「ヨガの哲学ってどんなもの?」
「ヨガの哲学を学ぶと何を得られるの?」
ヨガに魅了されヨガのことをもっと知りたいという人の中には、ヨガの哲学を深く学びたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
ただ、ヨガの哲学はヨガに精通している人以外には馴染みが薄いため、ヨガの哲学について具体的なイメージが湧かない人も多いでしょう。
最初に知っておくべきなのは、ヨガにおける哲学は、「ヨガを構成する要素のひとつ」だということです。次のヨガを構成する要素のイメージ図を、ご覧ください。
OMYOGAではヨガの概念を、独自でこの5つの要素に分解して捉えています。
ヨガを深く知るためには5つの要素、をそれぞれ理解して総合的に習得しなければなりません。
つまり、ヨガの真髄にたどり着くためには、ヨガ哲学の習得が不可欠です。
ヨガの哲学は、古代インドの経典「ヴェーダ」が元になっています。古代インドではヴェーダ聖典を中心にさまざまな思想や修行が発達し、ヨーガ学派はその一つです。
ヨーガ学派の教えは経典「ヨーガ・スートラ」であるため、ヨガの哲学を学ぶには「ヨーガ・スートラ」を理解することがおすすめです。
「ヨーガ・スートラ」によればヨガ哲学の基礎は「八支則」で成り立っています。その中にはアーサナやプラーナヤーマなど身体的な要素も含まれていて、知識だけでなく身体の動きも絡めた心身の総合的な哲学だということが分かります。
ヨガにおける哲学を学ぶことは、単なる知識の習得ではありません。ヨガ哲学の根源や目的、目指すゴール、学び方を把握し、ほかの要素と絡めながら、総合的に理解していくことが必要になります。
そこでこの記事では次のポイントについて、初心者でも分かりやすく解説していきます。
▼この記事のポイント
◎ヨガの哲学とは ◎ヨガ哲学の基本「八支則」について ◎ヨガ哲学を学ぶ方法 |
この記事を最後までお読みになれば、ヨガの哲学とは何かを理解し、学び方を知ってすぐに実践することができるでしょう。
あなたがヨガの哲学を習得し、ヨガの最終段階「悟り」を目指す最初の一歩として、この記事がお役に立てることを願っています。
CONTENTS
ヨガの哲学とは「ヨガそのものの考え方」のこと
冒頭でもお話した通り、ヨガの哲学はヨガを構成する5つの要素のうちの1つで、簡単に言えばヨガの考え方の部分を担っています。次の表をご覧ください。
ヨガを構成する要素 | 役割 |
思想 | 自由でいつづけること |
呼吸 | バランスをみること |
アーサナ | 身体を動かすこと |
瞑想 | 自分と向き合い止まること |
哲学 | 幅広く考えを巡らせること |
「5つの要素」はそれぞれに役割があります。「5つの要素」は互いに補完しあっているので、1つの要素だけを理解してもヨガを習得したことにはなりません。
そのため、ヨガの哲学を学ぶことは、アーサナや呼吸を学ぶことと同じくらい重要です。ヨガを深く知り、自分の中に取り込むために、不可欠といえるでしょう。
とは言え、ヨガの哲学は、まだヨガを始めたばかりの人には馴染みが薄く、理解しがたいと思います。
ヨガ哲学のイメージが曖昧なまま、最初から難しい本を読み始めてしまうと、正しい理解ができないばかりか、挫折してしまう恐れもあります。
そこで、まずはヨガ哲学の概要をイメージするために次の3点について分かりやすく説明していきます。
ヨガ哲学の全体像をイメージするのに、ぜひ役立ててください。
ヨーガ学派の経典「ヨーガスートラ」
ヨガ哲学の全体をイメージするためには、まずヨガ哲学に関する経典についてみていきましょう。
ヨーガ学派の経典「ヨーガ・スートラ」についてまとめた次の表をご覧ください。
経典「ヨーガ・スートラ」の詳細 | |
成立時期 | 4〜5世紀ごろ |
編纂者 | パタンジャリ |
流派 | ヨーガ学派 |
ヨガの種類 | ラージャ・ヨガ(王のヨガ |
