たくさんありすぎて選ぶだけでも迷ってしまうヨガクラス。いろんな名前がついているけどどんなヨガなの?しっかり身体を動かしたい!リラックスしたい、初心者だけど気軽に楽しみたい、自分にあったヨガがきっと見つかるはず。
よく聞く「ハタヨガ」って?
ハタヨガとは、ポーズと呼吸法を中心に行うヨガの総称。今日のヨガの流派のほとんどがこの伝統的なハタヨガのひとつ。ポーズと呼吸法を行うことで、心身を整え、体の潜在的なエネルギーを高めていきます。
ヨガスタジオで行われているハタヨガクラスは、「ヨガのポーズを行う」体を動かしていくクラスを指すのが一般的です。流派に属さない、または特徴づけてられていないヨガクラスを「ハタヨガ」と銘打って開催されていることが多いです。どれかの流派のヨガインストラクターでも、流派のヨガスタイルを前面に出さずにヨガクラスを行う場合にハタヨガと名付けたりもします。
流派などは特にこだわらない、運動量も普通レベルの、いわゆる一般的なヨガをしてみたい、という方にはハタヨガクラスに参加してみるのがオススメです。
ヨガスタジオでよく開催されているクラスのタイプとしては、ハタヨガの他にも下記の2つも挙げられます。
- ヴィンヤサヨガ(フローヨガ):呼吸とポースを連動させて、流れるようにヨガを行うスタイル。フローとも呼ぶ。アシュタンガヨガなどがこれにあたり、太陽礼拝をベースにさまざまなアーサナを組み込んで行われる。
- 陰ヨガ:ひとつのアーサナを呼吸と共に3~5分キープするのが特徴。筋肉をゆるめ腰、背中、骨盤まわりの結合組織に働きかけることで可動域を広げていく。柔軟性を高め、リラックス効果も高い。
ヨガの流派いろいろ
ヨガの流派はたくさんありますが、代表的なハタヨガの流派をいくつかご紹介します。
- アイアンガーヨガ: B.K.S.アイアンガー師が編み出したヨガのメソッド。レベルに合わせたポーズを厳密に丁寧に行う。現在使われているヨーガのプロップスのうちほとんどが、師によって考案された。
- アシュタンガヨガ:スリ・K・パタビ・ジョイス師が編み出したヨガのスタイル。独自の流れにそって、次々と新しいポーズに挑戦していく練習法を特徴とする。師の「99%プラクティス、1%セオリー」の言葉が有名。
- イシュタヨガ:アラン・フィンガー氏によって考案されたニューヨーク生まれのヨガ。イシュタとはサンスクリット語で「個々」の意。個々の体にあったポーズや瞑想、呼吸法の実践に重きをおく。
- クリパルヨガ:スワミ・クリパル師の教えをアムリット・デザイが広めた。体、心、精神の3つのステージに分類し、やさしくアプローチしていくのが特徴。セラピー要素が強く、あるがままの自分に対する意識を深めることを重視する。
- シヴァナンダヨガ:医師でもあるスワミ・シヴァナンダ師が創設したヨガのスタイル。呼吸法から太陽礼拝、12の基本ポーズ、チャンティングをバランスよく行い、心と体を整えていく。あいだに複数回のリラクゼーションが入る。
独自の指導者養成コースを受けた認定ヨガインストラクターが受け持っているヨガクラスがほとんどです。それぞれの特徴や決まったシークエンスを入れたヨガクラスとなっています。流派に忠実なベーシックなもの、バリエーションを加えてあるものなどさまざまですが、基本的にそのヨガスタイルを崩さないよう構成されています。
その流派を探せば世界各地でどこでもヨガクラスを受けることができます。それぞれの流派でインストラクター同士や師弟関係の繋がりが強いのも特徴。また、どれかひとつだけでなく複数のヨガスタイルを習得しているインストラクターやヨギーもいます。それぞれの特徴の足りないところは補って、いいとこ取りの自分だけのヨガを楽しむことも可能です。
まだまだあります。現代的なヨガや休息系のヨガ
伝統的なヨガをベースにしながらも、プラスアルファの効果や楽しみが得られるヨガスタイルも次々と生まれ定着しています。ストレスフルな現代人には休息に特化したヨガも人気です。
現代的なヨガ
- ホットヨガ:室温や湿度を高めた締め切った室内で行う。一般に室温30〜40度、湿度55〜65%程度とされる。温かい環境だと筋肉がほぐれやすく、発汗作用によってデトックス効果も高い。血液循環をよくするので血行改善にも役立つ。
