膝とつま先を同じ方向に向け直しましょう

またこの時、ひざの下にかかとが来ている状態が理想です。ひざのほうが前に出てしまっている場合には、もう少し足幅を広げて練習をしてみてください。

4-6.上体が中心にあるか、両手が肩の高さにあるか確認する

英雄のポーズ2に当てはまります。

上半身、下半身それぞれ違う動きをしているため、意識がどちらかに向きやすいでしょう

特に下半身を頑張って使うとき、上体の状態や手のポジションが後回しになりがち。

上体が前に倒れていないか、両手の高さが揃っているか、力み過ぎていないか、ぜひ確認しながらやってみましょう。1度ポーズを完成させてからチェックしてみると良いですよ。

4-7.お尻の延長線上に足が伸びているか確認する

英雄のポーズ3に当てはまります。

お尻より上げてしまうことによって、骨盤が開いてしまいます。

骨盤はマットに対して平行な状態が理想です。足を上げることがポイントの1つであるポーズですが、上げ過ぎてしまうことも注意が必要です。

練習を重ねていくと、どのくらいの高さがマットと並行なのか、感覚をつかめてきますので安心して練習を繰り返しましょう。

4-8.ポーズを完成するのが難しいときは、まずは下半身だけなど分けて練習する

英雄のポーズ3に当てはまります。

このポーズは難易度が高めのポーズです。最初から一気にできるかたもいれば、なかなかキープできないというかたもいるでしょう。

そんなときは上半身・下半身を分けて練習をしてみることがオススメです。

壁に手を付いて練習すると、転ぶ恐れがないため安心です。上半身をマットに対して平行にすることはやりやすいですが、下半身は自分が思っているより上げないといけないことが多いです。

どちらにしても、一気に完成させようと思わずにゆっくり練習することがオススメですよ。

 

5.こんなかたは英雄のポーズをとるときに注意が必要

英雄のポーズ全てに共通している注意点をお伝えしていきます。とにかく無理は絶対しないことがポイントです。

5-1.足や膝を痛めているかた

この2つを痛めている場合、英雄のポーズを練習しようとはなかなかならないかとは思いますが、やめておきましょう。思っている以上に体重が乗るポーズです

痛くなくなったからすぐ練習再開!というのも気を付けてください。痛い部分や違和感をかばうことによって、他の部位に影響が出る可能性もあります。

5-2.首が痛いかた

無理な首の動きをするわけではないですが、痛みがあるときには無理して正しい方向に視線を向ける必要はありません

例えば英雄のポーズ2だと、伸ばしている指先に視線を向けますが、痛い場合には正面を向いていてもOKです。ただ首まわりはデリケートな場所です。頑張りすぎて悪化させることだけは避けましょう。

 

3つある英雄のポーズ。それぞれについて理解を深めることはできましたでしょうか?

今までなんとなくやっていたことや、無意識だったことも、意識が変わるだけで体も変わります。

立位のポーズがメインのクラスだとよく出てくるポーズです。ぜひ自信をもってポーズをとってみてくださいね。

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