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まずは、サンスクリット語を知ろう
ヨーガの勉強をするとサンスクリット語という言葉に出会うはずです。
サンスクリット語はインドの古代語で、固有の文字が存在しません。
固有の文字とは、例えば日本語の場合は、平仮名、片仮名、漢字で表記されますが、サンスクリット語にそれはありません。
その理由は、もともと口伝のみで使用されていた言葉で、書く必要がなかったからです。
しかし、ある時代からサンスクリット語が文字として現され始めたのです。その文字は沢山あすようです。
現在、サンスクリット語をあらわす文字のうち、日本でよく知られているものは、デーヴァナーガリー文字、梵字といえるでしょう。
インドの神様や物語や言葉が、日本のそれに非常に近くてリンクすることが多い、と感じる日本人は多いはず。その理由は、梵字が日本の仏教用語でよく使用されていて、日本語の中にもなじみある言葉として浸透してるものもあるからです。
日本で唯一の梵和辞典で索引した
さて、話を戻し、ヨーガという言葉の意味を調べるにあたって、半世紀、百名を超える梵語学者の総力を挙げて成った日本で唯一の”梵和大辞典”を使ってみました。
サンスクリット語を知る人のコメントはいつも2分化します。
「文法とかがすごく難しいよ」そして
「ちょっと慣れると簡単だよ。」
あべこべなのですが、コツをつかめばきっとなんとなく読めていくのかもしれません。この梵和大辞典は、どんどん値上がりしていて、現在なんと3万円近くになってます。しかし、本当に充実した辞典です。
Yogaを索引すると、訳が多かった
yogaという言葉を索引すると、そのはじめにこうあります。
“男性名詞”、”語根はYuj”
そして、そのうしろを読み進めてみても、非常に様々な意味合いを持っていることがわかります。
この写真では見れませんが、yoga学派としてのyogaの訳や、サーンキヤ哲学としてのyogaの訳、仏教としてのyogaの訳、yogaと他の言葉がくっついてできた言葉とその訳なども書かれています。
そこには、具格(名詞格の一つ)として『心や体を用いた手段や道具』と、『その行為の結果』がおよそ並べられてます。
Yogaの語根はYuj
語根であるyujという言葉を索引すると、そのはじめにこうあります。
“形容詞””一緒に軛(くびき)でつながれた””吠陀(ヴェーダ)”
ということで、ヨーガの言葉の原子になるものはヴェーダから生じたことがわかります。
ここでいうヴェーダとは、ヴェーダ聖典のことです。
ここでの言葉から考えると、『何かと何かをつなぎあわせること』が想像できます。
簡単に詳しい説明が掲載されている本のご紹介
イラスト作家でありながら、ヨーガの歴史・哲学を網羅されている伊藤武先生が書かれた”図説・ヨーガ大全*”のすぐ始まりに、yogaの説明がとても楽しく、そして詳しくかいてあります。
ここで写真掲載したいところですが、本当に面白くてわかりやすいのでぜひ購入してみることをおすすめします。しかしながら、その中の伊藤先生がまとめた一文だけ引用させてもらいます。
要するに「つないでむすびつけるもの」がヨーガだと思えばよろしい。
何と何を繋いで結ぶ?
さて、ここで何と何を結びつけるのか?という疑問が浮かびます。
ヴェーダ聖典の伝統的な知恵に従うと、”大宇宙と小宇宙の合一”、”ブラフマンとアートマンの合一”がそれにあたります。
こう聞くと壮大に聞こえるかもしれませんが、ヨガの発展の中では、”私の心と体を一つにする”というのも繋いで結ぶことにあたります。
結局、ヨーガの言葉の意味って?
ここまででヨーガの言葉の意味をまとめます。
【Yujという言葉より】
・つないでむすびつけるもの
【Yujから派生した言葉Yogaより】
・つないでむすびつける行為
・それによってもたらされた結果
と思うといいでしょう。