現役医師へインタビューヨガと医療の可能性 vol.1

MTY100で講師をしている医師、医療従事者へ『ヨガと医療』に関して行なったインタビューを連載していきます。
本日は、精神科医である中野輝基先生へのインタビューです。
中野 輝基ドクター(精神科医・精神医学の専門医)中野医師のプロフィールはこちらから>>

Q:ヨガと医療は今後どのように関わりあっていくと思いますか?

A:ヨガは医療の世界に今後密接に入っていくと思います。どのように入っていくのかはそれぞれの国の文化的背景によって異なるというのが実情でしょう。”ヨガ”という名前をとらずに理学療法の一形態として積極的に取り入れられていく場合もあると思います。精神科領域では呼吸法や瞑想が近年トラウマ治療において非常に注目されています。更に慢性疼痛をヨガで緩和しようという大きな流れも海外では起きています。現状の治療法プラスαとしてのポテンシャルはこのように非常に高いと思います。
そして介護の現場において、介護をされる人だけでなく、介護をする人立ちのストレスマネジメントとしてヨガは非常に有効であり、その点超高齢社会の日本にも応用可能であると思っています。

Q:将来的にヨガは保険適応となるでしょうか?

A:どのレベルで保険適応になるかによってかなり話は変わってくると思います。
ヨガを既存の枠組みに入れ込むか、それとも新たにヨガを保険診療として認めていくか。両者は大きく異なります。
私の意見ですが、既存の枠組みに入れ込む方が現実的だと思います。理学療法士が理学療法の一環として、若しくは作業療法士が作業療法の一環として取り入れる、という形が限界なのでは無いでしょうか。
 ヨガインストラクター及びヨガセラピストが国家資格で無い以上医療行為(保険診療という枠組み)を行う事は出来ません。よって現状のフレームに当てはめて考えていく方が現実的であると思っています。しかし、それはヨガが有効ではないという事ではなく、合う人には非薬物的アプローチとして非常に有効です。ゆえに保険診療で普及して行き辛い現状を考えると、尚更のこと「良いものを広めていく」戦略を私達医療者が練らないといけません。OMYOGAで行うMTYはこの観点からの一つの試みだと思っています。

Q:補完代替医療(ほかんだいたいいりょう)として将来的にヨガが認められるか?

A:そもそも補完代替医療という物は、誰かが「補完代替医療です」と認定しているものではありません。心身の状態が優れないときに、病院に行くという選択肢プラスαで人々が行うものが補完代替医療です。よってその観点で考えてみるとヨガが人々にどの程度浸透していくか次第だと思います。エクササイズの範疇をでないのか、それとも補完代替医療として多くの方に受け容れられていくのか。医療従事者からの積極的な情報提供が必要だと思います。その点MTYの果たす役割は大きなものになると思っています。

Q:医師から見たヨガインストラクターとして持っておいて欲しい知識と意識は何ですか?

A:大切なことは、「何が効く、何に効果がある」という事に詳しくなるのではなく、「何をしたらいけないか」と「人の身体で多くのことは白黒ハッキリしない」ということについて詳しくなって欲しいと常々思っています。
多くのワークショップはtipsに偏りがちですが、実際の臨床では「AはBである」と言い切れる事は多くなく、あらゆる可能性の中からその瞬間に妥当である選択肢をとっているというのが現実です。昨今のヨガが医療の世界に浸透していく流れの中で、ヨガインストラクターにはこうした視点を常に持っていて欲しいと思っています。この思考のプロセス等をMTYではご披露出来ればと思っています。

Q:MTY100を通じで伝えたいこと。

A:ここ最近医療とヨガの関係が注目される中で、「このポーズが○○に効く」といった話を耳にする機会が増えています。果たしてそう皆に断言できるのでしょうか?少し考えてみたら分かる事ですが、薬ですら効く人と効かない人がいます。それがヨガになるとある特定の効用が万人に当てはまるのでしょうか?
MTYでは、白黒ハッキリ言ってしまえば本当は楽かもしれないこうした混沌としている点を可能な限り皆さんとディスカッションしながら、今わかっている事、今わかっていない事等を一緒に確認していきたいと思っています。

Q:メッセージ

A:MTYではディスカッションを重視していきたいと思っています。特に精神科領域では診断をつける事の難しさ、それゆえに個別のケースに対してアドバイスする際の注意点など、実戦的な視点を感じ取って頂けたらと思います。
今までなんとなく行っていたアドバイスが実は誰かの調子を意図せずに悪くしていたかもしれない。こうした事実に気が付くことで、人はより自分の発言に責任を持っていくようになると思っています。

中野輝基先生担当の講座

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