
「環境のために何かしたい」と思って行動を始めたのに、気づけば息苦しさやプレッシャーを感じてしまう──そんな経験はありませんか?
サスティナブル、エコ、ゼロウェイスト、リジェネラティブ。
私たちの暮らしの中で耳にする言葉は増えましたが、その言葉に縛られて「できていない自分」を責めてしまう人も少なくありません。
けれど大切なのは、難しい概念や完璧な実践ではなく、「自分の大切な人が生きる未来の地球のために、今どんな選択をするか」というシンプルな問いです。
CONTENTS
すべての人が「気になった瞬間」から環境活動家
環境に関心を持っている人は、程度の差こそあれ、すでに環境活動家だと私は思っています。
大切なのは「肩書き」ではなく、「気になるから行動する」という気持ちです。
例えば、買い物をするときに「これ、本当に必要かな?」と一瞬考えるだけでも十分。
プラスチック製品を一つ減らすだけでも、未来の環境には小さな変化が生まれます。
発明のはじまりは「善意」だった
ここで少し歴史を振り返ってみます。
いま環境問題の原因とされている多くの発明は、当初「人を助ける」目的で生まれました。
プラスチックは、象牙やべっ甲を守るための代替素材として誕生しました。野生動物を乱獲せずに済む画期的な素材だったのです。
化学肥料や農薬は、飢餓に苦しむ人々を救う“奇跡の発明”と呼ばれました。食料の安定供給に大きく貢献しました。
化石燃料は、産業革命を支え、労働環境を改善し、人々の暮らしを大きく前進させました。
原子力は、戦後「平和利用」として、未来のクリーンエネルギーと期待されていました。
どの発明も、最初から「地球を壊す」ために生まれたわけではありません。
想定外だった「副作用」
しかし、時間が経つにつれ、当時は見えなかった影響が少しずつ明らかになりました。
プラスチックは分解に数百年かかり、今ではマイクロプラスチックが海や大気を汚しています。
化石燃料は、豊かさを生んだ一方で、温暖化の大きな原因となりました。
農薬や化学肥料は、生態系や水質を破壊し、土の健康を奪っています。
原子力は、事故や放射性廃棄物の問題を抱え続けています。
こうした「影の部分」を誰もが正確に予測できたわけではありません。
だからこそ、一方的に「悪」と決めつけることはできないのだと思います。
大切なのは、それらを排除することではなく、どうすればより良く付き合えるかを考えること。
便利さや経済成長を優先しすぎて、リスクを軽視せずできることをやっていく。
私はそう感じています。
未来をつくる想像力
私たちが学ぶべきなのは、発明そのものを否定することではなく、「光と影の両面を見て、未来を想像すること」です。
今の便利さは、次の世代にどんな影響を与えるだろう?
自分の選択は、5年後10年後も「よかった」と思えるだろうか?
この問いを持ちながら暮らすことが、環境活動の本当の目的だと感じます。
私が日常で意識していること
ここで、私が実際に生活の中で意識している環境活動を少し紹介します。
スポンジはセルロース製に
洗い物のスポンジをセルロース素材に変えることで、下水に流れてもマイクロプラスチックになりません。
ゴミの分別を3つに

①汚れたプラスチックと燃えるゴミ
②きれいなプラスチック
③生ごみ(コンポストへ)
この方法で驚くほどゴミの行き先がクリアになります。
服はナチュラル素材を選ぶ
ポリエステルやナイロンは洗濯のたびにマイクロファイバーを出します。
なるべくコットンやリネン、ウールを選ぶようにしています。
家財は自然素材に

竹や木、草で作られた道具を愛用しています。バリ島で買った「アタのゴミ箱」は、洗えるし可愛い。

20代から少しずつ、自然に還るものに置き換えてきました。
マイバッグ・ボトル・小袋
日本でも定着してきましたが、改めて持つ習慣を続けています。
生分解性がほぼ100%の洗剤や掃除道具類

体・服・家に使うものには以外と生分解性の低いものが多いって知っていましたか?
髪がツルツルするようなものや、匂いがあるものなどは、石油製品(石油化学製品)や非石油だけど化学製品が入っていて水に流れていくんだけど100%分解されません。これらは処理施設で活性炭や膜にキャッチされるけど、残ったものは土や生物に吸着したりします。
おすすめはココナッツ洗剤。重曹・クエン酸・電解水・アロマ類の組み合わせです。
もちろん100%全てがそれらではありませんが、なるべく、ね。
「比べない」ことが一番大切
こうした工夫も、人によっては「すごい」と言われるかもしれません。
でも別の人から見れば「それくらい?」と思われるかもしれません。
本当に大切なのは、他人と比べることではなく、「いまの自分にできることを選んでいるかどうか」です。
そして、その選択で自分が幸せかどうかはもちろん、次の世代にのために良い選択をすることが大事だと思います。
環境のための行動はそういうためにするのであって、心の負担になってしまっては本末転倒です。
おわりに
環境活動は「完璧でなければならないもの」ではありません。
むしろ、自分にできる小さな一歩を楽しみながら続けることこそが、長く続けられる秘訣です。
未来の地球にとって、そして大切な人の暮らす環境にとって「よかった」と思える選択を、今日ひとつだけしてみる。
それが積み重なったときに、大きな変化に気づくのだ思います。