主な考え方 | 八支則 |
「ヨーガ・スートラ」とは、6つの学派があるインド哲学の一つ「ヨーガ学派」の経典です。
インド哲学とは古代インドで発達した哲学の総称で、次の6学派が含まれます。
・ミーマーンサー学派 ・ヴェーダーンタ学派 ・サーンキヤ学派 ・ヨーガ学派 ・ニヤーヤ学派 ・ヴァイシェーシカ学派 |
※ヨガの哲学を学ぶには、ヨーガ学派の経典「ヨーガ・スートラ」を習得する事が大切です。
「ヨーガ・スートラ」の主な教えは「八支則」と呼ばれています。 |
ヨガ哲学の目的は「自分を見つめること」
ヨガ哲学の目的は、自分の心に振り回される心の作用を止め、自分を見つめることです。
具体的には、先ほどお話した「ヨーガ・スートラ」に次のように記載されています。
・ヨーガとは、心の作用を止滅させることである(「ヨーガ・スートラ」1章2節) ・そのとき、見る者は自己の本来に安住する(「ヨーガ・スートラ」1章3節) |
「心の作用を止滅させる」というのは、怒りや迷い、悲しみ、不安などの一時的な心に振り回されている状態からそうではない状態になることです。
ヨガでは心の働きを停止させ、プラスの感情もマイナスの感情に振り回されていない状態を目指していきます。また、「見る者」とは自分のことです。ヨガで心の作用を止滅させた先に、本来の自分を見つめることができると言う意味になります。
心の作用を止めて出会う「本当の自分」とは? |
ヨガ哲学の目的「本当の自分に出会うこと」について、「意味がよく分からない」と感じる人も多いのではないでしょうか。 (不安)もう結婚できないかもしれない 婚約破棄をされた方は、上記のような感情が、渦巻いていることでしょう。 ・◯歳までに結婚するのが幸せ など、自分で決めた固定概念に縛られているために、そこから外れたことで苦しみが生まれている状態なのです。 この「何も足さなくても穏やかで幸せでいられる状態」を「自分=プルシャ」と言います。 |
「サマーディ=三昧」
サマーディを日本語に訳すると、「三昧」などと訳せます。
サマーディについてもう少し詳しくお話しすると、サマーディとは「自我意識が消滅して雑念が一切ない状態」を指します。
理解しておかなければならないのが、サマーディの集中状態とは単に意識が集中されているということではなく、もっと深い状態です。もう少し分かりやすくお伝えするために、例をあげて説明しましょう。
(例)花に意識を集中させ瞑想する
初期の瞑想段階 | 「私は花を見ている」という認識 (瞑想していても次のような雑念が残っている状態) |
サマーディ | 「私」が取り払われ、心の中が花のイメージだけで覆い尽くされる |
サマーディの状態になると、煩悩や執着心を手放して本来の自分と出会い、苦しみから解き放たれることができます。表の中でも説明しているような、初期の瞑想段階にある雑念は完全になくなっている状態です。
サマーディに到達するためには、次の章で説明する「八支則」を段階を踏んで実践していく必要があります。
サマーディとは、一回到達したら終わりではありません。 「ヨガ=修行」と呼ばれているように、ある種のサマーディに到達することで、完全に煩悩や執着心から解放されることができるようになります。 私たちは、繰り返し自分と向き合い、執着心を手放すことで、本当の自分と出会えるのです。 |
ヨガ哲学の基本的な考え方である「八支則」
ヨーガ学派におけるヨガ哲学を学ぶためには、ヨーガ学派の中心的な考え方「八支則(はっしそく)」について理解する必要があります。
「八支則」とは、ヨーガ学派の経典「ヨーガ・スートラ」にある、8つの教えです。8つの教えはさらに三段階に分けられます。次の表をご覧ください。
段階 | 教え | 内容 |
一段階 (ヨガを行う上での心得) | ①ヤマ | やってはいけない5つの戒め |
②ニヤマ | やるべき5つの教え | |
二段階 (マット上での動き) | ③アーサナ | ヨガのポーズ、座法 |