- パワーヨガ:アシュタンガヨガがベースのアメリカ発祥のヨガのスタイル。呼吸とポーズを連動させながら動き続けるため、運動量が多く、エクササイズ的な要素も高い。集中力の強化やストレス解消にもつながる。世界的なヨガブームの起爆剤となった。
- エアリアルヨガ:天井から吊るした布に、少しづつ体を預けながらヨガのポーズを取り入れていく。身体の歪みを矯正する効果と無駄な力が抜けリラックスする効果がある。
- SUPヨガ:SUP(サップ)とは、Stand Up Paddle board(スタンドアップパドルボード)の略称。SUPの上で、水の上に浮かんで行うヨガ。体幹を意識し、身体の内側を鍛えることができる。
休息系のヨガ
- リストラティブヨガ:アメリカの医学博士ジュディー・レスター氏が考案。ブロックやボルスターなどプロップスで姿勢をサポートしながら、ポーズを長時間キープするのが特徴。脳と神経を休め、緊張の緩和、活力の回復へと導く。
- ヨガニードラ:眠りのヨガ。仰向けのシャヴァーサナをとりながら、誘導に従って瞑想状態に入っていく。眠っているように見えるが、通常の睡眠状態より深いリラックス状態を引き出せる効果がある。
- グラビティヨガ:日本発祥のヨガスタイル。胸を大きくひらき、深く呼吸をする事での満たされた感覚を体感していく。「アングルドボルスター」を使用。
こんなヨガの楽しみ方も!
ヨガスタジオとは違う場所で、もっと気軽にできるヨガもたくさんあります。普段はヨガに馴染みのないお友達とも一緒に楽しめるのもうれしいですね。
- カフェヨガ:ヨガができるカフェが増えています。身近なカフェがヨガ空間に。ヘルシーなドリンクやフード付きで気軽に楽しめます。和菓子をいだだけるカフェも!健康志向にうれしいことばかりで一日中カフェで過ごしてしまいそう。
- 自然ヨガ:海の目の前や緑いっぱいの公園、海や湖でのSUPヨガ、など自然のなかで行うヨガは開放感いっぱい。野外でのヨガクラスは短めの時間で設定されていて初心者向けのポーズ中心なことも多いので、ヨガビギナーにもおすすめです。
- 宿ヨガ:宿泊プランやホテルのアクティビティでヨガが楽しめます。ホテルならではの贅沢な空間でのヨガや宿の特徴を生かした個性的なプランも。おやすみ前のリラックスヨガやモーニングヨガは施設内なら移動もいらず、旅先でも心地よい時間が過ごせます。
- ビールヨガ:ビール大国ドイツ発と言われるビールを飲みながら行うヨガ。ヨガもここまできたかという感じですが、ビール好きには幸福感とリラックスが得られるはず。ビール瓶を持ち上げてとるポーズはインスタ映えも期待できます。
- ナイトヨガ:夜の暗さを利用したリラックスヨガやキャンドルの灯りを楽しむことができます。静かな時間のイメージが強いナイトヨガですが、スタジアムで大規模に開催されている盛り上がれるイベントもあります。お仕事のあとに楽しめるのも魅力。
「ヨガリトリート」ってどんなもの?
ヨガスタジオやヨガ講師が「ヨガリトリート」を開催しているのを耳にしたことはありませんか?
「リトリート」とは「隠れ家」「隠遁」という意味ですが、日常から離れて心身をリセットする合宿のような意味で使われています。日本では、「転地療法」という言葉も近いかもしれません。
何かテーマに沿った合宿形式のものが多く企画されています。自然のなかでの瞑想や断食、アーユルヴェーダのトリートメント体験。ヨガのアシュラムを訪れてヨガの真髄に触れたり、聖地を訪ねるものもあります。どれも丁寧に時間をかけることで、よりテーマを深く知りたい、体験したい人におすすめです。日常生活のリフレッシュにもなります。
旅行ツアーのようにグループで開催されることが多いので、参加者との出会いも楽しみといえます。主催者や講師と過ごす時間も長く、得られるものもたくさんあるはず。各地から同じ目的で集まった仲間はきっと刺激しあえる関係となることでしょう。
これだけたくさんのヨガスタイルや楽しみ方があると、いろいろ試してみたくなりますね。その中から自分に合うものをひとつ決めて極めるもよし、海外などの旅先でグルメを楽しむようにヨガを楽しむのもよし。とらわれることなく自由で充実したヨガライフを楽しんでくださいね。