ヴィパッサナー瞑想とは? 効果、方法、10日間合宿体験の感想も。

ヴィパッサナー瞑想は、古代のインドの伝統的な瞑想のひとつです。この瞑想法は、ブッダが約2500年前に開発したとされています。ヴィパッサナーとは、サンスクリット語で「ものごとをありのままに見る」を意味します。

ヴィパッサナー瞑想を行うことで得られる効果はさまざまですが、その大きな1つが、人間すべてに共通する苦悩から解放する「生きる技」であると言われています。そしてそれは、誰にでもできる実践法だと言われています。

2500年前」「ブッタ」「解放」などと聞くと、宗教的なものや、怪しげなものと思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。

Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズや、投資家のレイ・ダリオもヴィパッサナー瞑想の実践者として知られています。彼らが瞑想が創造性や集中力に与える影響を高く評価していたこともあり、世界中のビジネスパーソンにも支持されている瞑想法です。現在ではメジャーになりつつある、マインドフルネスの原点ともいえるでしょう。

この記事では、ヴィパッサナー瞑想とは何かを解説するとともに、ヴィパッサナー瞑想を指導している団体、そして私が実際に10日間のヴィパッサナー瞑想合宿を体験した感想もお伝えしたいと思います。

人間すべてに共通する苦しみを解放すると言われる、ヴィパッサナー瞑想。
「本当かしら?」と思ったあなたも、まずは知るところからはじめてみてください。

 

ヴィパッサナー瞑想の起源と歴史

ヴィパッサナー瞑想は、ゴータマ・ブッダが約2500年前に開発したとされています。ブッダはこの瞑想法を通じて、悟りに至ったと言われています。この時代にすでに他の瞑想法はありましたが、ブッダは自己の内面に向けた洞察と覚醒を促進するための瞑想法を、世の人々に広めました。これらの瞑想法が、後に「ヴィパッサナー」として知られるようになります。

ブッダの死後、彼の教えはインドで広まり、さまざまな瞑想の伝統が形成されました。これらの伝統の中には、ヴィパッサナーの実践が含まれており、後に多くの瞑想師や修行者によって継承されました。

ヴィパッサナーの伝統は古代から中世にかけてインドで存続しましたが、その後、ミャンマーのゴーエンカ氏(S. N. Goenka)によってあらためて再評価がなされ、ヴィパッサナー瞑想の実践施設である瞑想センターが設立、世界各地にその人気が広がることとなりました。

 

ヴィパッサナー瞑想のやり方

ヴィパッサナー瞑想は、正式な指導者のもと行われることが推奨されています。
ここでのやり方は一般的な情報をお伝えしますが、実践については指導者や瞑想センターでの指導を受けておこなってください。(流派や指導者によって、違いもあります)

 

瞑想の基本的な手順と方法

1・リラックスして座る
瞑想は座った姿勢でおこないます。背中がまっすぐで、リラックスしていて、眠らないような姿勢をとります。クッションや椅子を使うことも場合によっては許されています。

2・呼吸に集中する
目を閉じ、自然な呼吸に注意を向けます。吸うときに吸い込む空気の感覚や、吐くときに体が縮む感覚など、呼吸に関する感覚のみを集中的に観察します。

 3・身体の感覚を観察する
呼吸に集中した後、身体の感覚に注意を向けます。頭からつま先まで、身体の一部一部の感覚を順番に観察し、それらの感覚が現れる瞬間を集中的に観察します。

身体の感覚を観察しているときに湧き上がる感情や思考についても、囚われることなく、それらを客観的に見つめます。

4・継続的な実践
ヴィパッサナー瞑想は継続的な実践が重要です。毎日一定の時間を割いて瞑想を行います。

 

 