④プラーナヤーマ | 呼吸法 | |
三段階 (ヨガを行うことによる心の動き) | ⑤プラティヤハーラ | 感覚の抑制 |
⑥ダーラナ | 瞑想1段階目 | |
⑦ディアーナ | 瞑想2段階目 | |
⑧サマーディ | 瞑想3段階目(三昧) |
このように、八支則にある8つの教えを順番に行うことで、自身の心をコントロールすることができるようになります。
八支則を3つの段階別に詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
【一段階/ヨガを行う上での心得】①ヤマ②ニヤマ
八支則の一段階は、ヨガを行う上での心得です。この一段階はヨガを行う上での前段階であり、ここを習得していないとヨガを行う資格を得られません。
一段階は八支則でいう、①ヤマと、②ニヤマです。
段階 | 教え | 内容 |
一段階 (ヨガを行う上での心得) | ①ヤマ | やってはいけない5つの戒め |
②ニヤマ | やるべき5つの教え |
ヤマとニヤマにはそれぞれさらに5つの教えがありますので、詳しく説明していきましょう。
ヤマ
ヤマは、ヨガ哲学の中で最初に学ぶべき内容で、他人や物に対してやってはいけない5つの戒めのことです。
具体的には次の5つになります。
意味 | 具体的な実践 | |
①アヒムサー(非暴力) | 他人や自分、動物、植物などに対して暴力を振るわない ※暴力とは物質的なものだけでなく、相手を傷つけるような言葉も含む | ・自分自身に対して労わりのない言葉を心の中で言い続ける ・人の心を傷つけるような話をする |
②サティヤ(誠実) | 嘘をつかない | 目の前で起きている事実を歪めずにみる |
③アスティヤ(不盗) | 盗んではいけない | 「盗む」というのは、物質的なものだけではない。誰かを犠牲にすること、誰かに迷惑をかけることで得た利益なども含まれる |
④ブラフマチャリヤ(禁欲) | 欲望に対して自分のエネルギーを浪費してはいけない | 伝統的には「SEXを全く行わない」という事 |
⑤アパリグラハ(不貪・無所有) | 物を所有しすぎない | 生活に必要最低限の物だけを持ち、それ以外は所有しない |
ニヤマ
ニヤマは、ヨガ哲学でやるべき5つの教えのことです。
ニヤマはヨガ哲学を学ぶ上で、先ほどお伝えしたヤマの教えと併せて、習得する必要があります。
意味 | 具体的な実践 | |
①シャウチャ(清浄) | 心身を清らかな状態に保つ | 掃除や洗濯を小まめに行い身の回りを清潔に保つことや、頭の中にある考え事をクリアにしておく習慣をつける |
②サントーシャ(知足) | 足るを知る | ないものねだりや執着をやめて「今の自分」を見つめる。今持っているもので十分に足りていることを認識し、それ以上に求めない |
③タパス(苦行) | 目標のために自分との約束を守り、行いをする | 断食や徹夜などのように心身を痛めつける苦しい修行を行うのではなく、あくまでも「自分との約束を守る」という点がポイント。 (例) ◎「ダイエットをしたい」という目標がある場合 【NG=暴力】 1日りんごしか食べてはいけないなど、極端なカロリー制限をして身体を苦しめる 【OK=タパス】 ご飯をおかわりするのを自制する、ケーキを我慢するなど、生体に必要なカロリーを取りながら余計な誘惑に応じない習慣をつける |
④スヴァディアーヤ(学習、読誦) | 教本をよみあげること (お経をよむのと同じ) | 興味がある本を読むだけではなく、何度も読んで理解し納得する。ただ、単に知識だけを詰め込むことではなく、学んだことを理解して実践し自分のものにする |
⑤イーシュヴァラ・プラニダーナ(信仰) | ・自在神→すべてのものにやどる神 ・プラニダーナ→理解し委ねること イーシュヴァラ・プラニダーナは、ヨガの最終段階「サマーディ」に近づく第一歩を指す | イーシュヴァラ・プラニダーナとは、神が宿る偉大なる自然界すべてを信頼し信仰すること |
