職場、友人、家族や親戚にSNS・・・様々な人との人間関係のストレスに振り回されて、どんよりした気分で数日を過ごしてしまうこと、ありませんか?
そこで、人間関係のストレスとうまく付き合って心穏やかに過ごすためのコツを紹介します。
人間関係でストレスを抱えるのは、基本的には相手と自分の価値観が違うから。
ストレス解消のために愚痴を言ったり、やけ食いしたり、散財したりしても、お財布や胃が痛むだけで何も楽にならない、ということがよくあります。
ストレスを感じたときの怒りや不満の感情そのままに、自分が何に苦しんでいるのかに目を向けずに対処しても実は何も楽にならないんです。
ストレスとうまく付き合うポイントは、自分の価値観と感情に丁寧に向き合うこと、その上で抱えてしまったネガティブな感情を解消するための対処をすること。
ここでは、自分がなににストレスを感じたのかの整理の仕方と、気晴らしのためのコーピングリストの作り方を紹介します。
ストレスになるような人間関係を継続しなければならないこともあるかも知れませんが、対処のコツを知っておくことで、長期間ストレスに振り回されることなく穏やかに日常を送ることが出来るようになっていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
CONTENTS
人間関係のストレスを感じたらまず整理すること「事実」と「感情」「思考」
人間関係のストレスに限ったことではないかもしれませんが、ストレスを感じるとついつい直情的に反応してしまいがち。
反論したり、言い訳したり、貧乏ゆすりをしてみたり、声が大きくなったり・・・
まずは、三呼吸、深呼吸する時間を取って少し整理をしてみましょう。
ストレスを感じたとき、まず最初に整理したいのは「私は今何にストレスを感じたのか」、「事実」と「感情」「思考」を切り分けて整理することです。
人間関係のストレスとなると、基本的にはストレスの元となった相手がいます。
これまでの相手との関係性や、その時の話の流れ、相手の表情などから自分の中でストレスの源を大きくしてしまうということもしばしばあるのではないでしょうか。
- 〇〇さんは、いつも私に文句を言ってくる
- ■■だといいながら睨みつけてきた
- チームのメンバーに裏切られている
こうした言葉で表現されているのは、自分の中で作り上げられた「ジャッジ」です。
ジャッジには、起こった事実と、自分の感情、偏見や思考が入り混じった状態になっています。
一度、自分の中のジャッジを書き出して、「事実」「感情」「思考」の3軸で整理してみましょう。
【例】
ジャッジ:
ちゃんと仕事をしているのに上司の〇〇さんに、「納期に遅れていて足手まといだ」とチームメンバーみんなの前で言われて恥をかかされた。
「事実」「感情」「思考」の整理:
事実 | 感情 | 思考 |
---|---|---|
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この整理が出来ると、ストレスを必要以上に自分の中でふくらませることなく、扱えるようになります。
また、私たちは普段感情と思考を一緒くたにして考えがちで、感情のみに目を向ける機会が非常に少ないのですが、こうして切り分けて整理をすることで自分の感情に対して目を向けることができるようになるので、自分の感情に対しての対処を取りやすくなります。
感情に日常的に目を向けることがあまりなく、言葉がうまく出てこないという場合は、感情を表す言葉のリストなどもインターネット上で公開されているので上手く活用してみてください。
参考: http://nvc-japan.net/data/Feeling&Needs+intention.pdf
人間関係のストレス簡単対処法コーピングリスト作り
「事実」と「感情」「思考」が整理出来たら、自分の中に抱えてしまったネガティブな「感情」や「思考」を解消してあげる「ストレスコーピング」を実践してみましょう。
誰でも簡単にできるストレス対処法「コーピングリスト」を紹介します。
「ストレスコーピング」ってなに?
コーピングは「対処する」という意味の英語「cope」のことで、心理学においてはストレスの元に対処することを「ストレスコーピング」といいます。
ストレスコーピングの方法は大きく2つに分けられます:
問題焦点コーピング・・・ストレスの原因そのものに働きかけて問題を解決しようとすること
情動焦点コーピング・・・ストレスに対する感じ方や考え方に働きかけること
参考:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-068.html
問題焦点コーピングの場合、先ほど書いた例では、「上司の〇〇さんに働きかけて、チームメンバーの前で指摘することをやめてもらう」といった対処が該当します。
根本的な問題解決につながっているので、一番いい方法に思えますが、ストレスの元になっている人に対して働きかけをして問題解決する必要があるので、心身ともに大きな負担がかかる可能性があります。
そこで手軽な方法として取り入れてほしいのが「コーピングリスト」です。
コーピングリストは、ストレスを感じたときに自分が取るべき気晴らし方法を書いたリストで、情動焦点コーピングに該当します。
問題の根本解決をする対処法ではありませんが、ストレスを感じたときのネガティブな感情を引きずることなく、さっと気持ちを切り替えるのにおすすめです。
コーピングリストづくりのポイント
コーピングリストを作るときにはいくつかのポイントがあります。
- お金がかかりすぎないこと
- すぐ出来ること
- 無理なく実行できること
- 健康に悪影響がないこと
- 後悔しないこと
- 人に迷惑をかけないこと
- 気持ちが元気なときに作ること
せっかくコーピングリストを作っても、例えば「世界一周旅行に出る」と書いてあったら、時間的な制約や金銭的な制約もあってすぐには実行できません。
なるべく手軽に出来る、日常の小さな気晴らしを書くようにしてみましょう。
コーピングリストの例
一例として、私のコーピングリストの一部を紹介します。
- 目の前の相手の顔のほくろを数える
- 温かいほうじ茶を飲む
- 窓を開けて換気する
- 思い切り息を吐き出す
- お気に入りの映画を一本見る
- 半身浴をする
- 餃子を食べる
- ごみ捨てをする
コーピングリストは思いついたらどんどん追加していき、パッと目に入るところに貼っておくのがおすすめ。
ストレスを感じたときに、リストにあることを実践できなかったとしても、たくさん書いてあるコーピングリストを目にすることで「私にはこんなにたくさんストレス対処法があるんだ!」と安心して、それだけでも少し穏やかな気持になれます。
問題の根本解決ができればもちろんそれに越したことはないですが、人間関係のストレスに関してはお互いの価値観の違いから生じるので、根本解決が難しいこともしばしば。
まずは抱えてしまった「感情」や「思考」を楽にしてあげるという対処、ぜひ取り入れてみてください。
さいごに
友人、仕事、家族、地域社会、SNS・・・様々な関係性の人と関わるということは、関わった人の数だけ色々な価値観に触れているということでもあります。
自分の価値観とは違う価値観に触れることがポジティブな刺激になることもあれば、ネガティブな刺激になってしまうこともあるでしょう。
刺激がネガティブなストレスになってしまったときには、
- 「私は今どんなことにストレスを感じたんだろうな」と整理をすることで自分の価値観を理解し、受け止めてあげること
- コーピングリストを使ってネガティブな感情や思考をその場でなるべく逃してあげること
ぜひチャレンジしてみてくださいね。