ヴィパッサナー瞑想の効果

以下のような効果があるとされていますが、これらはヴィパッサナー瞑想だけでなく一般的な瞑想についても共通して言われていることです。

1・ストレスの軽減
心の平穏を促進し、ストレスや不安を減少させる効果があります。今のこの瞬間に集中し、過去や未来への不安を和らげることができます。

2・感情のコントロール
感情の波に流されるのではなく、客観的に観察することで、感情のコントロールがしやすくなります。

3・集中力と注意力の向上
注意力や集中力が向上します。これは、日常生活における生産性や効率を高めるのに役立ちます。

4・自己理解の深化
自分自身の思考パターンや行動傾向を深く理解することができ、自分自身の内面をより良く知ることができます。

5・身体的健康の改善
瞑想することで、血圧の低下や免疫機能の向上など、身体的な健康にも寄与することが研究で示されています。

6・幸福感の増進
ポジティブな感情を増やし、全体的な幸福感を高めることが多く報告されています。

 

ヴィパッサナー瞑想の効果について、日本ヴィパッサナー協会の見解

日本ヴィパッサナー協会の公式サイトによれば、ヴィパッサナー瞑想によって精神や肉体の病が治ることもあるとしています。指導者であるゴエンカ氏も、ヴィパッサナー瞑想で長年苦しんでいたひどい頭痛が完治したというエピソードを語っています。ただ、この点については同様に以下のような注意もなされています。

Q・ヴィパッサナーは身体的あるいは精神的な病を治せますか?
様々な病は内なる動揺が原因です。その動揺が取り除かれるならば病は回復に向かうか、完治します。しかし、ヴィパッサナーを病の治療を目的として学ぶ事は誤りで、決して結果をもたらしません。これを試みる人は目標が誤っているため、時間を無駄にするだけです。瞑想を正しく理解する事も、病を治す事もできません。

 

 

ヴィパッサナー瞑想の実践を学べる団体

ヴィパッサナー瞑想の効果は、正しい練習を時間をかけてこそ得られるといいます。
特に初心者は、専門の指導者のもとで学び始めることが推奨されています。

 しっかりヴィパッサナー瞑想を学びたいと思う方に、日本で代表的な2つの団体をご紹介します。

 

日本ヴィパッサナー協会

ヴィパッサナー瞑想といえば、というほど有名な団体です。
講話ではブッタの話は出てきますが、宗教団体ではありません
逆に、瞑想への参加時はいかなる宗教的なモノや習慣を持ち込まないよう求められます。

以下は宗教に関する、日本ヴィパッサナー協会の見解です。

Q・ヴィパッサナーを修行するには仏教徒でなければできないのでしょうか?
様々な宗教を信仰する人も、無宗教の人も、瞑想コースが有益で役に立つと考えています。ヴィパッサナーは生きる技です。生きる道です。それはブッダの教えの本質ではありますが、宗教ではありません。むしろそれは自分にとって、そして他者にとって良い人生を導くための、人的価値を育むためのものなのです。

 

実践指導を得られる場所として、千葉と京都に瞑想センターがあります。現在のヴィパッサナー瞑想の広がりの立役者であるゴエンカ氏の指導を軸としたプログラムがおこなわれています。

初参加者は全員、この10日間のプログラムを受けます。
合宿は途中で切り上げて帰ることは禁止です。参加中に守るべきルールも厳しいので、最後までやり遂げる覚悟をもって挑む必要があるでしょう。

私も千葉にある「千葉ダンマーディッチャ」で十日間の合宿プログラムを体験しました。

参加費は、無料です。
その代わりに、参加者はプログラム終了後に寄付を行うシステム
です。
寄付することを強いられるなどは、一切ありませんでした。
誰が寄付したかしなかったか、いくら寄付したかについても、参加者からは一切わからない状況でした。

寄付と言われるといくら支払えばいいのか迷いますが、それぞれの経済状況に応じた金額でいいと言われます。古くからの参加者さんから聞いた話によれば、お金ではなくご自身の畑でとれた野菜を寄付した方もいらっしゃった、とか。

指導者やコースのスタッフはすべてボランティア、運営のすべては、この寄付金でまかなわれているというのも特徴的です。

 

 