【二段階/マット上での動き】③アーサナ④プラーナヤーマ
八支則の二段階はヨガを行うマット上での動きで、ヨガの中でも身体面からのアプローチを担う段階です。
私たちが一般的に「ヨガ」からイメージするのはこの二段階の部分でしょう。
八支則で言うと、③アーサナ④プラーナヤーマになります。
段階 | 教え | 内容 |
二段階 (マット上での動き | ③アーサナ | ヨガのポーズ、座法 |
④プラーナヤーマ | 呼吸法 |
アーサナ、プラーナヤーマそれぞれの教えについて詳しく説明していきます。
アーサナ
アーサナとは、ヨガのポーズのことです。
日本語ではアーサナ=座法と訳されるのは、ヨガが始まった頃は座って行うポーズしかなかったからだとされています。
経典「ヨーガ・スートラ」に、アーサナは快適で安定したものでなければならないと書かれています。
アーサナは座ることを指しているで、無理に難易度の高いアクロバティックなポーズに挑戦することはありません。
プラーナヤーマ
プラーナーヤーマは呼吸法のことを言います。
プラーナは息、アーヤーマはエネルギーをコントロールするという意味なので、呼吸によってエネルギーを取り込みコントロールすることを目的にしています。
プラーナヤーマは、時間をかけて息を吸う・止める・吐くを繰り返していきます。リラックスして無理なく行うことがポイントで、熟練者でも完璧に行うのは難しいため、自分のペースで徐々にマスターしていきましょう。
プラーナヤーマを行うことで、身体はもちろん、心もコントロールされていきます。息を吸うことで交感神経を刺激し、吐くことで副交感神経が刺激されるため、心の安定を司る神経のバランスが整っていくためです。
【三段階/ヨガを行うことによる心の動き】
⑤プラティヤハーラ⑥ダーラナ⑦ディアーナ⑧サマーディ
八支則の三段階は、ヨガを行うことによる心の動きのことを言います。
段階 | 教え | 内容 |
三段階 (ヨガを行うことによる心の動き) | ⑤プラティヤハーラ | 感覚の抑制 |
⑥ダーラナ | 瞑想1段階目 | |
⑦ディアーナ | 瞑想2段階目 | |
⑧サマーディ | 瞑想3段階目(三昧) |
三段階目は、八支則でいう⑤プラティヤハーラ⑥ダーラナ⑦ディアーナ⑧サマーディに当たり、ヨガの最終段階であるサマーディを目指すための精神的な部分になります。
特に「⑥ダーラナ⑦ディアーナ⑧サマーディ」はサンヤマとも言われ、ヨガの八支則において最も難関で極めるべき部分です。
それぞれの教えについて詳しく説明していきますね。
プラティヤハーラ
外側から入る情報によってでてくる心をコントロールして、自分の内側に集中することを言います。もう少し詳しく言うと、次のような、「五感から入る情報」をシャットアウトします。
プラティヤハーラで遮断すべき外側の情報(例)
・視覚(目の前の景色) ・聴覚(うるさい音) ・嗅覚(料理の匂い) ・味覚(いつか食べた甘いケーキの味) ・触覚(ふわふわで気持ちの良い毛布) |
プラティヤハーラを行うことで、精神を疲弊させる五感の刺激から解放され、自分と向き合う準備ができるようになります。
ダーラナ
集中して精神統一をするという意味です。
ダーラナは瞑想の前段階です。ダーラナを行い深まっていくと、自然と次のディアーナに進み、ひいてはヨガのゴールである「サマーディ」にもたどり着けることになります。
ダーラナを行うポイントは、今考えるべきではない雑念を意識しないようにすることです。ヨガ上でのダーラナであれば、自身の呼吸だったり身体の感覚など、一点に集中を注ぎます。
ディアーナ
一点の集中が途切れなく行われている状態のことです。
先ほどの「ダーラナ」で自分の内側の雑念が取り払われている状態をつくり出してからディアーナを行います。
ディアーナは、ダーラナが深まると自然と訪れます。集中する対象に対し、絶え間なくあなたの集中の糸を注ぎ続けるイメージです。
