チャクラの起源と発展:古代から現代への流れ

チャクラの起源

チャクラという概念は、古代インドのヴェーダ哲学やタントラ思想に由来します。

特にタントラの伝統の中で体系化され、ヨガやアーユルヴェーダの実践に組み込まれるようになりました。

チャクラ(Chakra)はサンスクリット語で「車輪」や「回転」を意味し、人間の体内に存在するとされるエネルギーの中心点を指します。

 

古代のチャクラ概念

チャクラの最初の概念は、紀元前1500年から500年頃のヴェーダ文献で、エネルギーやプラーナの流れとして記述されました。

現在の7つのチャクラ体系は、4~6世紀頃のタントラ文献で体系化されました。

これらは主にスピリチュアルな修行者やヨギー(行者)によって伝えられました。

以下、古代のチャクラ概念の特徴を示します。

 

主な目的

スピリチュアルな目覚めと解脱(モクシャ)を目指す手段としてのチャクラ。

修行者は、クンダリーニ(背骨の根元に眠る霊的エネルギー)を目覚めさせ、各チャクラを通じて上昇させることで究極の悟りを得ると考えました。

 

7つのチャクラ

チャクラの体系化は後の時代(おそらく4~6世紀)に進み、7つの主要チャクラが人間の霊的・エネルギー的な中心として説明されました。

ムーラダーラ・チャクラ(Muladhara / Root Chakra)

  • 場所:尾骨付近
  • エネルギー:基盤、安全、安定
  • 蓮の弁数:4枚

スヴァディシュターナ・チャクラ(Svadhisthana / Sacral Chakra)

  • 場所:下腹部
  • エネルギー:創造性、感情、情熱
  • 蓮の弁数:6枚

マニプーラ・チャクラ(Manipura / Solar Plexus Chakra)

  • 場所:みぞおち
  • エネルギー:自己信頼、意志力、個人の力
  • 蓮の弁数:10枚

アナハタ・チャクラ(Anahata / Heart Chakra)

  • 場所:胸の中央
  • エネルギー:愛、思いやり、共感
  • 蓮の弁数:12枚

ヴィシュッダ・チャクラ(Vishuddha / Throat Chakra)

  • 場所:喉
  • エネルギー:表現力、コミュニケーション、真実
  • 蓮の弁数:16枚

アージュニャ・チャクラ(Ajna / Third Eye Chakra)

  • 場所:眉間
  • エネルギー:直感、洞察、知恵
  • 蓮の弁数:2枚(または96枚の象徴的解釈もあり)

サハスラーラ・チャクラ(Sahasrara / Crown Chakra)

  • 場所:頭頂部
  • エネルギー:悟り、統合、霊的つながり
  • 蓮の弁数:1000枚(無限の象徴)

象徴性

各チャクラには、蓮の花、ビージャマントラ(種音)、神々の象徴が関連付けられました。

たとえば、ルートチャクラには四弁の蓮、ハートチャクラには12弁の蓮が関連付けられ、ビージャマントラ『Lam』や『Yam』がそれぞれ対応する音として使われました。

結びつき

チャクラはナーディ(エネルギーの通り道)やプラーナ(生命エネルギー)の概念と密接に関係していました。

 

現代のチャクラ概念

現代におけるチャクラの概念は、スピリチュアル思想やヨガの普及とともに、西洋でも広がりました。

特に20世紀に、チャクラの概念は心理学、代替医療、そして自己啓発の文脈で発展し、次のような特徴を持つようになりました。

心理学との融合

現代では、チャクラが感情や心理状態と深く結びついていると考えられます。

たとえば、ルートチャクラは「安全欲求」、ハートチャクラは「愛と共感」、クラウンチャクラは「自己超越」と関連付けられています。  

心理学者カール・グスタフ・ユングは、チャクラを心の成長段階(安全、自己実現、自己超越など)と結びつけることで、人間の内面の進化を解釈しました。

身体的健康との関係

現代では、チャクラのバランスが崩れると特定の身体的症状や疾患が現れるという考え方が広まりました。

たとえば、喉のチャクラが閉じると自己表現が難しくなり、甲状腺や喉の不調が出るとされています。

ヒーリングとウェルネス

チャクラは、ヨガや瞑想だけでなく、クリスタルヒーリング、音響療法、アロマセラピーなど多様な実践法と結びついています。

また、現代のウェルネス産業では、チャクラがライフスタイルの一部として取り入れられ、バランスを整えることで心身の健康を向上させるとされています。

古代と現代のチャクラ概念の違い  

古代のチャクラ概念現代のチャクラ概念
目的解脱(モクシャ)、霊的な目覚め心身のバランス、感情の安定、日常生活の向上
中心的な考えクンダリーニエネルギーの覚醒チャクラのバランスと健康
象徴性蓮の花、マントラ、神々色、心理テーマ、健康(安全、愛、創造性など)
対象修行者、ヨガ行者一般の人々、ヨガやスピリチュアル愛好者
実践方法瞑想、呼吸法、儀式ヨガ、クリスタル、アロマセラピー

 

教本と参考文献

チャクラについて詳しく学ぶための代表的な教本や参考文献を以下に挙げます

古典的な教本 

『シャタチャクラニルーパナ(Shat-Chakra-Nirupana)』  

  『シャタチャクラニルーパナ』は16世紀頃のタントラ文献で、7つのチャクラの象徴や瞑想方法について記述されています。現代的解釈の基礎となる要素を含んでいます。

 

『ハタヨーガ・プラディーピカー(Hatha Yoga Pradipika)』  

     → 瞑想や呼吸法を通じたチャクラ活性化の記述あり。

 

現代的な解釈の本

Anodea Judith著 『Eastern Body, Western Mind』  

→ チャクラを心理学、神経科学、自己成長と結びつけて解説。初心者から専門家まで幅広く学べる内容。

  

Harish Johari著 『Chakras: Energy Centers of Transformation』  

→ チャクラを西洋と東洋の視点から解説

現代ヨガの教本 

Anodea Judith 著『The Wheels of Life』  

→ チャクラのバランス方法やヒーリングに焦点を当てた実践的な本。  

 

まとめ 

チャクラは、古代の霊的な修行の一環から、現代の心身のバランスや健康を整えるためのツールへと発展してきました。

その概念は多様化していますが、どの時代でも「心と体の調和」を求める人々にとって魅力的な存在であり続けています。

チャクラを理解し、日常に取り入れることで、さらなるバランスとエネルギーを見つけられるかもしれません。  

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