日本テーラワーダ仏教協会

お釈迦様直接の教えであるテーラワーダ仏教を学び広めることを目的に設立された団体です。
こちらは仏教の宗教法人ですが、ヴィパッサナー協会とおなじく仏教徒でなくとも学ぶことができます

いきなりの合宿はちょっと・・・という方には、1dayの法話と実践会もあります。

こちらも参加費は、ご喜捨(お気持ち)とのこと。

法話と実践会
法話と実践会では、法話を織り交ぜ、ヴィパッサナー実践を行います。瞑想が初めての方にも、分かりやすく基本から指導します。以前から瞑想実践を続けてこられた経験者の方はご自身のペースで自由に長時間の瞑想ができます。瞑想や仏教について疑問のある方には、質疑応答も行います。

 

場所は、東京、大阪、兵庫に精舎があり、勉強会なども行われているそうです。
また熱海には宿泊を伴う経験者向けの自主瞑想会ができる施設もあります。

 

実践合宿も、定期的に開催されています。
こちらも初心者さんでもまったく問題なく参加できるとのこと。
費用や日数については、公式サイトに直近の合宿のお知らせがありましたので参考までにご紹介します。

日時 202468日(土)ー 613日(木)
定員 80
会場 伊豆リゾートヴィラ  静岡県賀茂郡東伊豆町稲取3349-1
参加費 48,500円
(学割 大学生30,000円、中学生&高校生20,000円)

一泊+3,000円でシングル部屋も使用できるなどの記載もありました。

私の知人は、日本ヴィパッサナー協会の合宿にも、テーラワーダの合宿にも行ったことがあるのですが
「同じヴィパッサナーでも違った学びがあり、どちらも良かった!」と言っていました。

 

詳しくは主催の各団体へ、直接お問い合わせください。

 

 

日本ヴィパッサナー協会の10日間瞑想合宿の感想

 

私が参加したのは、日本ヴィパッサナー協会の瞑想合宿です。
初参加なので選択肢は一択。10日間のコースです。

帰宅後に「合宿どうだった?」と友人たちから聞かれ、毎回こう答えてました。

「苦行!笑」
スタート早々「なぜこんなことになってしまったんだ!」(←自分で申し込みしたからなんですが)
と頭を抱えるほど、家に帰りたくて帰りたくてたまらない日々でした。

 

戒律とルール

合宿中はシーラ(道徳律)と呼ばれる5つの戒律を守らなければなりません。
ただこの内容については、それほどハードルが高くないと感じる方も多いのではないでしょうか。

  1. 生き物を殺さない。
  2. 盗みを働かない。
  3. 一切の性行為を行わない。
  4. 嘘をつかない。
  5. 酒・麻薬の類を摂らない。 

それに加えて、以下のルールも厳守となります。
大変なのはこちらです。 

・おしゃべり禁止
ジェスチャー、手話、メモ書きなど、一切のコミュニケーション、からだへの接触が禁止です。

・運動禁止
コース期間中はヨガも禁止。ジョギングもNG。ウォーキングであれば、休憩時間中OK

・お守りグッズ禁止
お守り、数珠、水晶、お札などの持ち込み、お香を焚くのも禁止です。(始まる前にマネージャーさんが貴重品と一緒に預かってくれます)

・アルコール、タバコ、睡眠薬なども禁止
麻薬はもちろんですが、精神安定剤や鎮痛剤の使用も禁止です。お医者さんの処方があれば応相談。

・お肉お魚禁止

生き物を殺さないというシーラに基づき、用意されるのは、シンプルな菜食料理のみです。

・外部との接触禁止
合宿期間中は敷地から出ることはできません。手紙、電話、および訪問者など、外部との連絡も禁止。スマホなどの電子機器はコース終了までマネージャーさんに預けます。友人や家族からの緊急連絡のみ、マネージャーさんが受けてくれます。


・音楽、読書、筆記禁止
歌ったり踊ったり、本屋雑誌、筆記用具などの持ち込みもNGです

 