サマーディ
サマーディは解脱や三昧という意味で、八支則の最終段階です。
サマーディは、常に外的な刺激と自分の心に振り回されていない静かな状態のことを指します。
「1-3『サマーディ=三昧』」説明した通り、執着心や煩悩から解き放たれてありのままの自分と向きあえている状態のことです。
瞑想の状態はまだ「瞑想している」という自分の存在がありますが、サマーディに陥ると自分という存在はなく、ただ集中する対象物一点だけで精神が覆い尽くされている状態になります。
サマーディの状態では、「対象物に集中している自分」や「もしかしてサマーディしているかも?と考える自分」がいることはあり得ないのです。
そして、サマーディは一度到達したからと言って終わりではありません。何度も八支則を繰り返すことでサマーディに到達することができます。
ヨガ哲学をより深く学ぶためには経典を理解しよう
ここまでヨガ哲学の基本的な考え方について説明してきましたが、ヨガ哲学をさらに深く学ぶためには、経典を理解することが必要です。
ヨガ哲学の理解のためにぜひ読んでいただきたいおすすめの経典は、次の4つです。
①ヨーガ・スートラ ②バガヴァッド・ギーター ③ヴェーダ聖典 ④プラディーピカー |
それぞれの特徴や読むべきポイントについて、書籍と共に説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
ヨガ全体の勉強について興味がある方は、下記の記事もぜひご参考ください。 ヨガの勉強は何を学ぶ?内容や方法を解説【目指せる資格一覧付】 |
ヨーガ・スートラ
出典:楽天市場
書籍名 | ヨーガ・スートラ パタンジャリ哲学の精髄 原点・全訳・注釈付き |
出版社・著者 | ヴィディヤーランカール・アニル著、東方出版 |
価格 | 3,300円(税込) |
※2023年1月現在の価格です。
前にもお伝えしている通り、「ヨーガ・スートラ」はヨーガ学派の原点の経典で、ヨガを始める時はまず最初に読んでいただきたい一冊です。
「ヨーガ・スートラ」は、ヨガの考え方や実践方法など、ヨガを行う上で必要になる内容が網羅的に記載されています。
現在ではさまざまな流派があるヨガですが、すべてのヨガの基盤はこの「ヨーガ・スートラ」からきています。ヨーガ・スートラを元に行われるのが「ラージャ・ヨガ(王のヨガ)」になります。
バカヴァッドギーター
出典:amazon
書籍名 | バガヴァッド・ギーター |
出版社・著者 | 上村勝彦訳・岩波文庫 |
価格 | 792円(税込) |
※2023年1月現在の価格です。
バガヴァッド・ギーターは、ヒンドゥー教の聖典です。古代インドの叙事詩「マハー・バーラタ」の一部で、全18章の詩編になります。
バガヴァッド・ギーターを経典にしたのが、四大ヨガの一つ「カルマヨガ」です。
そのため、カルマヨガを学ぼうとする人や、ヨガ発祥の地に根付くヒンドゥー教の教えを学びたい人におすすめです。
本書の内容は、戦場を舞台にした主人公の物語で、神との問答形式です。
戦うことの意味や、人として成すべきことな何かをヨーガの教えから説いていきます。道徳的な要素が強く、インドではヒンドゥー教のための道徳書として扱われています。
ヴェーダ聖典
出典:amazon
書籍名 | ヴェーダの思想 |
出版社・著者 | 中村元選集・春秋社 |
価格 | 6,600円(税込) |
※2023年1月現在の価格です。
ヴェーダ聖典はインド最古の聖典と言われ、インド哲学の思想はヴェーダ聖典から始まりました。同書では、ヴェーダ聖典に見られる多種多様な神々、人間への考え方の考察、哲学思想などを概観しています。
インド思想の原点が学べるため、ヨガ哲学はもちろん、インド哲学全般の考え方を知りたいという人におすすめです。
ハタ・ヨーガ・プラディーピカー
出典:amazon
書籍名 | ハタ・ヨーガ・プラディーピカー |
出版社・著者 | 成瀬貴良訳・YOGABOOKS |