この追加のルールを守るとなると、かなりストイックな状況になります。
おしゃべりな私にとって、とにかく辛かったのは聖なる沈黙と呼ばれるコミュニケーションの禁止。
同じくらいハードルが高いと感じたのは、スマホ・PCなしで生活するということでした。

これってつまり、10日間音信不通になることを意味しています。
(実際に10日後に開いたLINEには、なかなか既読にならないことを不審に思ったようで「既読にならないですけど、無事ですか・・・?」というメッセージが入っていました笑)

 

 スケジュール

朝は4時起床で30分後には、瞑想三昧の1日がはじまります。
毎日のスケジールはこちら。

午前4時:        起床

午前4時30分~6時30分:   ホールまたは自分の部屋で瞑想

午前6時30分~8時:    朝食と休憩

午前8時~9時:      ホールにてグループ瞑想

午前9時~11時:   ホールまたは自分の部屋で瞑想

午前11時~12時:         昼食

午後12時~1時:   休憩および指導者への質問

午後1時~2時30分:    ホールまたは自分の部屋で瞑想

午後2時30分~3時30分:   ホールにてグループ瞑想

午後3時30分~5時:    ホールまたは自分の部屋で瞑想

午後5時~6時:      ティータイム

午後6時~7時:      ホールにてグループ瞑想

午後7時~8時15分:    講話

午後8時15分~9時:    ホールまたは自分の部屋で瞑想

午後9時~9時30分:    ホールにて質問

午後9時30分:      就寝

 

当たり前ですが、朝から晩まで瞑想です笑

参加前にこのスケジュールを見たときは、すさまじいなと思ったものの、普段の生活に少しの時間ではありますが、瞑想を取り入れていたのでわりと平気なんじゃないかと思っていました。

が、ぜんぜん平気じゃありませんでした笑

どう平気じゃなかったかについては、ものすごく長くなってしまったので別の記事にまとめました。

あれやこれやの静かなる大騒ぎ笑
どんな10日間だったのか、ご興味あるかたは読んでみてくださいね。

 

とはいえ、みんなが同じ場所で同じことをしても、体験はそれぞれ別物。
私が見聞きしたもの、感じたことは、そのひとつに過ぎません。
最初の感想として「苦行」と表現しましたが、それでも今はこの合宿に参加してよかったと思っています。

 

ヴィパッサナー瞑想をしっかり学びたいなら、思い切って合宿に参加するのもオススメです。
日常では味わえない体験が待っています!
ただし、最後までやり遂げる覚悟をもって申し込みしてください!

 

 ヴィパッサナー瞑想は、ライフハックのひとつ

ヴィパッサナー瞑想がもたらす恩恵はさまざまですが、その核心は、精神と肉体が常に変化しているというその性質を観察することで、無常、苦しみ、そして無我という普遍的な真実を体験を通して、心が浄化されることだと言えるでしょう。

 

現代人のみならず、ブッダの時代の人々にも共通する苦しみがありました。
それが仏教用語の「四苦八苦」です。

四苦とは
生(しょう)・老(ろう)・病(びょう)・死(し)
八苦とは
愛別離苦(あいべつりく)<愛するものと別れる苦>
怨憎会苦(おんぞうえく)<怨み憎まねばならないものと会う苦>
求不得苦(ぐふとっく)<求めて得られない苦>
五蘊盛苦(ごうんじょうく)<総じて人間の活動による苦>

私たちのたいていの悩みは、これらのどこかに入るのではないかと思います。
ヴィパッサナー瞑想は、四苦八苦をなくすためにブッタが考え出した、現代風に言えばライフハックのひとつだと思います。

ヴィパッサナー瞑想を世界に広げたゴエンカ氏も、ヴィパッサナー瞑想を「生きる技」として紹介しています。
2500年前から多くの人を救ってきた技「ヴィパッサナー瞑想」は、人間にとって普遍的に必要とされる瞑想なのではないでしょうか。

ヴィパッサナー瞑想に興味を持たれた方は、ぜひ体験してみてください。

 

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