価格 | 2,530円(税込) |
※2023年1月現在の価格です。
「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」とは、ヨーガの一流派であるハタ・ヨーガの経典です。ハタ・ヨーガは身体の動きに重きを置いているヨガで、現代のヨガの元になっています。
そのため、ハタヨガに取り組みたい人は「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」を一度読んでおくことをおすすめします。
「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」は15世紀〜16世紀頃にスヴァートマーラーマによって編纂された書書籍で、全4章で構成されています。
ヨガの哲学を日常生活で実践するには養成スクールがおすすめ
先ほどヨガの哲学を深く学ぶための本についておすすめの4冊をご紹介しましたが、本を読んだだけでは単に知識を得たにすぎず、ヨガ哲学を実践できる段階には至りません。
ヨガ哲学を実践するためには、養成スクールに通い経験豊富な先生から学ぶ必要があります。
そもそもヨガは古代インドで発祥した時からずっと、師から弟子へ引き継がれてきたものです。経典「ヨーガ・スートラ」にもヨーガは師なしでは取得できないものだと説明されています。
また、【2.ヨガ哲学の基本的な考え方は「八支則」】でもお伝えした通り、ヨガ哲学の基礎は八支則で成り立っていて、その中にはアーサナやプラーナヤーマなど身体的な要素も含まれています。ヨガ哲学は一般的な哲学とは異なり、知識だけでなく身体の動きも絡めた心身の総合的な哲学なのです。
このような理由から、ヨガ哲学の知識面だけを見れば独学が絶対に不可能という訳ではありませんが、独学は次の2つのリスクを伴うことを覚えておきましょう。
①解釈が独りよがりになってしまい正しい理解ができない ②アーサナやプラーナヤーマなど身体的な要素を正しく覚えられない |
このため、ヨガ哲学を正しく深く理解して自分のものにしたいと考えるのであれば、ヨガ養成スクールに通うことが一番の近道だと言えるのです。
ヨガ哲学を学ぶならヨガインストラクター養成専門の「OMYOGA」へ |
OMYOGA」は、ヨガがある人生を広げることをビジョンに掲げています。 私たちが描く「ヨガのある人生」とは、 ①ここでしか受けられない中立理論 ②国内で唯一、エビデンスベースのテキストを使用 ③難関を通り抜けた講師陣 ④卒業後のサポートが充実 |
まとめ
いかがでしたか?ヨガの哲学とはどのようなもので、何を参考に学んだら良いのかを説明してきました。
最後にこの記事をまとめましょう。
◎ヨガの哲学とは「ヨガそのものの考え方」のこと
◎ヨガ哲学の基本的な考え方は「八支則」
段階 | 教え | 内容 |
一段階 (ヨガを行う上での心得) | ①ヤマ | やってはいけない5つの戒め |
②ニヤマ | やるべき5つの教え | |
二段階 (マット上での動き) | ③アーサナ | ヨガのポーズ、座法 |
④プラーナヤーマ | 呼吸法 | |
三段階 (ヨガを行うことによる心の動き) | ⑤プラティヤハーラ | 感覚の抑制 |
⑥ダーラナ | 瞑想1段階目 | |
⑦ディアーナ | 瞑想2段階目 | |
⑧サマーディ | 瞑想3段階目(三昧) |
◎ヨガ哲学をより深く学ぶための四大経典
①ヨーガ・スートラ ②ハヴァガットギーター ③ヴェーダ聖典 ④ハタ・ヨーガ・プラディピカー |
以上になります。
ヨガの哲学は奥深く、ヨガを始めたばかりの人にとって簡単に理解できるものではありません。
ですが、難解だからこそ、学んでいくにつれヨガに対する考え方が深まり、自分の人生そのものが豊かになっていくのを感じることができるでしょう。
あなたがヨガの哲学を学び、ヨガの考え方を日々の暮らしに取り込める日が来ることを願っています。